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NASAとハワイのケック天文台、系外惑星126個のカタログを公開

  • 2024年6月6日
  • Gizmodo Japan

NASAとハワイのケック天文台、系外惑星126個のカタログを公開
2つの惑星を持つ星系「TOI-1798」のイラスト。そのうちひとつは惑星での1年が地球での半日に相当するほど恒星にとても近いスーパーアースです|Illustration: W. M. Keck Observatory/Adam Makarenko

「太陽系は、他と比べて特異な惑星系なのか?」そんな疑問の解明に向けた、天文学者たちの取り組みが大きく一歩前進しました。

プラネット・ハンティングを行なう天文学者の国際チームが3年の月日を費やして、北の空に広がる確認された太陽系外惑星120個と惑星候補6個の質量を計算するため、何千もの観測データを分析。その成果は、このような地球以外の惑星がいかに奇妙で珍しいのか、そして太陽系と比べてどうなのかを詳しく記した大規模なカタログになりました。

The Astrophysical Journal Supplementに、成果をまとめた論文が掲載されています。

探査衛星と地上望遠鏡によるプロジェクト

新たにリリースされたカタログは、共同研究をしているNASAのトランジット系外惑星探査衛星(TESS)とハワイ島マウナケアにあるW.M.ケック天文台を活用し、さまざまなタイプの恒星を公転する多様な惑星を特集したものです。

「この情報でもって、他の惑星系が織り成す壮大なタペストリーのどこに私たちの太陽系が収まるのかという疑問を解き始められます」と、カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)の天体物理学者でTESS-Keckサーベイの主任研究員Stephen Kane氏はリリースにて語っていました。

高密度なサブネプチューン「TOI-1824 b」

サブネプチューン「TOI-1824 b」のコンセプトアート Image: W. M. Keck Observatory/Adam Makarenko

このカタログに掲載された変わり者のひとつは、密度が非常に高いことから質量が極めて大きくかつ驚くほど小さな惑星となっているサブネプチューンです。

TOI-1824 bと名付けられたこの系外惑星は質量が地球の19倍近くあるにもかかわらず、大きさは地球のたった2.6倍。つまり、ぎゅっと圧縮された天体にかなりの質量を抱え込んでいるということです。

「似たような大きさの惑星の質量は、概して地球のおよそ6〜12倍です」と、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の大学院生で論文の共著者Joseph Murphy氏は説明しています。彼が “系外惑星の変わり者”と呼ぶ同惑星は、非常に薄くて圧倒的に水素の多い大気に覆われた地球のようなコアがあるか、水蒸気大気の下に水に富んだコアを持つ可能性があります。

スーパーアース「TOI-1798 c」

もうひとつの極端な例はスーパーアースTOI-1798 cで、恒星にあまりにも近いため12時間足らずで恒星の周りを一周してしまいます。この惑星と共にK型主系列星(橙色矮星)を周回するのは、公転周期が約8日間のサブネプチューンTOI-1798 bです。

現在私たちが知っている惑星の大半は水星が太陽を周回するよりも速い速度で恒星の周りを回るものの、USP(超短周期)惑星はこれを極めています。TOI-1798 cは恒星の周りを猛スピードで公転するため、この惑星の1年は地球での半日よりも短い。

と、カンザス大学物理・天文学部の大学院生でこの論文の筆頭著者であるAlex Polanski氏は、ケック天文台のリリースの中で述べていました。

このスーパーアースで元々形成されていた大気は、近距離で恒星からの放射を受けるという極端な環境のせいで失われた可能性が高いそう。

天文学者らのチームは、太陽のような恒星を周回する2つの惑星も発見しました。そのうちひとつが、質量と半径が海王星と土星の間である“サブサターン”惑星のTOI-1386 bです。その公転周期はたった26日間ですが、隣の惑星(土星に近い質量を持つ)は同じ恒星を周回するのに227日間かかります。

「サブサターン惑星が本当に珍しいのか、それとも我々がこういった惑星を見つけるのが下手なだけなのか、議論が続いています」と、UCRの大学院生で関連する調査論文の筆頭著者Michelle Hill氏。「ですから、この惑星TOI-1386 bは今回の惑星カタログへの重要な追加なんです」とリリースにコメントしていました。

ドップラー分光法(視線速度法)という観測手法

惑星自体は見えませんが、惑星は恒星に対して目に見える影響を及ぼします。惑星が公転すると、惑星の引力によって恒星はふらつきます。天文学者らが恒星のふらつきを観測できるのは、その光が望遠鏡(観測者)に近づくとわずかに青く、望遠鏡から遠ざかるとわずかに赤くなるからです。これはドップラー効果といって、音や光など波の発生源や観測者が移動することによって、波の周波数に変化がある現象です。

視線速度(RV)の測定値を活用すれば、天文学者らは恒星を周回する系外惑星を検出できるだけでなく、質量など惑星の特性も学べます。現在進行中のサーベイでは、周りの系外惑星の奇妙な特徴を紹介する今回のようなカタログをさらに期待できそうです。

TESSミッションからだけでも確認されていない惑星が未だに何千と存在します。ですからこのような新しい惑星の大規模なリリースは、現在私たちが目にしている天体の多様性を把握しようと天文学者らが研究していくなかで増えていくでしょう。

論文の共著者でカンザス大学物理・天文学部のIan Crossfield准教授は声明文の中で述べていました。

Source: The Astrophysical Journal Supplement(1, 2), University of California, Riverside,

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