葉ものにほどこす10のアレンジテクニックのうち、
「割く」「表裏の違いを見せる」「半面をカットする」「基部をカットする」の作例をご紹介します。
割く その1
シマハランを割き、長さや幅に変化をつけて。葉先の高さや向きを揃えずに挿していくと、よりナチュラルに仕上がります。逆に、高さや向きを揃えると、ラインや面が強調され、造形的になります。
花材/シマハラン、アーティチョーク、ルリタマアザミ、リモニウム
割く その2
ドラセナ“ブラックリーフ”を割いて利用。大きな葉は、アレンジのサイズに合うように割いて長さや幅を調整しましょう。
花材/ドラセナ(ブラックリーフ)、バラ、イタリアンベリー、ミント、レモンリーフ
表裏の違いを見せる その1
モンステラの表と裏を見せたアレンジ。多くの葉物は、表より裏のほうの印象がうすいことが多いので、デザインの構成上、1枚入れたいけど強さは出したくない、という時には裏を見せて挿してみましょう。
花材/フイリヒメモンステラ、ダリア、バラ、ロフォミルタス、フィリカ
表裏の違いを見せる その2
波打った形がユニークなエメラルドウェーブ。表と裏ではまったく表情が違います。形のおもしろさとともに両面を見せて、個性豊かなアレンジに。
花材/エメラルドウェーブ、スカビオサ、フィリカ
半面をカットする その1
アレカヤシの葉の半面をカット。流れを統一するために、前面では葉の左半分を、後ろは右半面を残したものを使っています。葉を残した側を上にあしらうと上昇する流れをつくることができ、下に向ければ下降する動きが出せます。
花材/アレカヤシ、カラー、オンシジウム、ナデシコ、ベルテッセン
半面をカットする その2
葉にたくさんの切れ目が入ったタニワタリ“ドラゴン”の半面をカットして使いました。葉によって切れ目の入り方が違うので、どこを残すとおもしろい形になるかを見極めましょう。
花材/タニワタリ(ドラゴン)、ケイトウ、グロリオサ
基部をカットする その1
クロトンの葉の基部をカットして、一枚一枚の長さや面積に変化をつけています。大小2枚の皿の間にフローラルフォームをはさんだアレンジです。
花材/クロトン、トルコギキョウ、ラペイロージア、フィリカ、ミルクブッシュ
基部をカットする その2
こちらもクロトンの葉の基部をカットし、さらに表と裏を見せたアレンジ。クロトンは葉柄が短い葉物ですが、中心の葉脈を残して葉をカットすると葉柄を長くとることができます。
花材/クロトン、コニカルブッシュ、グレビレア、リューカデンドロン・ピューベセンス
arrangement Shinichi Nagatsuka
photo (C) Seibundo-Shinkosha
種類も豊富になり、フラワーアレンジや花束になくてはならない素材が「葉物」です。花をひきたてるだけでなく、それ自体の美しさを生かしたワンランク上のフラワーアレンジメントにするためのアイデアやテクニックを紹介。水揚げや管理法、葉物図鑑も収録。葉物を使いこなすための知恵がぎっしりの1冊です。誠文堂新光社刊