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2026年のサッカーW杯、6割以上の会場が暑すぎて危険

  • 2025年1月2日
  • Gizmodo Japan

2026年のサッカーW杯、6割以上の会場が暑すぎて危険
Image: Paparacy / Shutterstock

エアコン付いてないスタジアムのほうがむしろヤバいかもね。

2022年のFIFAワールドカップカタール大会は、暑すぎるのがわかっていたため、時期をずらして11月から12月にかけて開催されました。北米3カ国にまたがって開催される2026年のワールドカップは、暑くなる会場があるとわかっているのに、6月から7月にかけて開催される予定です。

そして予想に反することなく、北米ワールドカップで使用される16会場の半数以上が、選手や観客にとって危険な暑さになるそうです。アメリカ南部とメキシコにある3会場はその中でも極めてデンジャラスな暑さになるとのこと。

暑すぎるワールドカップ

Image: Lindner-Cendrowska et al. 2024 / Scientific Reports 試合会場とその気候区分の地図

科学誌Scientific Reportsに発表された研究結果によると、北米3カ国(アメリカ、カナダ、メキシコ)で開催される2026年ワールドカップで、試合が行なわれる16会場のうち10会場は、選手が極度の熱ストレスを受ける危険性が非常に高く、その中でもテキサス州ヒューストンとアーリントン、メキシコのモンテレーは特にリスクが高いそうです。

北米ワールドカップの開催期間は6月11日から7月19日までの39日間で、ちょうど夏場の気温がピークに近づいていく時期と重なります。ポーランドのヴロツワフ大学に所属するMarek Konefa氏をはじめとする研究チームは、コペルニクス気候変動サービスのデータを用いて、ワールドカップで使用される北米16都市の競技場周辺の気温、風、湿度の観測データから、試合会場のバーチャルな環境をつくりました。

そして、実際に選手が試合を行なうフィールドの状況をシミュレーションするために、広範な屋外環境条件下で人間の体がどう反応するかを示す指標であるUniversal Thermal Climate Index(UTCI)を用いたといいます。

ここで重要なのは、FIFAは熱中症対策として、湿球黒球温度(WBGT)指数を使っていること。FIFAは、WBGTが32度を超える場合、両ハーフでクールダウンのための休憩時間を設けるよう求めていますが、今回研究を行なったチームは、WBGTでは不十分であり、さらに踏み込んだ熱中症対策が必要と指摘、UTCIを用いてよりリアルに近い体感温度を推算したとのこと。

UTCIだけが考慮に入れている点について、研究チームの一員であるKatarzyna Lindner-Cendrowska氏が次のように説明しています。

サッカー選手が試合中に激しく筋肉を動かすことで発生する大量の熱が、選手自身の体にかかる熱負荷を増加させることになります。

3会場の最高体感温度は49.5度!

さまざまな要素を取り入れて試算したところ、16会場のうち10会場で過度の熱ストレスを受けるリスクが高くなることが判明したそうなのですが、その中でもテキサス州ヒューストンとアーリントン、そしてメキシコのモンテレーの3会場では、選手の体感気温が49.5度以上になる可能性まであるそうですよ。

研究者たちはこの数値を「許容できない熱ストレス」と警告しています。

研究に参加していないキャンベラ大学スポーツ運動研究所のJulien Périard副所長は、今回の研究チームが用いた手法についても厳しい見方をしており、The Guardianにこう話しています。

この研究で用いられたアプローチは一歩前進と言えます。それでも、結果については極度の熱ストレスを招くリスクを過小評価している可能性が高いです。

また、考えなくてもわかりそうなことですが、16会場中15会場で午後2時から5時の間に熱ストレスが最大になるそうです。ヒューストンとアーリントンでは体感温度が50度を超える可能性があるとのこと。

ここで重要なお知らせ

ただ、この研究は空調設備を考慮に入れていないそうです。選手が許容できない熱ストレスを受けるリスクがあるとされている、アーリントンのAT&TスタジアムとヒューストンのNRGスタジアムには開閉式屋根とエアコンが備えられており、モンテレーのスタジアムも空調は完備されているそうなので、どんなに外が暑くても、空調システムさえ壊れなければ、選手や観客にとって危険な暑さにはならないはず。まさか真夏に屋根オープンでやらないでしょうし。

むしろ、西海岸のロサンゼルスやサンフランシスコ、シアトル、蒸し暑い中西部のカンザスシティ、フロリダ州マイアミ、メキシコ(2会場)のエアコンがないスタジアムで、い日と試合が重なったらヤバい気がします。

研究チームは暑さ対策として、開催時期の変更を推奨しています。2026年のワールドカップに限ると、残念ながらアメリカが涼しい季節はアメリカンフットボールのシーズン真っただ中でもありますし、テレビ局が膨大な放映権料を回収するには、他の人気スポーツと時期が重ならないようにする必要があるので、主要スポーツのなかでいちばん人気度が低いMLB(プロ野球)しかやっていない夏の前半に何がなんでも開催すると思います。これは将来的にも変わらないでしょう。

サッカーワールドカップと夏季オリンピックは、いったいいつまで夏に開催できるんでしょうね。どこかの時点で開催時期や開催地域を線引きしないと、ゲーム中に選手がバタバタ倒れるホラーなスポーツイベントになっちゃう気がします。

スポーツファンとしては、最高のアスリートたちが最高のパフォーマンスを見せられる時期と地域で開催してほしいです。

Source: Lindner-Cendrowska et al. 2024 / Scientific Reports

Reference: The Guardian, ABC News

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