地球温暖化対策に何かブレイクスルーはないものでしょうか。力技でも大掛かりでもいい。あっと驚くような、根幹から揺るがすような何か…なにか…。
どうやら、ないこともないようです。
年々、最高気温を更新していく我らの星、地球。一部専門家からは、すでになんとかできる時期はとうに過ぎてしまったという恐ろしい意見も出ています。
そんななか、なんとかできないこともないぞ!と、希望の光が当たるのがソーラーエンジニアリング。
ソーラーエンジニアリングの先駆者的スタートアップMake Sunsetsが掲げる地球温暖化へのソリューションは、太陽放射コントロール。地球に降り注ぐ太陽の光をはねっ返して、地球を冷却しようという考えです。
非常に大掛かりな話に聞こえますが、考え方自体はシンプル。いくつか方法があるなかで最も簡単なのが、成層圏エアロゾルを投入するやり方です。これは、飛行機で空を飛び回りながら、二酸化硫黄の粒子を撒き散らすというもの。理論的には、待機中の二酸化硫黄が層となり太陽光を跳ね返します。結果、地球の温度は下がる、と。
Make SunsetsのWebサイトによれば、噴煙によって地球の気温が数年にわたって低下するという火山噴火がアイデアのもとになっています。
人工的に曇りにして太陽光が地表に届かないようにするという、非常にシンプルなアイデア。が、デメリットも、もちろんあります。
まず、効果がよくわからないこと。次に、オゾン層の破壊につながる可能性があること。さらに、あくまでも応急パッチ的方法にも関わらず、地球温暖化を解決したという誤解が生まれかねないこと、さらにそれによる世界情勢の歪み…。不確かな要素が多いことから、考えられるデメリットも多岐に渡ってしまうのです。
地球温暖化対策としてのソーラーエンジニアリング。Make Sunsetsに限らず、ソーラーエンジニアリングを研究開発する企業が、今、シリコンバレーで注目されています。ビル・ゲイツ氏、Facebook共同創設者のダスティン・モスコヴィッツ氏、スタートアップ投資家として知られるマット・コーラー氏やクリス・サッカ氏、大富豪一族のレイチェル・プリツカー氏など、シリコンバレーの大物たちが、これに続々投資しているのだとか。
ChatGPTで知られるOpenAIのサム・アルトマン氏も、ソーラーエンジニアリングについて、
もっと研究が進めばいいのですが。懸念はもちろんありますが、比較的安くでできるので、もし温暖化が悪化したら一時的救済策として実行する国も出てくると思います。実行前にいろいろ理解を深められるといいですね。
とポスト。
地球工学の研究者であるAndrew Lockley氏は、Bloombergの取材にてこう語っています。「たった1人でも『1億ドルの資金があるぞ! ジェット機はうちのを使っていいぞ! さぁ、やってみよう!』とさえ言えば、実現に向けて動きだすと思います」。
テック業界富裕層からの注目が高まれば、そう遠くない将来に…。
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