太陽のエネルギーで進むことができる宇宙船の誕生が、いよいよ目前に迫っています。
NASAが、宇宙に打ち上げていたソーラー・セイル・システム、Advanced Composite Solar Sail(ACS3)の"帆"(ソーラー・セイル)の展開に成功しました。
ソーラー・セイルは、宇宙ヨットとも呼ばれ、宇宙空間で広げた帆で太陽の光子を受け、推進力にするシステムです。
ACS3は、4月にRocket Lab社のロケット、エレクトロンで打ち上げられ、1週間後に地球との通信が可能になりました。小型の電子レンジほどの大きさの小型人工衛星(キューブサット)に格納されていましたが、展開されると、一辺約9メートルの正方形の帆になります。
当初、帆を展開しようとした際に、搭載されたパワーモニターが異常な電流を検出し、展開が一時的に見送られていましたが、数日後に2度目の展開作業が行われ、成功が確認されました。
帆の展開の成功で、NASAはこの新しい宇宙航行方法のテスト段階に移行し、地球周回軌道でマニューバを含む実験を行う予定です。実験では、ACS3の性能に関するデータを収集し、形状や設計を評価し、推進力がどの程度のものかを正確に測定します。
NASAはウェブサイトでの投稿で、将来的に約2,000平方メートルもの大きさの宇宙船に、本技術を適用することを目指していると述べています。周辺状況を警戒する宇宙衛生や、地球近辺の小惑星偵察機、さらには太陽系内の有人探査ミッションに活用されることが期待されています。液体や固体燃料に依存しない推進力を持つため、より軽量で、より環境に優しい宇宙船の誕生を予感させます。
NASAによれば、帆が展開されたことで、宇宙船は非常に反射性が高くなり、地球から見ることができるようになるとのことです。
NASAのモバイルアプリを使えば、ACS3が自分の現在地の上空を通過する時間を確認できます。このアプリでは、自分の位置から見える予定時刻のリストだけでなく、通過中のACS3のリアルタイム位置を見つけることができるARビューも提供しています。
ACS3が上空を通過する様子を目撃した人は、#SpotTheSailのハッシュタグを使ってその体験をSNSで共有してみてください。NASAによると、投稿の一部は、NASAのソーシャルメディアチャンネルやウェブサイトで共有されるようです。
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