葉のそのままの形状を活かすだけでなく、
ひと手間加えることでさらに表情豊かなデザインに
仕上げることができます。覚えておくときっと役立つ、
テクニックをご紹介しましょう。その2です。
Technique 1 時間経過を見せる
黄色に変色したり、枯れた状態になったりしても葉物には独特の風合いがあります。フレッシュと対比させて使ってもおもしろいでしょう。水換えを行いつつ水を切らさない状態で、じょじょに乾燥させるときれいな形をキープできます。オクラレルカなどは、キーパーで乾燥させると良い仕上がりに。
[使用した葉物] アンスリウム
[向いている葉物]モンステラ、バショウ、シーグレープ、シースターなど
Technique 2 割く
葉脈に沿って指で葉を割き、左右の端を取り除きます。これは細く、小さめの素材が必要になった時に役立つテクニックです。葉脈が平行に通っている薄い葉物に使えます。いくつものパーツに割いて用いる方法もあります。
[使用した葉物] ハラン
[向いている葉物]カークリゴ、ドラセナ(ブラックリーフ)など
Technique 3 表裏の違いを見せる
葉物の普段はあまり着目しない裏面もチェックを。表面とはひと味違った色や質感を持った葉物は意外と多いもの。あえて裏面を見せてデザインしてみましょう。
[使用した葉物] モンステラ
[向いている葉物]クロトン、アンスリウム、ヤツデ、カークリゴ、アレカヤシ、エメラルドウェーブなど
Technique 4 半面をカットする
葉の中心に通っている葉軸に沿って、ナイフやハサミで半面をカットします。アレカヤシのように小さな葉がつく葉物は、葉の美しい流れをより強調することができます。
[使用した葉物] アレカヤシ
[向いている葉物]バショウ、ザミア、クロトン、カークリゴ、タニワタリ(ドラゴン)など
Technique5 基部をカットする
葉の中心に通っている葉脈を残して、葉の基部をカットします。これによって大きな葉でも小さくして使うことができます。同じサイズの素材しか手に入らなかった時に便利な手法です。
[使用した葉物] クロトン
[向いている葉物]レモンリーフ、メリタリーフ、バショウなど
arrangement Shinichi Nagatsuka
photo (C) Seibundo-Shinkosha
種類も豊富になり、フラワーアレンジや花束になくてはならない素材が「葉物」です。花をひきたてるだけでなく、それ自体の美しさを生かしたワンランク上のフラワーアレンジメントにするためのアイデアやテクニックを紹介。水揚げや管理法、葉物図鑑も収録。葉物を使いこなすための知恵がぎっしりの1冊です。誠文堂新光社刊