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Vol.72 長男誕生、レイモンド・スコットの電子音

  • 2014年11月20日

 はじめに皆さんにご報告です。先月、我が家に第一子が誕生しました。元気な男の子で、まだまだとってもちっちゃくて、奇跡のような存在です。いつまで見ていても飽きず、そのたびに胸がキュンキュンしてしまいますが、この先、しっかり面倒を見てやらなくちゃいけないことを考えると、やっぱり身が引き締まります。

 そんなこともあり、半年に1度、妻のQuinka,with a Yawnと共同で企画してきた「きこえる・シンポジウム」は、しばらくおやすみしていました。通算19回目で止まっているので、そのうち20回目を、Quinkaの活動が再開したあとにタイミングをみて開催したいと思っています。

 出生届とともに、出産費用の大半を給付してくれる出産育児一時金と、少し前まで「子ども手当」という名前だった支給制度「児童手当」の申請をしました。これからの病院通いのための健康保険証や乳幼児医療証の受け取り、予防接種のための福祉センターへの申込など、他にもいろいろやることがありますね。

 いわゆる子育てブログを見ると、食事は変わっていくし、服はどんどん小さくなるし、まだまだ用意するものがありそう。同世代の人たちに比べたらかなり遅くやってきた子供なので、親類や友人のおさがりをどんどん活用するようにしています。レンタルやオークションという手も見逃せません。

 さて、自分の子供に最初に聴かせる音楽をどうしようかと、以前から少し考えていました。僕の好きなハイラマズというバンドのボーカル、ショーン・オヘイガンは、自分の子供に、彼のフェイバリットであるビーチボーイズを最初に聴かせていたので、僕もなにかこだわりを。と、そうこうしているあいだに、Quinkaがスマートフォンでトム・ウェイツの1973年のアルバム「Closing Time」を、息子の耳元で小さくかけました。しゃがれ声の子守唄。結局、先を越されてしまったけど、僕と一緒でピアノを弾きながら歌う人なので、良しとします。

 1930年代から小編成の楽団を組んで活躍した、レイモンド・スコットという音楽家がいます。ユニークな楽曲が多く、カートゥーンやコマーシャルの音楽を早い時期から手掛け、それらの先駆けとなりました。また、彼は電子音楽の研究家でもありました。シンセサイザーが広く普及するずっと前から、工房を埋め尽くすほどの大きな機械で、いろいろな音を開発していきます。

レイモンド・スコット「Soothing Sounds for Baby」

 1963年には「Soothing Sounds for Baby」を発売。これは赤ちゃんに聴かせるための電子音楽で、ピヨピヨ~、ブルンブルン~、といろんな波形の電子音が、楽しいアンサンブルを奏でます。しかし、すでに彼の全盛期が過ぎ去っていたこともあり、当時はあまり評価されず、ほとんど誰にも知られないまま埋もれていました。それが時を経て、1997年にCDとして再発売されます。

 その頃、モンドミュージックというジャンルとしてこういったマニアックな電子音楽が流行っていたので、僕も購入しました。そしてついに今、使えるときが来ました!「0~6ヶ月」「6~12ヶ月」「12~18ヶ月」と3枚に分かれているのですが、「0~6ヶ月」を聴かせてみます。ピヨピヨ~、ブルルル~(へなちょこな、ディズニーのエレクトリカルパレードを想像してください)。

 まだ新生児なので笑ったりはしませんが、一点を見つめながら、気持ち良さそうにしています。お気に召していただけたかな~。これからどんな音楽を聴かせようかな、と思いをめぐらせます。でも自宅で練習や作曲をしている僕らの歌を、いちばん多く聴くことになるかもしれません。なんにせよ、音楽を愛する人になってくれますように。




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