2023年12月4日の記事を編集して再掲載しています。
ロンドン自然史博物館が主催する野生生物の写真コンテスト「Wildlife Photographer of the Year」。
今回は一般の人々の投票により最高賞が決まる、「ピープルズチョイスアワード」の受賞候補作品(2023年度)をご紹介します。
コンテストに応募された約5万枚の写真の中から、最終候補に残った25枚。どの写真からも強いストーリーを感じさせられます。
スコットランドのモナドリアス山脈にて、2羽のウサギが求愛しながら鼻を触れ合っている瞬間を捉えた写真です。
日本でも各地の海で見られるミズクラゲ。鮮やかな青と緑のオーロラの下に浮かんでいます。
オーロラとミズクラゲのどちらも光るように撮影され、ミズクラゲの4つの生殖腺も鮮明に写っています。
絶滅危惧種でイヌ科の野生動物としては最も希少とされるアビシニアジャッカル(エチオピアオオカミ)。エチオピアにあるバレマウンテン国立公園の花の近くで休憩しているところを撮影されました。
アカギツネの子どもが砂の中にいたトガリネズミを引っこ抜いて、宙に放り投げました。トガリネズミが着地し、アカギツネと目が合った瞬間を捉えた写真です。
スリランカ南部ティッサマハーラーマのゴミ捨て場で、ゴミを蹴りながら食料を探すオスのゾウを捉えた写真です。この地域ではゴミだけでなく、近くの農作物もゾウに荒らされてしまうそうです。
こちらの写真は、ハンブルにあるライプニッツ生物多様性変化分析研究所(LIB)に保存されている毛皮のコート。
ユキヒョウやジャガーといった絶滅危惧種の動物から作られたコートは、ヨーロッパ各地で押収されたもの。これらが市場に出回らないように研究所に保管されているそうです。
オーストラリアの吹雪の中、身を寄せ合うヒナたちとその様子を見守る親のアカガモを捉えた写真です。
ラニーニャ現象の影響により、孵化シーズンが例年よりも涼しくなりました。それにより、アカガモのヒナたちは寒い世界の中を進むことになったのです。
インドネシアのスラウェシ島にある自然保護区近くのビーチにて撮影されたこの写真。
この地に生息するムーアモンキーが、リサイクル予定のペットボトルの山から残留物を飲んでいます。ボトルに液体が入っていることを学習して器用にキャップを噛みちぎるそうです。
ローマ上空を飛ぶムクドリの群れを捉えたこの写真のインパクトは、一見して理解できます。飛んでいるムクドリたちが、大きな鳥のシルエットを形成しています。
ロッキーマウンテン国立公園にて、カンジキウサギを正面から撮影した1枚。カンジキウサギの後ろ足が頭の横に並んでいるかわいらしいショットに見えます。
この後ろ足が頭に並んでいるのは、跳躍の準備動作であり、飛び跳ねる直前を捉えた瞬間です。
コスタリカの熱帯雨林で撮影されたヒメマルミミコウモリの写真。ヒメマルミミコウモリは、シロアリの巣をくり抜いて造った空洞を巣とする独特の生態を持ちます。巣へと戻る瞬間を捉えた1枚です。
メイソンミツバチの粘土の巣に近づくカッコウハチの写真です。カッコウハチは、別のミツバチの巣に卵を産むという生態で、水滴や唾液で巣の粘土を柔らかくして巣の内部へと進もうとしています。
カッコウハチは侵入すると内部で卵を産み、巣穴を閉じます。卵が孵化すると、カッコウハバチの子どもはメイソンミツバチの幼虫を食べるのだそうです。
南アフリカのクルーガー国立公園で撮影するカメラマンに、好奇心旺盛に近づいてくるライオンの赤ちゃん。その背後で母親のライオンが見守る様子も捉えられています。
ドイツ東部にて、ヤグルマギクの草原を飛んでいくツバメを捉えた1枚です。
ツバメがヤグルマギクの上を低空飛行で飛んでいく様子を下から撮影したこの写真。ツバメは昆虫を捕まえようとしているそうです。
カナダのブリティッシュコロンビア州にいあるチルコ川で撮影されたハイイログマ。不安そうな視線でカメラの方を向くハイイログマは、浅瀬でサケを狩ろうとしているところでした。
フランス領ポリネシアの沖で撮影されたザトウクジラの子どもです。
横に流れる白い物体は、このザトウクジラが飲み損ねた母乳で、渦を巻くように流れています。ザトウクジラはその横を上昇していきました。
エチオピアのシミエン山脈の高原にて撮影された3頭のゲラダヒヒ。
ゲラダヒヒは通常、1頭のオスと複数のメスの小規模集団で行動するとのこと。この時は3頭で、メスは赤ちゃんに母乳をあげています。
ケニアのマサイマラ国立保護区で、2頭のメスのライオンが赤ちゃんの毛づくろいをしている写真。
群れのメスライオンは、互いの子を自分の子どもとして育て、共同子育てをします。
ロンドンの路上に設置されたゴミ箱に飛び乗ったアカギツネの写真です。ゴミが積まれる収集直前に食べ物を狙ったアカギツネの様子が捉えられています。
しかし、都会のキツネは、実際にはミミズや果物など自然の食べ物を主な食料としているとのこと。
ホッキョクグマが小さな氷山に寝ているインパクトのある写真です。
ホッキョクグマは、ノルウェーのスバールバル諸島北方のこの小さな氷山によじ登った後で、自らの手で氷山を引っ掻いてベッドにしました。
オーストラリアのローバック湾で、カニから縄張りを守ろうとするトビハゼです。
トビハゼは縄張り意識が強く、背びれを広げて威嚇するようにして追い払おうとしています。
ギニア共和国のチンパンジー保護センターで救出されたチンパンジーを捉えた1枚。
自然史博物館によれば、ブッシュミート(野生動物の食肉)のために母親が殺されてしまい、ペットとして売られてしまったチンパンジーをセンターが保護したとのこと。
南極のアトカ湾にて、コウテイペンギンとそのヒナに近づくアデリーペンギンです。
コウテイペンギンの餌の時間に、アデリーペンギンはしばしば機会を狙って餌を盗もうとします。
イスラエルのエズレル渓谷で撮影されたギリシャイシガメです。
浅瀬を進んでいたイシガメの鼻先に飛んできたトンボが不時着のように止まりました。両者はこの一瞬を互いに喜びと共に共有しているように見えます。
スペインで撮影されたフトイやポプラの木々。紅葉した葉、木の幹など秋のまばゆい色彩は、まるで絵画ようにも見えます。
自然界の凄みを捉えた貴重なショット…博物館主催の写真大会優秀作たち ロンドン自然史博物館が主催する野生生物写真のコンテスト「Wildlife Photographer of the Year」の、今年の受賞作品。 https://www.gizmodo.jp/2023/10/wildlife-photographer-of-the-year-2023.html