THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)では、循環型タンパク質繊維、いわゆる人口のクモの糸として世界から注目される新素材、Brewed Protein ™(ブリュードプロテイン ™)ファイバーを使った製品をリリースしています。今回は、そんな新素材を使用し、自然をキーワードに活動をつづける現代美術家とのコラボコレクションに注目しました。
アウトドアブランドのTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)がコラボレートしたのは、ニューヨークとロサンゼルスを拠点に活動している現代美術家のサム・フォールズ。「SYMBIOTICー共生」をキーワードに7つのコラボプロダクトを発表しました。
サム・フォールズ氏は、ニューヨークとロサンゼルスを拠点に、キャンバス、写真、陶器、彫刻など、さまざまな媒体を用いてコンセプチュアルな作品を制作するアーティストで、今回のコラボレーションコレクションは、自身が2024年に発表した作品「Spring Snow」をキーアートワークに採用しています。
Image: THE NORTH FACE 「Brewed Protein ショートスリーブシンバイオティック グラフィクティーシャツ(ユニセックス)」19,800円(税込)サム氏によれば「雨で作用する染色顔料を使い始め、雨や大気中の水分で作品を完成させるという今の手法が生まれた」と、現在のキャンバス作品の制作手法に関して語ります。
キャンバスに配した植物が染み込んだ水分を吸い上げることで、その状態で植物はより長く生き生きと保たれ、雨や光にしばらくさらされた後に植物を取り除くと、このような幽玄なプリントを残すんです。(サム氏)
Image: THE NORTH FACE「Spring Snow」というタイトルは、三島由紀夫の本『春の雪』がインスピレーションだったとか。
本作品は春から取り掛かり、その時季に最初に咲いた花を置いて、夏から秋にかけてレイヤーを重ね、季節によって異なる天候を反映させたことで生まれたモノ。春の降雪を使用したという技法的な点と、時間の過ぎゆく感覚を描いた本という二つの要素から、ぴったりだと思いました。(サム氏)
さらに、その時の夏は三島由紀夫のオーディオブックを聴いていたこともひとつの要因とも。
もともと日本文学への興味の発端は松尾芭蕉と語るサム氏。学生時代に詩人ゲーリー・スナイダーについて学び、そこから芭蕉を知ったのだそう。原子炉があったオレゴンのリード大学に行ったのは、スナイダーがかつて通っていた学校であり、その経験は「科学と詩の融合のようなもの」と言います。
政治や社会とのつながりを持っていた三島とそれらから逃れようとした芭蕉。対照的な二人を想起させるものだでした。
この2つの視点の間には、ある特別な文化を見出すことができ、科学と詩に対する自身の考え方も同じで、そこに日本との結びつきを感じたのです。
Image: THE NORTH FACE 「Brewed Protein シンバイオティックスウェットフーディー(ユニセックス)」93,500円(税込)彼の作品における重要な要素は「メランコリー」。それは悲しみでもダークなものでもなく「時の経過を受け入れ、希望を感じる情緒的な表現である」と語ります。成長と衰退、それらの組み合わせが根底にあり、「身体が太陽にさらされ、人生の経過とともに朽ちていくように、この作品を露光させました」。
しかし、自然を扱うことは、もともと意図していたことではなかったそう。
創作を続ければ続けるほど、自然との結びつきが深まり、自然をただ楽しむだけではなく、環境保護を意識するようになりました。(サム氏)
クモの糸や羊の毛のような循環型タンパク質繊維を作り、それを環境に有害な素材に代わって衣服に使うというBrewed Protein ™のアプローチについては「感銘を受けた」と言います。「ここから将来性のある他の製品が生まれていくという展望に、期待を掻き立てられます」とも。
環境にあらかじめ存在する構造を取り入れているのは「必要なものはすべてすでに自然にあり、完璧である」という原則に従っています。そして、「Symbiotic(共生)」という言葉のように、自然、科学、技術との思慮深いコラボレーションなのです。
そしてスパイバーは自然と手を取り合い、自然の力を借りてものを生み出していく方法を見出しています。(サム氏)
Image: THE NORTH FACE 「Brewed Protein シンバイオティックスウェットクルー(ユニセックス)」88,000円(税込)今回の「共生」という言葉については、「2つの有機体は協力し合うことで共存し、片方なしに存在することはできない」と彼は言います。
自然は私の芸術を創造するのに必要なものであり、また私の芸術が人々に自然の美しさだけでなく、その裏にある、私が自然保護に対して抱いている深い理念的な考えも喚起するものとなることを願っています。(サム氏)
ちなみに、本作品のキーワードである「SYMBIOTICー共生」という言葉は、自然と共創するSam氏の作風を表すとともに、タンパク質をデザインすることで循環型社会の実現を目指すBrewed Protein ™ファイバーのフィロソフィーに深く共鳴するものとなっているのだそう。
サム氏の作品とのコラボコレクションをまとうことで、自然から生まれた作品、そして自然環境への意識、自然との共生的な関係を再考できるいい機会となるのかもしれませんね。
Source: THE NORTH FACE
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