中国で見つかった「巨大な恐竜の頭蓋骨」は巨大な新種と判明

  • 2025年1月30日
  • Gizmodo Japan

中国で見つかった「巨大な恐竜の頭蓋骨」は巨大な新種と判明
Image: Zhang et al / PeerJ 2024

約2億年前に生息していたらしい。

中国南部の雲南省で発見された巨大な恐竜の頭蓋骨。標本を研究した古生物学者たちによると、この頭蓋骨は新種の恐竜のものであるようです。

新種の大型恐竜「リシュロワンギ」

発見された場所は、中国雲南省にある「陸豊恐竜国家地質公園」。研究チームは、発見された巨大な頭蓋骨を竜脚形類(ブラキオサウルスなど大型の草食竜脚類を含む恐竜のグループ)のものであると判定しましたが、これまでの科学的記録にはない新しい種だと決断しました。

この新種と思われる恐竜に授けられた名前は、「リシュロンワンギ」。中国語で“栗の木”を意味する「リシュ」、“龍”を意味する「ロン」、そして同名の脊椎動物古生物学者の名前にちなんで「ワンギ」と名付けられました。

2024年12月12日、『PeerJ』誌に掲載された研究結果によると、リシュロンワンギの体長は、約10mまで成長した可能性があるそう。

現在の化石記録に基づくと、 リシュロンワンギはジュラ紀前期の中国にいた最大の竜脚形類であり、形態学的に成熟していると考えられます。

と論文には記されています。

さらに今回の新種は、陸豊層で発見された竜脚形類の中で最大の頭蓋骨を持っていると付け加え、このグループの動物の大きさをよりよく理解するためには、関連する詳細を再検討する必要があると指摘してます。

この化石化した頭蓋骨の長さは約40cmで、この地域でこれまで最大だった頭蓋骨( ジンシャノサウルスの標本のもの)より約5cmほど大きいです。研究者の1人は、LiveScienceに対して「この大型恐竜はおそらく草食で、姉妹種であるユンナノサウルスとは鼻の穴が大きいことで区別できる」と話してます。

恐竜の新発見が相次ぐ中国

2021年に発見された化石の中には、巣を作っていたオヴィラプトルの残骸やその卵、雲南省で発見された5億年前のペニスワームなどが含まれていました。なお、今回の巨大頭蓋骨が発見されたのも雲南省です。

また2023年に公開された化石は、くちばしのある恐竜を捕食していたと思われる哺乳類のものでした。その前年には、別の古生物学者グループが、ミクロラプトル(恐竜)の化石から哺乳類の足を発見しています。哺乳類も恐竜を食べていたようです。

研究チームは、 今回のリシュロワンギの発見によって、この動物とそれに最も近い恐竜の近縁種が、地球の古代超大陸全体にどのくらい生息していたかを知るきっかけになると示唆しています。

ゴンドワナ大陸の初期竜脚形類の古生物多様性は、三畳紀とジュラ紀の境界以降、わずかに減少したようです…そのため、竜脚類以外の竜脚形類の属はローラシア大陸、特に中国で生き残り、急速に拡散したと仮説を立てています。

言い換えれば、初期の竜脚形類はゴンドワナ大陸で衰退したが、ローラシア大陸、特に中国では繁栄し、多様化したということでしょう。

リシュロンワンギは、ティタノサウルスのような本当に巨大な竜脚類ほどは大きくはないようですが、それでも現代の動物に比べたら圧倒的に大きいですね。この巨大な頭蓋骨の化石は現在、「陸豊世界恐竜谷博物館」に展示されています。

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