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Vol.16 シェーナウから学ぶこと

  • 2012年8月16日

 東京・世田谷区にある家具屋さん「巣巣(SUSU)」で「シェーナウの想い」という映画の上映会に参加しました。シェーナウはドイツの南西部に位置する人口2500人の小さな街です。前回、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を取り上げましたが、その制度の先駆となったドイツでの、市民によるエネルギーの新たな取り組みを学んでみたいと思い、足を運びました。

シェーナウから学ぶこと
 1986年、チェルノブイリ原子力発電所の事故がおきました。1600キロ離れたシェーナウでも放射性物質による汚染が起こり、市民は原発のない未来を政府や地元の電力会社に訴えかけますが、政策を変える気配はありません。そこでスラーデク夫妻を中心とした10人ほどの有志が集まり、様々な活動を始めます。

 まずは省エネキャンペーンを展開し、村のなかでより多く節電した人に賞品を送りました。また被爆をしたウクライナ・キエフの子供たちをシェーナウに呼び、自然に触れてもらったりしました。さらにより多くの人に関心を持ってもらうため、音楽祭やシンポジウムを頻繁に行ったり。

 電気を多く売ることで利益を得る地元の電力会社は、節電した人を優遇する料金体系の提案などにもまったく興味を示しませんでした。そこで市民は1997年に独自の電力会社EWS(シェーナウ電力)を立ち上げます。しかし電力に関しては全くの素人が集まっているので、その後に待ち受ける試練は相当なものでした。

 独占企業による送電に対する市議会での否決、数々の市民投票、そしてなんといっても広大な電力網を買い取るために多額の資金が必要です。それでもあきらめずに、市民たちはユニークなキャンペーンを数多く展開していきます。映画は最終的に、自然エネルギー99.6%、天然ガスの排熱(コージェネレーション)発電0.4%(2010年)でのエネルギーを、シェーナウだけでなくドイツ全土にも供給する立派な電力会社に至るまでを追って行きます。

 数々のアイデアもそうですし、目標を達成するたびに彼らが皆でお祝いをするところも、人を巻き込むうえで大切な部分だなぁと思いました。今、国内でも自治体や市民活動を中心にした、いわゆる「ご当地電力」が注目されています。個人単位、家族単位の楽しみもいいけど、ひとつの街、区や市の単位で想いを重ねて、これからの楽しみを共有する。それが自分の街から変えるという改革に繋がる。そんな体験が出来たらとてもいいだろうなぁと思いました。

 「シェーナウの想い」自主上映会用のDVDは無償で貸し出してくれるそうなので、興味のある方は「自然エネルギー社会を目指すネットワーク」のホームページをチェックしてみてください。ちなみに、この映画の上映会の会場となった「巣巣」では、僕もよくライブをさせてもらっています。家具屋さんだけど、ライブやワークショップ、上映会、最近ではピアノのレッスン会も行うとても面白いお店です。

 そしてこの巣巣で、9/1から9/9まで「『愛のかたまり』展 All we need is LOVE but not Nukes.」が開かれることになりました。イラストレーターの平澤まりこさんをはじめとした様々なクリエイターが中心となって、原発のない明日に向かって進んで行くためのメッセージを伝える展覧会をします。

「『愛のかたまり』展 All we need is LOVE but not Nukes.」 

 この展示に参加するメンバーとは、今までもたびたび展覧会を行ったことがありますが、こういった社会的なテーマで作品を寄せ合うのは初めての体験です。シェーナウの活動も、普段はそれぞれ仕事や家庭を持つ人たちが空いた時間を持ち寄って、小さな集まりから広がって行きました。この仲間と将来、電力会社が起こせればそれこそ面白いのですが。

 僕はこの展覧会初日の9/1に、Quinkaと共にライブをします(くわしい情報は僕のライブ情報ページ、または巣巣のホームページで)。なにか音楽作品も出品しようとも考えています。ライブ当日も早めにご来場いただければ巣巣のインテリアや展示物も楽しめますので、ぜひ遊びにきてください。


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