
浙江自然博物院から寄贈された「ユエオサウルス・ティエンタイエンシス」の標本=福井県勝山市の県立恐竜博物館【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】
福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)で、姉妹提携する中国・浙江自然博物院から寄贈された鳥盤類鳥脚類「ユエオサウルス・ティエンタイエンシス」の標本が展示されている。3月上旬まで。
両施設は2004年に姉妹提携し、発掘調査や研究のほか特別展開催などで協力している。今回は提携20周年を迎え、交流と協力をさらに強化し、互いの展示を充実させようと所蔵する恐竜化石の複製標本を交換した。
浙江自然博物院からの標本は、浙江省天台県の白亜紀中頃(約1億590万〜9600万年前)の地層で発見されたイグアノドン類で、骨が岩石に埋没した状態を再現したもの。縦26センチ、横43センチ、厚さ9センチ。全長は約1・2メートルと推定される。博物院の鄭文傑(ていぶんけつ)博士が恐竜博物館に技術研究員として赴任し、共同研究の成果として11年に発表したもので、学名は浙江省の古い地名「越」に由来し、中国語で「天台越竜」と表記される。
県立恐竜博物館からは、同じく鳥盤類鳥脚類で、勝山市北谷町で発掘された「コシサウルス・カツヤマ」の複製標本を贈り、浙江自然博物院で恐竜博物館の実物化石などを紹介する特別展が2月16日まで開かれている。
コシサウルスも「勝山越竜」と表記されることから、恐竜博物館の展示パネルには「浙江省からやってきたもう一つの"越竜"」と紹介している。
恐竜博物館の寺田和雄研究・展示課長は「新型コロナウイルス禍以降、共同の発掘調査などは実現していないが、今後も交流を続けていきたい」と話している。
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