リニューアルした食事会場「おかわり食堂」=南魚沼市宮【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】
新潟県南魚沼市宮の温泉旅館「五十沢温泉ゆもとかん」は、これまでの温泉旅館スタイルからビジネスホテルスタイルへと営業形態を変えた。フロント業務を簡素化したほか、食事会場をリニューアルし、提供方法を変更。単発のアルバイト求人にもつながっており、新スタイルを浸透させていきたい考えだ。
ゆもとかんは1978年開業。五十沢温泉にある旅館としてビジネス客のほか、冬はスキー客、夏は登山客の需要が高く、さまざまな客層に親しまれてきた。
しかし、新型コロナウイルスの流行により売り上げが減少。営業も縮小したことから、従業員の声を聞き、業務見直しを図った。
その結果、働き手不足を補うための業務簡素化を決めた。従来の旅館スタイルを変更し、ビジネス客を主なターゲットに営業体制を整えた。チェックイン時の客室への案内や、送迎を伴う宴会を廃止した。
食事の提供方法は大広間や個室の宴会会場での提供をやめ、食事会場のみに変更。会場をリニューアルし、テーブル席とカウンター席を計50席用意した。「おかわり食堂」と命名し、南魚沼産コシヒカリを食べ放題にしたほか、メニューも県産食材を中心にそろえた。食事分を現地決済にしたことで、インターネットの宿泊サイトの手数料を抑えることができた。
4月にリニューアル後、ビジネス客が3〜4割増えたという。売り上げ目標は月1000万円から800万円に引き下げたが、人件費が抑えられた上、業務簡素化に伴って単発アルバイトを募集しやすくなり、人手不足の解消につながっている。
ビジネスホテルスタイルにしたものの、自然豊かな景観が広がる露天風呂や、部屋から望む景色といったアピールポイントはこれまで通り強調し、ビジネス客以外の家族連れや日帰り温泉利用客も取り込んでいく。
小澤陽香取締役(36)は「営業形態の変更に当初は不安もあったが、売り上げが出ているので安堵(あんど)している。これからもファンを増やしていきたい」と話した。
平日朝食付きで1人1泊9000円(入湯税120円は別)。問い合わせはゆもとかん、025(774)2876。
【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】