宇宙ステーションの外でも生き延び続ける微生物のナゾ

  • 2025年2月10日
  • Gizmodo Japan

宇宙ステーションの外でも生き延び続ける微生物のナゾ
Photo: NASA

生命は宇宙空間を生き延びて地球へたどりついた?

基本的に生物は、地球を離れて生きることはできないはず。過酷な環境をサバイブしてしまうクマムシみたいな生物もいますけどね。

しかしながら、国際宇宙ステーション(ISS)の船外でも生き続けている微生物の存在を調べれば、実は地球を飛び出しても生きられるカギが発見できるやもしれません。

NASAの新プロジェクトへの期待

このほどNASAは、ISSで進められている、船外活動中に外部環境で生息を続ける微生物の研究を目指す「ISS External Microorganisms」の新プロジェクト概要を明らかにしました。

宇宙へ出発する前、宇宙船ならびに宇宙飛行士は、病原菌などをISSへ持ちこんでしまうことがないよう、徹底的な殺菌プロセスを経ます。そうはいっても、あらゆる微生物を排除することはできず、やはりISS船内に微生物は存在します。そして生命維持システムの通気口から、一部の微生物は船外に出ていっているとも考えられます。

ISS External Microorganismsでは、船外活動中に、通気口付近の微生物サンプルの収集にチャレンジ。その後、地球に持ち帰られて、どのように微生物がISS船外でも生き延びられているかなどの調査分析を進めていきます。放射線や無重力空間にという過酷な環境へどのように適応し、さらには繁殖まで成功させているかを研究するとのことですね。

意外な発見につながるかも?

ISS External Microorganismsの成果は、より頑強に長持ちするモノづくりへの応用など、多くの可能性を秘めています。月面や火星で生きる手法の発見につながるかもしれませんし、地球から微生物や病原菌を宇宙空間に持ち出して変異させる危険性についても調べられることになっていますよ。

意外な新発見が期待されているのは、パンスペルミア説の検証です。実は地球上の生命の根源は、宇宙内の別の惑星にあって、それが地球へたどりつき、現在にいたっているという仮説なのですが...仮説の域を出ていません。

しかしながら、ISS船外の宇宙空間でも生き延び、さらにはそこで繁殖までしてしまう微生物の秘密が明らかになれば…? いろんな興味深い新事実が飛び出してくるかもしれません。

Source: NASA

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