AIと核兵器、映画『ターミネーター』では最悪の組み合わせだったような記憶が…。
ロスアラモス国立研究所とOpenAIは、1月30日に新たなパートナーシップの締結を発表しました。協力して「核戦争のリスクを低減し、世界中の核物質と核兵器の安全確保に重点的に取り組む」とのことです。
OpenAIのサム・アルトマン氏は、同日朝の社内イベントで、ロスアラモス国立研究所は公式ウェブサイトのプレスリリースでそれぞれ提携関係の成立を発表しています。
OpenAIはロスアラモス研究所のVenadoスーパーコンピューターに最新のoシリーズモデルを導入し、人類の存続に関わる重大な問題の解決に挑みます。
OpenAIを搭載したロスアラモス研究所のスーパーコンピューターが予定しているタスクは以下のとおりです。
・病気の治療と予防に対する新しいアプローチの特定
・生物学やサイバー攻撃などの自然・人為的脅威を事前に検知し、安全保障を強化
・天然資源の可能性の最大活用とエネルギーインフラの刷新によって、エネルギー分野で新時代をリード
・基礎数学から高エネルギー物理学まで、宇宙を支配する力への理解を深化
・サイバーセキュリティの強化と電力網の保護
・アメリカのグローバルな技術的優位性を支える基礎科学の加速
広大な部屋を埋め尽くすほど巨大なスーパーコンピューターのVenadoは、NVIDIAの先進的なGH200 Grace Hopper Superchipを採用し、NVIDIAとHewlett-Packard Enterprisesが共同構築したそうです。
ロスアラモス研究所のThom Mason所長は、同研究所の公式サイトに掲載された声明で次のように述べています。
国家に対する脅威が複雑で差し迫ったものになるなか、アメリカの安全保障を維持するには新たなアプローチと先進技術が必要になります。OpenAIの人工知能モデルによって、この取り組みをより効果的に実現できるとともに、国家の重要課題を解決するための科学的ミッションもさらに前進させることができます。
OpenAIはここ数年、政府との関係を深めてきましたが、トランプ大統領就任によってその動きが加速しているようです。1月28日には、アルトマン氏が政府機関向けに特化したChatGPT Govを発表したところです。
ロスアラモス国立研究所とOpenAIは、ほぼ1年前から関係を築いており、昨夏には生物科学にフォーカスした提携を発表しています。
ロスアラモス国立研究所は当時、AIはあくまでもツールであり、本当の脅威はツールそのものではなく、ツールを扱う人間だと強調し、米Gizmodoに送った声明で次のように述べています。
私たちの最初の試験的技術評価では、AIが現実世界でのプロトコルの実行方法を学習するのを個人がどのように可能にするかを理解することに注目しています。これは、科学を可能にするのに役立つだけでなく、研究室で悪質な活動を実行するのを可能にするかどうかについても理解を深めることになります。
ロスアラモス国立研究所は、OpenAIと同社のAIモデルに相当な感銘を受けたのでしょうね。だって、いまや人類が直面するもっとも致命的で危険な問題に投入されることになるんですから。
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