ときどき忘れそうになる、地球の神秘。
地球の内核といえば、マントルよりさらに深いところにある、地球のコアの部分のことですよね。地表から深さ約5000km以下の位置にある球体で、固体の鉄とニッケルでできています。大きさは月と同じくらい。液体の鉄とニッケルからなる外核に覆われ、地球の磁場を発生させるもとになっています。
地球の構造。Innter Core=内核 Image: Shutterstock最近になって、内核の自転速度が遅くなり、地球の「一日の長さ」が変化しているという報告が話題になりました。なんでも、数十年ぶりに内核の自転が減速し、それが地球の自転自体への抵抗力となり、自転にかかる時間が長くなっているのだとか。とはいえ、1000分の1秒レベルの話で、今すぐ私たちの生活が大きな変わることはなさそうです。
しかし、実は内核の形状もまた微妙に変化しており、地球にとって大きな影響を与える可能性があることが明らかになっています。
ここ数十年、科学者らは地震によって発生する地震波を用いて地球内部の様子を研究してきました。地震波が地球内部の物質を伝わり、また跳ね返る様子によって、内核を構成する物質の組成や動きを推測してきたのです。
そしてある科学者チームが168組の繰り返し地震を研究。内核が同じ位置にあった期間の地震波の経路を比較したところ、地震波が内核の表面をかすめたときに違いを示すことに気づき、内核の形状が変化していることを発見したのです。
とはいえ、地球の核が形を変えるには、何らかの大きな力が働いているはず。その原因として考えられるのが、地球内部にある「大規模低せん断速度領域」と呼ばれる、高密度の領域です。その引力が内核に影響し、内核境界に小さな陥没や隆起を起こしている可能性があるそうです。
今後さらに研究がすすめば、地球のコア内部で一体どんな力が働いているのか、といった謎が解明されることになるでしょう。そしてそれが一日の長さや地磁気の強さなど、地球という星の全体にどのような影響を及ぼしているかがわかるようになるはず。何光年先の宇宙のことより、まず地球の事を知らないといけないのかも。さらなる研究成果が待ち遠しいですね!
Source: Dailygalaxy
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