緊急時に威力を発揮するのみならず…。
SpaceX社の高速インターネット衛星「Starlink」のおかげで、ずいぶんと衛星通信が身近な存在となりました。すでにauが、携帯電話電波の圏外でStarlinkにつながるサービスを推していますけど、実はApple(アップル)も、さらなるスムーズな衛星通信環境を整えることに意欲を示しているそうです。
iPhoneには、いま緊急時に衛星通信でSOSを発信できるセーフティ機能が備わっています。しかしながら、このほどPCMagは、Appleが米国特許商標局(USPTO)より先月に認可された特許技術に注目。単に携帯電話が圏外になったときだけでなく、いつでもスムーズに衛星通信で音声通話ならびにインターネット接続ができるサービスの提供が目指されているようなんです!
地球低軌道にあるStarlink衛星とつながるサービスは、山奥やへき地でも、空が開けた場所で衛星との接続を維持できれば、思いのほか快適に高速ネットを利用可能。とはいえ、場所や天候によっては、接続が途切れてストレスを抱えることも少なくないようです。ましてや、常に移動しているスマートフォンとの接続となれば、さらにハードルが上がるでしょう。
Appleの特許技術は、接続中の衛星から別の衛星へのハンドオーバーの過程に重きが置かれています。まるで同じネットワークにつながり続けるごとく、衛星通信の途切れを解消するための工夫が凝らされているらしく、iPhoneチップも独自に衛星通信へ最適化させて実装できるといわれていますね。
あくまでも申請特許が認可されたのみで、本当に同技術が実用化されたiPhoneが登場するかは定かではありません。とはいえ、Appleが衛星通信に力を入れているのは確かです。昨秋には衛星通信サービスを提供しているGlobalstarへ、新たに10億ドル(約1520億円)規模の出資をアナウンスしました。
北米では、いまStarlinkとつながる携帯電話サービスに加え、スタートアップ企業のAST SpaceMobileがスマホ向けに提供する衛星通信サービスも注目されています。どこまでAppleが自前のサービス網を築くかは謎なものの、お得にiPhoneユーザーなら衛星通信がセットされる新プランを提供される日も、そう遠くないかもしれません。
Source: USPTO via PCMag
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