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Google Earthでみつけたオーストラリアの大地の傷跡、正体は「あれ」

  • 2024年12月5日
  • Gizmodo Japan

Google Earthでみつけたオーストラリアの大地の傷跡、正体は「あれ」
Image: Google Earth

宇宙からでも見えるのね。

Google EarthやGoogle Mapを使ってバーチャルで冒険してしまったこと、ありません? オーストラリア南部の奥地にある洞窟やカルスト地形を探していた洞窟探検家がGoogle Earthで偶然見つけたのは、何もない平野に刻まれた謎の痕跡でした。

なんだこの地形の痕跡は?

男性が発見した痕跡は、オーストラリア南部のグレートビクトリア砂漠に位置する、乾燥したナラボー平原のカルストや洞窟を研究する専門家や探検家たちの共同ネットワークを通じて、カーティン大学地球惑星科学部の非常勤研究員であるMatej Lipar氏の目に留まりました。

Lipar氏が数年分の衛星画像を比較したところ、2022年11月16日から18日の間に発生した竜巻であることがわかりました。その後、同氏は同僚と今年5月に現地を訪れ、傷跡の周辺や景観などを撮影・調査しました。その結果は、Journal of Southern Hemisphere Earth Systems Scienceに発表されています。

Image: Lipar 2024

上の画像に示されているように、竜巻が通った痕跡の長さは11kmありました。また、衛星画像を分析したところ、幅は160〜250mあったといいます。

竜巻の証拠は、渦状の痕跡

Image: Matej Lipar / The Conversation

この傷跡の原因が竜巻であると断定した根拠は、上の画像で確認できる「サイクロイドマーク」と呼ばれる渦状の跡でした。

竜巻の吸引渦によってつくられた跡から、時速200km(毎秒56m)以上の破壊力があり、竜巻の強さを表す藤田スケールでF2またはF3レベルだったことを示唆しているそうです。

竜巻は7〜13分続いたと推定されています。また、傷跡の特徴から、渦は時計回りで、西から東へ移動したと考えられています。この動きは、当時この地域を通過した寒冷前線の移動と一致しているとのこと。

南半球なので、竜巻は時計回りなんですね。北半球の竜巻(低気圧)は反時計回りなので、なんか新鮮かも。

残っていた痕跡から学べること

Lipar氏は、竜巻の痕跡が18カ月間もはっきり残っていたことに驚いたとのこと。ナラボー平原が乾燥地で植生の成長が遅いため、土壌や植生に残った竜巻の痕跡が長期間刻まれたままになっていたのだろうとLipar氏は考えているそうです。

同平原で記録された竜巻は、過去に3つしかないといいます。竜巻は、タッチダウン(地表に到達)しているのを目撃されず、レーダーでもはっきり確認できず、人や物への被害が報告されなければ発生したことにならないので、限りなく人が少ない辺境地では、実際の発生数よりも記録に残っている竜巻は少ないんですよね。

Lipar氏は、研究の意義について、これまでほとんど研究されてこなかった、人里離れた地域の竜巻に関する貴重な洞察を与えてくれるとし、同じような竜巻が発生する条件について理解を深めるのに役立つと述べています。

また、遠隔地における気象現象の特定や分析、気象災害の予測や防災における衛星画像の重要性を確認できたといいます。そして最後に、Lipar氏は研究から気象災害の怖さを感じたといい、次のように記しています。

「この結果によって、異常気象はいつでもどこでも起こり得るという厳しい現実を思い知らされました。」

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Source: Lipar 2024 / Journal of Southern Hemisphere Earth Systems Science, The Conversation

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