
「熊井太郎孝行の巻」を上演する保存会員=白山市の深瀬でくまわし保存会館【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】
国重要無形民俗文化財「尾口のでくまわし」を受け継ぐ「深瀬木偶(でく)回し保存会」の公演は16日、白山市深瀬新町のでくまわし保存会館で行われた。会員15人が「でく」と呼ばれる人形を巧みに操り、観客約150人を物語の世界に引き込んだ。
開演を告げる三番叟(さんばそう)に続き、会員は源平合戦を舞台に義経の家来の忠義を描いた判官物「熊井太郎孝行の巻」の四段と五段を上演した。観客は太夫の情感豊かな語り口と、まわし手の力強い足踏みのみで人形の喜怒哀楽を表現した舞台に見入った。
尾口のでくまわしは、350年以上前から白山麓の旧尾口村深瀬と東二口に伝わる。鶴来地域にある深瀬新町では、手取川ダム建設の際に移住した深瀬出身者が中心となり、伝統の人形浄瑠璃を継承している。
●東二口は22日から
市東二口歴史民俗資料館では、22、23日と3月1、2日の計4日間、東二口文弥人形浄瑠璃保存会による公演「でくの舞」が行われる。
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