サイト内
ウェブ

若い世代に増加中 他人の視線がストレスに

  • 2019年5月13日
  • ケータイ家庭の医学SP

人の目が気になる

各方面のメンタルヘルスについての調査によると、心の病を持つ10〜20代が増加しているといいます。特に注目されるのは、他人の視線が怖い、視線を合わせるのがストレスという「視線耐性の弱い」若者が目立つという調査報告が出ていることです。視線恐怖症とは?その原因は?

◆大手化粧品メーカーがウェブ上で行った調査によれば、他人からの視線が「怖い」「恥かしい」と感じ、「視線にストレスを感じる」若者が7割弱に及び、特に10代、20代に顕著だったといいます。

◆知らない人ばかりでなく、友達と接するときでも緊張し、目をそらせてしまう。カフェでお茶を飲む、洋服を買うといった、通常なら気にならないはずの場面でも他の人の目を気にしてしまう。こうした視線耐性が弱い若者が増えているというのです。

◆原因については、デジタル依存度の高い生活を送り、実生活での対人経験が不足しているからではと指摘する専門家もいます。SNSなどの世界では自分を良く見せることができても、実生活ではそうはいかない、だから自信が持てず、不安を感じて人目が気になってしまう、と述べています。

◆視線が気になる程度が、「誰かに見られている気がして外出できない」とか「自分の視線が相手に不快感を与えているのではないかと不安になり、人と対面して話ができない」といったように、日常の仕事や生活に支障がでるようになると、「視線恐怖症」の可能性がでてきます。

▽▼▽ 次ページでは 視線恐怖症について など▽▼▽

(監修:東急病院 健康管理センター所長兼心療内科医長 伊藤克人)
◆視線恐怖症は、「対人恐怖症」や「社会不安障害」の症状の一つで、人前にでれば誰でも多少の緊張や不安を感じることはありますが、それが極端になり、動悸や発汗、手足や声の震え、赤面、息苦しさなど、体に異変が現れます。あるいは不安でいっぱいになって身動きが取れなくなる、逃げだしたくなり実際にその場から逃げだしてしまうといった状態に陥ります。

◆そのような病気がなぜ起きるのか。メカニズムとしてセロトニンやドーパミンなど脳内の神経伝達物質が関与していると推測されていますが、はっきりとはわかっていません。生育歴や環境、遺伝的な要因なども影響すると考えられています。

◆若い世代は心身の転換点を迎えています。それまでは親などの言う通りに行動していれば無条件で周囲から受け入れられていたのに、自我が目覚め自分で判断して行動し始めます。そうすると周囲からどう見られているのか、どれだけ認められているのかが気になるのは当然かもしれません。

◆そうすると、他人との相対関係で自分を評価するということになり、他人の視線が気になります。そのようなことが起こっているから視線を気にするのだということを自覚した上で、根本的な部分は、自分のために考えて行動すること、それ自体、結果はどうであれ自分にとっては大切なことで、いろいろやってみて、自分はこういうこともできる、ああいうことにも挑戦できたという体験をすることが重要です。

◆そのようなことが「今の自分のままでやっていけばいいんだ」というように、自分で自分を認めることにつながっていきます。また、周囲も本人の行動の意味をそのように捉えて、たとえ失敗しても自分で行動したこと自体を評価してあげましょう。

◆不安や恐怖を感じると、脳の感情をつかさどる扁桃体が危険だという信号をキャッチし、体を戦う(または逃げる)態勢にするため、交感神経が優位になるよう指令を出します。そのため、心拍が速まって動悸や震え、発汗、筋緊張などが起きるのです。対人恐怖症の人は、この危険を察知する扁桃体の働きが、通常より過敏になっていることがわかっています。

◆病気とまでは言えなくても、人目が気になって自由に行動しづらい、自分に自信が持てず周りの人に気をつかい過ぎて疲れてしまう、かといって1人で行動するのは苦手、という人は少なくありません。

◆少しくらい視線耐性が弱くても、多くの場合は実生活での対人経験を積むことで少しずつ人と接することに慣れ、信頼できる人と出会ったり、自分を勇気づける知識や情報を得たりすることで克服していけるでしょう。しかし、視線に対する不安や恐怖感が何カ月も続き、だんだん強くなると感じた場合は、早めに心療内科や精神科などを受診して相談することをおすすめします。

(監修:東急病院 健康管理センター所長兼心療内科医長 伊藤克人) 

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
© 2019保健同人社All Rights Reserved.