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NASAの衛星、出現したらすぐ消える“幽霊島”を観測

  • 2025年1月15日
  • Gizmodo Japan

NASAの衛星、出現したらすぐ消える“幽霊島”を観測
Image: The Daily Galaxy – Great Discoveries Channel

地球はずっと動いてる。

NASAの衛星が驚くべき謎を捉えました。その島はどこからともなく現れ、跡形もなく消えてしまうというにわかには信じがたいゴーストアイランドの姿でした。

一時的に出現したこの陸地は、どのように現れ、そして消えるのか。嘘のような本当の話なんです。

幽霊島はどうやってできて、どうして消えるのか

NASAの発見によると、この謎の島はカスピ海で短期間だけ姿を現し、すぐに消滅しました。

この島の正体は、アゼルバイジャン沖に位置する泥火山の噴火によって作られたものでした。泥火山の噴火は主に、泥、ガス、堆積物を噴出します。泥は海ではもろく侵食されやすいので、すぐに消えてしまいます。それは泥火山が作り出した一瞬の奇跡ともいえるかもしれません。

この幽霊島が出現したのは2023年初頭のことです。NASAの衛星画像にその突然の誕生と消滅が記録されていました。

Image: The Daily Galaxy – Great Discoveries Channel

地質学的背景と科学的意義

カスピ海地域は、アラビアプレートとユーラシアプレートが衝突するテクトニクス収束帯に位置していて、その中心がアゼルバイジャンです。この地域では300以上の泥火山が確認されており、その多くは陸地にあります。泥火山は予測不可能であり、時に大きな噴火も伴います。NASAによれば、過去の噴火では数百メートルの高さまで炎の柱が立ち上ったこともあるようなんです。そのパワー恐ろしすぎる…。

泥火山の活動とその影響

泥火山は、泥、ガス、堆積物を爆発的に噴出します。アゼルバイジャン東海岸から約25kmの地点にあるKumani Bank泥火山(別名Chigil-Deniz)は、特に活動している泥火山の一つです。観測したNASAによると、Kumani Bank泥火山の強力な噴火によって1861年の最初の噴火以来、何度も幽霊島を生み出してきたそうなんです。

例えば、1861年5月の噴火では、直径87メートル、高さ3.5メートルの島を作り出し、翌年初頭には侵食によって島は消滅しました。

Image: NASA NASAの地球観測衛星Landsat8と9が観測した島の様子。2022年11月18日(左)、2023年2月14日(中央)、2024年12月25日(右)

2023年の噴火では、現代の衛星技術で詳細に記録されました。NASAの地球観測衛星Landsat 8と9の画像で島の形成から消滅までの過程が観察されました。

2024年末には、この島は完全に姿を消し、Kumani Bank泥火山の一部だけが水面上に残っています。実はこの現象は、この地域だけではなく、地球表面全体を考えるヒントも与えてくれています。

衛星技術による発見の重要性

泥火山は十分に研究されていないものの、地下活動やテクトニクスについての重要な手がかりを与えてくれます。こうした地下の圧力が泥やガス、堆積物を表面に押し上げる噴火がどのようにどれくらいの周期で起こり、それがプレートテクトニクスとどのように影響し合っているのか。

カスピ海地域の豊かな地質学的特性とテクトニクス活動が、このような現象を引き起こしています。また、泥火山の突然の噴出は周囲の環境やインフラにリスクをもたらす可能性ももちろん考えられます。そんな危険でかつ予測不可能な噴火の動きを最新の衛生技術で観察することは非常に意義がありそうです。幽霊島は魅力的な研究対象であるとともに、地球内部の危険性を示してくれています。こうした現象をもって地球は私たちに語りかけているのかもしれません。

Source: The Daily Galaxy

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