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給食が男子中学生の肥満を予防

  • 2018年12月5日
  • ケータイ家庭の医学SP

エビデンスが明らかに

欧米などの先進国をはじめ途上国でも、思春期の肥満は増加の傾向にあるなかで、日本では思春期の肥満率が低いことが知られていました。その理由の一つとして、栄養バランスのとれた「学校給食」が、大きく貢献しているというエビデンスが明らかになりました。

◆2018年6月、東京大学大学院医学系研究科の研究グループから、日本の男子中学生に肥満が少ないのは、「学校給食」の実施によるという研究結果が発表されました。

◆以前から、日本では思春期の肥満が少ないといわれ、学校給食の有用性が指摘されていましたが、それを証明するエビデンス(科学的根拠)はありませんでした。今回の研究を通じて、給食実施率と栄養状態の指標との因果関係が明らかになり、適切な栄養基準に基づいて提供される学校給食が、肥満を減らす有効策の一つであることが証明されました。

◆政府統計の公開データから、中学2年生から高校1年生の男女生徒を対象として「2006〜2015年の都道府県レベルの給食実施率」、「都道府県レベルの栄養状態の指標(過体重・肥満・やせの生徒の割合、平均身長、平均体重)」を性・年齢別に抽出。前年の給食実施率と、翌年の栄養状態の指標の関連を調べました。解析の結果、都道府県レベルの給食実施率が10%増加すると、翌年の過体重の男子生徒の割合は0.37%低くなり、肥満の男子生徒の割合は0.23%低下していました。

▽▼▽ 次ページでは 研究結果について など▽▼▽

(監修:医療法人社団秀志会 松平小児科院長 松平隆光)◆今回の研究結果から、男子中学生において、給食に思春期の過体重・肥満を減らす効果があることがわかりました。また、平均体重や平均身長についても、給食実施率の上昇で体重が減少し、さらに身長が伸びる傾向がみられました。

◆一方で、女子中学生については過体重・肥満の減少傾向はみられたものの、統計学的には有意な結果が得られませんでした。研究グループでは、女子の効果が薄かったことについて、「思春期の女子は(体型を気にして)食べる量がもともと少なく、給食によるカロリー抑制効果が小さい可能性がある」と考察しています。

◆適正体重の維持と同時に、育ち盛りの思春期の健康な体づくりには、カロリーコントロールだけでなく、どういう栄養素が必要で、どのような食事習慣が有効かということなども重要です。

◆給食は、栄養面だけに限らず、毎日決まった時間に昼食をとることで規則正しい生活リズムの一助となる、献立を通して食べ物の栄養素や栄養バランス、食にまつわるマナーを学ぶなどといったこともサポートします。

◆近年は、旬の食材や四季の行事にちなんだメニュー、地元の農産物、海産物などを用いた郷土料理なども、給食の献立に取り入れられています。また、日本の食の豊かさ、地産地消の重要性などを学ぶ「食育」のツールとしても活用されています。成長期の体と心を整える大切な「学校給食」が、今後も継続されていくことが期待されます。

(監修:医療法人社団秀志会 松平小児科院長 松平隆光)

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