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スコットランドの女王メアリーが残した暗号、解読される

  • 2024年6月15日
  • Gizmodo Japan

スコットランドの女王メアリーが残した暗号、解読される
スコットランドの女王メアリーの肖像画 Image: Wikimedia commons

2023年2月28日の記事を編集して再掲載しています。

445年前の手紙から、女王エリザベス1世の囚われの身となったメアリーの実態が明らかになりました。

コンピュータの科学者、音楽家、物理学者の3人が、ある国立図書館の書庫に入っていきます。と、始まりは冗談のようですが、話はいたって真面目です。従姉妹の女王エリザベス1世に幽閉されていたスコットランドの女王メアリーが書いた57通の手紙が、様々な分野の研究者たちによって発見、解読されました。

手紙は1578年から1584年にかけて、メアリーが斬首刑にさらされる直前の1587年2月8日までのものです。メアリーは、彼女の従姉妹であるエリザベス1世の暗殺計画を支持したと判決を受けています。解読された手紙には、約5万語の単語と、メアリーが暗号で連絡を取る際に使用した謎の50文字も含まれていました。この研究結果は、2月8日発行のCryptologiaに掲載されました。

「暗号を解読するために、私たちは最適化問題の分野からヒルクライミングと呼ばれる技術を使用しました。ランダムキーで始めて、そのキーで暗号文を解読し、キーに小さな変更を加えて、また解読するのです」と、DECRYPTプロジェクトのメンバーでコンピュータ科学者のGeorge Lasry氏はGizmodoにメールで語っています。「もし解読がうまくいけばその変更を使い、そうでなければ、その変更を変えます」

貴重な文書がひしめくフランス国立図書館のアーカイブ

Lasry氏と共同研究者であるベルリン芸術大学の音楽教授のNorbert Biermann氏と、物理学者で特許の専門家であるSatoshi Tomokiyo(友清理士)氏は、フランス国立図書館のオンラインアーカイブで暗号化された手紙の選別を行っていました。ちなみにこの図書館には、キュリー夫人の放射性物質を記したノートや、最古の印刷物の1つである朝鮮半島の木版印刷物など、歴史的に重要な文書が数多く所蔵されています。

各暗号を解読した図表 Image: 2022 Lasry, Biermann, Tomokiyo

3人は、16世紀初頭のイタリア関連の所蔵物として掲載されていた、分類されていない暗号文書を偶然に見つけました。しかし、その文書を調べてみると、フランスに関係あるもので、イタリアとはまったく関係ないことが分かりました。

ウォルシンガムに気をつけろ

Lasry氏によると、手紙の中に「ウォルシンガム」という名前を見つけたとき「これだ!」と思ったそうです。フランシス・ウォルシンガムとはエリザベス1世の主席秘書官であり、メアリーが幽閉されていた間部下とともに彼女の暗号文を解読し、メアリーを処刑へと追いやった人物です。研究チームは論文の中で、フランシス・ウォルシンガムについて「手紙の中で頻繁にふれられている人物。メアリーはカステルノーにフランスとスコットランドでの彼の陰謀を警告し、狡猾な人間で、本心を隠して好意的にふるまう人物だと否定的に記述している」と書いています。

フランスに見捨てられた

メアリーはまた、10代の息子ジェームズの誘拐にも言及しています。「1582年後半の一連の手紙で、スコットランドの一派(ルスベン襲撃)による息子ジェームズの誘拐の知らせにメアリーが必死に反応し、フランスに死に物狂いで助けを求めていること。フランスの王がようやくスコットランドに使者を送ったとき、メアリーはその結果に不満を表明し、自分と息子がフランスに見捨てられたと感じていたことを示している」と研究チームは記述しています。

「これはプロジェクトの第一段階に過ぎません。我々は、歴史家がこれらの手紙からどんな洞察を引き出せるか、とても楽しみにしています」とLasry氏は語っています。

メアリー女王の周囲やその時代について明らかになっていくかも

また「この作業には膨大な時間がかかります。57通の手紙には約15万もの文字が含まれており、暗号解読よりも書き写しの方が時間がかかりました」とも述べています。

焼失してしまったアレキサンドリア図書館を除いて、通常図書館は文書を安全に保管するのに最適な場所ですが、膨大な所蔵の中で、注目すべき資料が失われ忘れられてしまうこともあります。研究者たちは以前、800年前に書かれたアーサー王伝説の貴重版をブリストルの図書館で発見。そして2022年、研究者は8世紀の新約聖書の写本からEadburgという女性の落書きを発見しました。

メアリーの手紙の調査が進めば、彼女が幽閉されていた頃や、彼女に代わって彼女の共謀者が行なったことをメアリーがどれ程知っていたかなどの詳細がもっと明らかになるかもしれません。

古い聖書から浮かび上がってきた、謎のらくがき 英国オックスフォード大学のボドリアン図書館で新約聖書の写本を調査していた研究者が、余白に中世に描かれた落書きを発見しました。その落書きはEadburg(イードバーグ)という名の女性に関係するものとみられます。隠れていた落書きを表にひっぱり出したのが「照度差ステレオ」です。照度差ステレオはページ上の特に明るい部分と陰になった暗い部分を強調して、起伏を画像化する写真技術で、これにより、とがったもので https://www.gizmodo.jp/2022/12/funky-doodles-by-woman-named-eadburg-found-in-medieval.html

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