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実はカビだらけ? 知らなかった国際宇宙ステーションのアレコレ

  • 2024年1月27日
  • Gizmodo Japan

実はカビだらけ? 知らなかった国際宇宙ステーションのアレコレ
Image: NASA/Gizmodo

現在、国際宇宙ステーション(ISS)がテーマの映画『I.S.S.』とApple TV+のドラマ『コンステレーション』が公開予定。ますます宇宙への関心が高まってきています。とはいえ国際宇宙ステーションと聞いても、宇宙の中継地点とか、いろんな研究をする場所、というざっくりとしたイメージしかないかもしれません。

国際宇宙ステーションは地球を90分かけて一周していて、過去25年間、断続的ではありますが、ずーっとその軌道を維持しています。トイレの故障、空気漏れなどちょこちょこ故障はありますが、それでもずっと動き続ける宇宙実験室として活躍しています。重力の環境に特化した独自の火災安全対策から、水のリサイクルシステムまで、国際宇宙ステーションは工学と人間の創造性の塊ともいえます。

そんな国際宇宙ステーションの「へー、知らなかった」というトリビアをお届けいたします。

エスプレッソが飲める

Photo: NASA

宇宙にいても、朝のホッとする一杯はやっぱりほしい。ということで、無重力環境でも機能するエスプレッソマシンが2015年に国際宇宙ステーションに導入されています。その名も「ISSpresso」。イタリアのコーヒー会社Lavazza、エンジニアリング会社Argotec、そしてイタリア宇宙機関の協力で開発されました。

NASAで使われているドリンクバッグと、温かい飲み物のために設計されたカプセルが使われています。このドリンクバッグとカプセルをISSpressoに挿入すると、無重力でもエスプレッソが楽しめるそうです。

国際宇宙ステーションはハッキングできない

Photo: NASA

NASAは国際宇宙ステーションがハッカーに攻撃されないように多くの対策を講じています。

ネットワークを一般のインターネットから隔離する、暗号化された通信リンクを使用、ソフトウェアの定期的な更新、ファイアウォールや侵入検知システムの導入などが取られています。これらの対策には、宇宙セキュリティベストプラクティスガイドの開発も含まれており、サイバーセキュリティのためのさまざまな制御と戦略がまとめられています。

独自の微生物環境

Photo: NASA

宇宙飛行士と宇宙船の貨物によって国際宇宙ステーションには定期的に微生物を持ち込まれていて、1999年の初の地球軌道以来、独自の微生物環境を作り出しています。

これまで200回以上のミッションによって作られたこの独自の微生物環境をNASAはトラッキングしているとのこと。宇宙での閉鎖された環境、宇宙飛行士の免疫システムの低下、より攻撃的な細菌の存在により、宇宙での風邪は地球よりもはるかに重篤になるそうです。

実はカビがいっぱい

Photo: NASA

微生物つながりだと、ステーションのクルーたちはカビとの戦いを続けています。高い湿度、重力の不足、閉鎖された環境のため、ここでは地球よりもカビが早く繁殖するのです。

このカビを除去するには、特定の清掃プロトコルが必要なんだそう。閉鎖された生息地における微生物の成長に関する研究も同時にされています。

結構臭い

Photo: NASA

ステーション内の空気はフィルターで常に清浄されてはいますが、クルーメンバーによると内部のにおいは、オゾン、火薬、殺菌剤、ゴミ、体臭、病院、焦げた金属の匂い、そして「失敗したバーベキュー」などと表現しています。

ステーションの廃棄物管理システムも、内部のにおいに影響があるようです。欧州宇宙機関のSamantha Cristoforetti宇宙飛行士は、しばらくするとある程度は慣れてしまうと説明しています。

尿と汗からリサイクル飲料水が作られている

Photo: NASA

国際宇宙ステーションへ水を運ぶことはコストも時間もかかります。ということで、既存の水をリサイクルして飲料水にしています。

その技術も年々向上し、昨年の環境制御および生命維持システムのテストでは、宇宙飛行士の汗、息、尿をリサイクル処理する方法で水回収率98%が達成されました。このシステムには飲み水を生成する水回収システムと水プロセッサが含まれているとのこと。システム内の除湿機は室内の空気から湿気を取り込み、尿プロセッサは真空蒸留を使用して尿から水を回収し、効果的に宇宙で水をリサイクルすることが可能になりました。

ただし、ウンチからの水は現在のところリサイクルされていませんが、NASAは現在その可能性の実現に取り組んでいるところです。

キューポラは後付けだった

Photo: NASA

1998年に初めて地球を周回した国際宇宙ステーションですが、当時は観測用モジュール「キューポラ」、通称「宇宙の窓」は、もともとステーションの設計には含まれていませんでした。

閉じられた室内にずっといる宇宙飛行士の気分や士気をあげるため、2010年にこの7つの窓のあるキューポラを設置。クルーが地球や宇宙を見られるようになりました。

もう一つあまり知られていない事実として、キューポラには保護用のシャッターがあり、使用していない時には窓を微小隕石の衝突から保護するために閉じられます。隕石が窓に衝突すると、致命的な事故につながる可能性があるためです。

微細な衝突なら大丈夫

Photo: NASA

宇宙ごみや小さな小惑星がステーションに衝突すると、そこから空気が入ってクルーたちが必死に逃げるような光景を思い浮かべますが、実際にはそれほど危うくはないそうです。

欧州宇宙機関によると、2016年には数千分の1ミリメートルほどの小さな金属片かペンキのかけらがキューポラの窓に当たったとされています。確かに、時折マイクロメテオロイドやデブリが衝突することはあるのですが、キューポラはステーションでこれまで建造された中で最も頑丈な宇宙船なので、それくらいは問題ありません。

ただし、直径が1センチを超え、時速2万9,000キロメートル以上で飛行する物体となると船体を貫通する恐れがあり、その場合は状況が映画で見るような危機に陥る可能性もあります。

ミストで消火

Photo: NASA

宇宙での火災は、炎の挙動や拡がり方が無重力に影響を受けるため、特に危険性が高いと言われています。

ステーションの消火器は微小重力用に設計されており、マイクロ水と窒素ガスの混合物でミストを作り、それを使用して火災に対応します。この消火器はあらゆる方向に動かせるように、狭い空間にも届くワンドが延長できるようになっています。こうしてステーションの独特な環境でも効果的な火災安全を確保しているのです。

この消火器の開発は、ADA Technologies、Wyle、NASAなどが協力開発し、元々あったCO2消火デバイスの代わりに2016年にステーションに導入されました。

外部からブーストができるのは世界で1台のみ

Photo: NASA

国際宇宙ステーションは軌道減衰や高度維持のため、時折ブースト操作が必要となります。ステーションには独自のスラスタが装備されてはいますが、限られた燃料容量や低いパワー、そして姿勢制御や宇宙ごみ回避などの非常時に搭載リソースをセーブしておく必要があるので、大きい再ブーストにはリソースが足りません。その代わりに、ドッキングした外部の宇宙船がブーストをお手伝いします。

こういった特別なタスク用に設計された宇宙船は、独自の燃料を持ち込み、ステーションのリソース負担を最小限に抑え、軌道調整を可能にするより強力なエンジンを搭載しているそうです。

ただ、このタスクができる宇宙船はロシアの「プログレス」のみ。このタスクに正式に認可されている国際宇宙ステーションと互換性のある唯一の宇宙船なんです。アメリカの「サイグナス」やロシアの「ズヴェズダ」などの宇宙船も再ブーストの任務に適応できる可能性はありますが、これには認可が必要となります。NASAはロシアの宇宙船のみがこのタスクができるという状況をあまり嬉しく思っていないようで、サイグナスで再ブーストのテストを実施しています。

ステーション内を適温に保つ秘密

Image: ESA

地球を周る際、宇宙ステーションの外壁は45分ごとに太陽光から闇、という急激な温度変化にさらされます。一方、室内では地球のように熱が上昇したり循環したりすることはありません。そのため、ステーションはこういった温度変動を管理し、安定した環境を確保するために熱制御システムを使っています。

複雑な熱制御システムは極端な温度環境を安定化させ、内部の水ループを使用して宇宙船内のキャビン、実験物、機器から熱を吸収しています。回収された熱は、ヒートエクスチェンジャーを介して外部のアンモニア満載のループに転送されるようになっています。

ステーション内の温度は18度から23度の間で維持され、宇宙飛行士にとっては、快適な環境となっています。

思っているよりもかなり大きい

Image: NASA

国際宇宙ステーション内の写真や映像を見るとかなり小さい空間のように見えますが、実はかなり大きいんです。ステーション内の居住・運用エリアは、6LDKの家よりもさらに広く、6つの寝室、2つのトイレ、そしてジムまであります。

また同様に、外の部分も実はすごく大きいんです。太陽電池アレイの翼幅は109メートル。世界最大の旅客機エアバスA380の全長80メートルよりもさらに大きいです。ステーションの端から端までの長さも109メートルで、これはアメリカンフットボール場全体の長さとほぼ同じです。そして、ステーション内の電力システムの配線の長さは約13キロ。ステーションの総重量は約420トンです。

ステーションを破棄するには1,500億円かかる

Photo: NASA

国際宇宙ステーションは2030年までにその任務を終え引退する予定ですが、宇宙に浮くこんな大きなものを安全に破棄するには膨大な費用がかかります。

ステーション自体をつかんで地球の大気に引き寄せるためには、宇宙牽引船が必要となります。そしてその軌道離脱用の宇宙船がNASAの2024年の予算計画によると10億ドル(約1500億円)かかる見込み。超高額なごみ収集車ってことですね。ちなみに太平洋の無人の部分に衝突させる予定なんだそうです。

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