派手な発表会はなく、するっとAppleウェブサイトに登場したBeatsの新型イヤフォン「Powerbeats Pro 2」。
プロモーション動画に、リオネル・メッシ選手・大谷翔平選手・レブロン・ジェームズ選手というトップ・オブ・トップのアスリートが登場し、スポーツの激しい動きにも耐えるそのフィット感をアピールしています。このトップアスリート使いを普通の人の日常に落とし込むと、つまりランナーには最適のイヤフォンなのです。
米Gizmodo編集部が一足先に使ってレビューしました。以下、そのレビューを翻訳しました。
Appleの新たなイヤフォンBeatsのPowerbeats Pro 2。初代から進化し、より人間工学に即したデザインが採用され、バッテリーもちも向上、スマートな機能も追加されています。価格は税込3万9800円。
初代モデル時代から、Appleのエコシステム内にいながらAppleのイヤフォン派ではない人たちの受け皿となってきたBeats。耳にかける仕様は、ランナーや登山者などアクティブな人だけでなく、日々の通勤・通学でも重宝されてきました。で、音もいいと。それが第2世代どんなアップデートを見せたのか、初代と比較しつつ使ってみました。
Image: Jorge Jimenez Image: Jorge Jimenez初代を使っていた自分からしたら、ものすごくよかったけど問題もあったのは明白。というか、自分だけでなく、当時のレビューではどのメディアも指摘していたと思います。まず、サイズ。初代、デカかったんです。これが、Powerbeats Pro 2では3割サイズダウン。
耳に引っ掛ける部分が細くスリム化されたのはとてもいいアップデートで、メガネやサングラスを併用する人には本当にありがたい! 私はメガネをかけているので、イヤーフック系のイヤフォンは難しいのですが、Powerbeats Pro 2はイヤフォン部分を1度耳の穴にフィットさせてしまえば、非常に快適。ランニングでも気にならないほどでした。
Image: Adriano Contrerasサイズでいうと、充電ケースも初代はゴツかったですが、これも3割サイズダウン。そのサイズでもイヤフォンを3回フルチャージできる馬力はあるので十分です。また、Qi規格対応のワイヤレス充電も可能に。ただ小さくなったとはいえ、他のイヤフォン充電ケースと比べるとまだ大きい方なんですけどね。
Image: Adriano ContrerasPowerbeats Pro 2はIPX4。つまり、耐水程度で防水ではないということ。タフな作りが好む人もいますが、今回のBeatsとしてはコストとのバランスを優先したのでしょう。
初代の音に大満足していた派からしたら、期待通りの音。サウンドクオリティはとてもいいです。小型化による音質への影響を心配していましたが、音のバランスが非常にいい。
アスリート向けのアイテムで、活動しながら音楽を聴く人が多いことを想定してか、ベースが重すぎません。寒い日のランニングに、最近、ブルーノ・マーズとロゼのコラボの『APT.』やバッド・バニーの『WELTiTA』をよく聞いていますが、寒さ忘れるほどテンションがあがります。
Powerbeats Pro 2で特筆すべきは、アクティブ・ノイズ・キャンセリング機能(ANC)がついたこと。これもなかなかよくて、しっかりと自分の世界に集中させてくれます。昨今当たり前となった、外部音取り込みモードも搭載。
さらに、ユーザーの耳の形に合わせたアダプティブイコライゼーションも搭載し、Appleがアピールする空間オーディオをサポートします。レビュー期間中、見ている(聞いている)番組の会話の聞こえる方向がおかしく、自分の周りをキャラクターがウロチョロしているように感じたことがたまにありました。が、そんな時は、1度イヤフォンを外してから再び装着すれば問題解決。少々トラブルはありましたが、それでも個人的にはアダプティブイコライゼーションは好きな機能です。
他にも、運動中に通話するなら声を分離する機能が活躍します。通話相手によりクリアに自分の声を届けることができます。
ANCと同じくらい大切なのが、心拍計機能の導入。Nike RunやPelotonなど、各種アプリの心拍計機能と連動可能です。Pelotonユーザーなので、運動しながらPowerbeats Pro 2が取ってくれたデータをiPhoneで見られるのは便利。また、Nike Runアプリだと、BMP値もリアルタイムで確認できます。
ちなみに、Appleの中の人いわく、Powerbeats Pro 2とApple Watchを併用して運動した場合、連動するアプリはAppel Watchが取得する情報を使うとのこと。これは、スマートウォッチの方がより正確にデータをとれるからだそうです。
左右それぞれにLED光学センサーがあり、光が肌を通して耳の中で血流もチェック。加速度センサーもあるので、ワークアウトのトラッキングもかなり正確にできそう。
iPhoneからiMacまで、基本はApple端末との連動が可能。iOSのSiriも、Mind Myの探す機能も、iCloud経由の同期も使えます。
左右のイヤフォンに音量調節のボタン(Up/Down)と、「b」印の多機能ボタンあり。多機能ボタンは、Siri発動や通話を受けるなど、押す・長押しで好きに設定可能。bダブルタップで曲送り、3タップで前戻し可能。iOSの設定メニューで好きにいじれる操作は、この多機能ボタンくらいです。もうちょいあってもよかったなと思いつつ、これくらいがシンプルで十分かという気もします。
バッテリーも初代から大きく進化したことの1つ。ANCなしで10時間が公式ですが、実際使ってみると8.5時間から9時間くらいかな。ANCありだと、これが5時間から6.5時間くらいになります。ほとんどの人がANCオン・オフ切り替えつつ使うだろうことを思えば、朝から晩まで使っても、お家に帰ってくるまでは問題なさそう。
ちなみに、これはイヤフォン単体のバッテリーもちの話。ケースでフル充電3回分ほどいけることも忘れずに。
Powerbeats Pro 2は、Appleユーザーでアクティブな人向けと言うのが1番わかりやすい。Apple傘下のブランドですが、Apple印のイヤフォンではないため、Androidともシームレスに連携できるのも魅力。iOS/Androidを併用する人には、どちらの足もひっぱらないアイテムです。
ANCと心拍計が加わったことで、初代から全方位的にアップデート。フィット感も極まって、ランナーには間違いなくおすすめのイヤフォンになっています。
いいところ:スリムになったデザイン、ワイヤレス充電、ANC。
残念なところ:イコライザー設定なし、ケースがゴツい。
4色(エレクトリックオレンジ・ハイパープル・クイックサンド・ジェットブラック)展開。3万9800円。Apple公式ストアから購入可能。