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歴史を変えたNASAの写真16選

  • 2023年12月2日
  • Gizmodo Japan

歴史を変えたNASAの写真16選
Photo: NASA/APL/SwRI

NASAは65年にわたる輝かしい歴史の中で、何千という数の写真や画像を残してきました。

その中でもほかのものと比べても大きな影響を与えた写真があります。それらは、宇宙と、そしてその中で生きる私たち人類の居場所への理解を進め、想像力を刺激し、私たちの科学をさらに前進させるようなものでした。

その写真によって捉えるまで理論上にしか存在しなかったものが、やはり存在すると証明されたり、焦点が当てられたものが予期せぬ発見であったり、いずれにせよ、歴史を変えるような、あるいは常識を揺るがすようなものの数々。

NASAのその素晴らしい成果を通じて、私たち人類も知識や視野を広げてきました。今回はそうした歴史を変えたNASAの写真16枚を紹介していきます。

(偉大なる)小さな一歩

Photo: NASA

あの名言でおなじみの「小さな一歩」です。

1969年7月20日に人類は初めて月面を歩きました。その歴史において重要なその瞬間を捉えたバズ・オルドリン氏の足跡です。

直接的に宇宙を探索できるという人類の能力を映したこの写真は、地球外生命体発見への新時代の始まりを示しました。

ハッブル・ディープ・フィールド

Image: NASA

1995年12月、ハッブル宇宙望遠鏡は10日間にわたって、おおぐま座の一見何もない部分に焦点を当てました。

ハッブル宇宙望遠鏡による深宇宙を撮影したこの画像は「ハッブル・ディープ・フィールド」と呼ばれ、深宇宙観測の初期段階における画期的かつ興味深い発見となりました。

ハッブル・ディープ・フィールドでは、さまざまな発達段階にある約3,000もの銀河が写し出され、中には非常に古い銀河もあったそうです。こうしたさまざまな銀河の観測を含め、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた画像は、初期宇宙に関する研究においても重要なものになりました。

宇宙の進化や銀河形成の複雑なプロセスについての理解を高めた一方で、同時に私たちが非常に小さいものであるとも感じさせますね。

ウェッブ宇宙望遠鏡のディープ・フィールド

Image: NASA, ESA, CSA, and STScI

若い宇宙愛好家にとっては、2021年に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による最初の「ディープ・フィールド」画像に驚いたのではないでしょうか。

新たな宇宙望遠鏡の驚異的な性能は、深宇宙観測の歴史を塗り替えました。

冥王星の「心臓」

Image: NASA/APL/SwRI

NASAの無人探査機ニュー・ホライズンズによって初めて捉えられた冥王星のクロースアップ画像です。

現在ではトンボー地域とも呼ばれる有名なハート型のエリアを含む、複雑で多様な地形的特徴が明らかになりました。ニュー・ホライズンズからの画像は、冥王星を遠くぼやけた星という存在から、そびえ立つ氷山や広大でなめらかな平原まで多様な地形を持つ世界へと変えました。

この詳細な描写は、太陽系の外縁の力学についてのこれまでの理解を覆したといえます。遠く離れたごく小さな天体であっても、複雑な地質学的なプロセスが存在するという可能性を示し、暗い冥府の世界ではないことを示したのです。

さらに、この画像の鮮明さは深宇宙に対する世間の関心を高めたといえるでしょう。

命綱なしの宇宙遊泳

Photo: NASA

1984年2月7日、NASAの宇宙飛行士ブルース・マッカンドレス氏は、STS-41-Bミッション中に、命綱なしの船外活動を行ないました。これは、人類初となる命綱なしの宇宙遊泳となりました。

スペースシャトル「チャレンジャー」から約98mも離れたマッカンドレス氏は、圧縮窒素スラスターで推進する有人操縦ユニット(MMU)のテストとして操縦し、この宇宙遊泳を実現しました。

人類の宇宙遊泳や船外活動はすでに知られたものでしたが、画像を含めこの実現はまさにSFの世界のように感じられました。

ザ・ブルー・マーブル

Photo: NASA

1972年12月7日にアポロ17号の宇宙飛行士によって撮影された写真はまるで青いビー玉のように見えたことから「ザ・ブルー・マーブル」と名付けられました。

かの有名なハッセルブラッドのカメラで撮影され、写し出されたこの写真は、最も広く知られた地球の画像といえるでしょう。宇宙探索におけるマイルストーンでもあり、地球から離れた場所からこのような写真を撮影できるという力を証明しました。

また、宇宙空間から惑星の全体像を示した初めてのものであり、繋がり合う生物圏を持つ惑星として地球を強調しました。

こうした意味合いから、このイメージは急成長する環境運動の結束のシンボルへとなっていき、私たち人類の故郷を大切にする必要性を感じさせる力も持っています。

この画像は、歴史上最も複製された画像の1つでもあり、複製されていく中で文化的、あるいは政治的対話の中でその役割が強まっていきました。宇宙から見える境界線のない地球は、世界的な連帯のメッセージともなりました。

宇宙での歴史的な握手

Photo: NASA

1975年7月17日、アポロ・ソユーズテスト計画中に宇宙で交わされたこの握手は歴史的なものとなりました。

アメリカとソ連の両国の宇宙飛行士による、宇宙での初の国際的な握手は、両国間の緊張緩和の瞬間でもありました。両国の宇宙飛行士であるアメリカのトーマス・スタッフォード氏とソ連のアレクセイ・レオノフ氏は、それぞれの宇宙機関の代表者として宇宙船をつなぐ狭い空間の中で平和と協力の意思表示として互いに手を差し伸べたのです。

宇宙開発競争の激しさを考えれば、これはありえない光景ともいえるものでした。この握手は、冷戦時代における外交関係の強化と科学的追求の共有の可能性を象徴するものといえます。

このアポロ・ソユーズテスト計画以降、宇宙探査は国際協力の時代へと移行しました。この計画用に開発されたドッキング機構により、その後さまざまな国の宇宙船がランデブーして軌道に入れるようになり、国際宇宙ステーション(ISS)などの共同プロジェクトの基礎が築かれたのです。

この計画のレガシーは「団結」であり、宇宙探査の名の下に宇宙機関がどのように連携するかに影響を与えました。

オゾンホールの発見

Image: NASA

1985年のオゾンホールの発見は、ブラックスワン現象(予測不可能かつ大きな影響をもたらすようなもの)と表現されるものですが、人工衛星ニンバスに搭載されたオゾン全量分光計(TOMS)によって解析が可能になりました。

1985年8月にチェコスロバキアで開催された国際会議で、大気科学者のPawan Bhartia氏は、南極のオゾンホールの巨大さを初めて明らかにしたこの人工衛星による画像を発表しました。この衝撃的な啓示は、地球の大気とその脆弱性について私たちの理解を一変させました。

その後1987年に、オゾン層を破壊する物質の削減や廃止のためのモントリオール議定書が採択され、オゾン層保護に向けて結実する世界的な行動へつながっていきます。

NASAの人工衛星はオゾンホールの観測を続けており、この非常に重大な大気現象についてのデータを送り続けています。

地球外生命体の可能性

Image: ESA/NASA/JPL/University of Arizona

2005年1月14日、NASAと欧州宇宙機関(ESA)、イタリア宇宙機関の協力による土星探査機カッシーニは、惑星探査用のホイヘンス探査機によって土星の衛星への着陸を成功させました。これは、太陽系外縁にある土星の衛星・タイタンへの史上初の着陸という歴史を作りました。

謎に包まれた衛星で撮影されたこれらの写真は、月や火星などの星の景色と比べても異質に見えるものでした。

さて、このミッションによってタイタンに対する私たちの理解は大きな変革を迎えます。気象システムと地表の液体(主にメタン)は、初期の地球に似た世界を明らかにし、太陽系における地球外生命体の可能性についても語られることとなりました。

ハッブルとウェッブによる「創造の柱」

Image: NASA, ESA, CSA, STScI; Joseph DePasquale (STScI), Anton M. Koekemoer (STScI), Alyssa Pagan (STScI)

M16(わし星雲)にある「創造の柱」の素晴らしいビジュアルを撮影したハッブル宇宙望遠鏡(画像左)とウェッブ宇宙望遠鏡(画像右)。約6500光年離れた宇宙を美しく鮮明に映し出した大きな成果といえます。

ハッブル宇宙望遠鏡は可視光線画像によって1995年に撮影し、「創造の柱」のシルエットや表面の特徴を明らかにしました。

一方のウェッブ宇宙望遠鏡は、赤外線画像により2022年に撮影しました。この赤外線によるビジョンは、塵の内部を映し出し、内部で星が形成されていることを示しています。

これらを組み合わせることで、星形成のプロセスをより理解でき、異なる波長が宇宙現象のさまざま側面をどのように明らかにできるかを示しました。

この手の画像は、科学的研究を進めるだけでなく、私たちの興味を惹きつけ、宇宙の複雑さや驚異について考えさせてくれますね。

地球の出(アースライズ)

Photo: NASA

1968年12年24日にアポロ8号の宇宙飛行士ウィリアム・アンダース氏によって撮影されたこの写真。

月の地平線から昇る地球(地球の出)を捉えたこの写真は、人類の宇宙における立ち位置や見方を変え、この写真もまた、環境運動の象徴となりました。

宇宙飛行士たちが4回目の周回の際に月の裏側から地球が現われたときにこの写真は撮影されました。月が下になるように回転した画像をよく見ますが、これが実際の写真の向きなのです。

宇宙から初めて捉えたハリケーン

Image: NASA

TIROSは、世界初の気象衛星タイロスとその気象観測プロジェクトです。タイロス3号は、宇宙から初めてハリケーンの画像を撮影しました。

「Esther」と名付けられたハリケーンは、1961年の活発だった大西洋ハリケーンシーズンに発生した大規模な熱帯低気圧でした。

この衛星写真は画期的なものとなり、気象学者のハリケーン構造の理解にも貢献しました。嵐の発達と追跡への理解の進歩へとつながり、こうした進歩がその後の気象予測や災害への備えや対応において重要なものとなっていくのです。

初となるブラックホールの画像

Image: Event Horizon Telescope

国際的な天文学プロジェクトであるイベントホライズンテレスコープ(EHT)は、銀河の中心にあるブラックホールの姿を捉えることを目的としていました。NASAも技術や研究を提供していたそうです。

EHTの成果として、銀河M87の中心にある巨大なブラックホールを捉え、史上初となるブラックホールの画像化に成功しました。

この画像は、私たちがこれまでに見たことがなく、常に見たいと願っていたものを見せてくれたのです。

南極のラーセンB棚氷の崩壊

Gif: NASA Earth Observatory

南極北西部の半島東海岸にあるラーセン棚氷。4つ分けられた棚氷のひとつラーセンB棚氷は2002年に劇的な崩壊をしました。NASAの人工衛星テラに搭載された観測装置MODISがその崩壊を観測しました。

この出来事は、地球温暖化の直接的な影響と極地の氷の構造のもろさを示しました。この崩壊の範囲は非常に広く、地球環境に急速かつ劇的な変化が起こっていることを示すものでもあったのです。

気候変動が抽象的な概念ではなく、現実的な影響を持つものであると視覚的にも理解させる警鐘ともなりました。

以来、同様の画像は、気候変動に対する対策の必要性や人々の意識と理解を高める上で重要なものとなっていきます。

宇宙空間にできたホーム

Photo: NASA

NASAの「スカイラブ計画」にて、1973年5月14日に宇宙に打ち上げられたアメリカ初の宇宙ステーション。1974年2月8日に撮影されたこの写真は、宇宙探査における大きなマイルストーンの象徴といえます。

ジェラルド・カー氏、エドワード・ギブソン氏、ウィリアム・ポーグ氏らスカイラブ4号の宇宙飛行士たちが、最後に宇宙ステーションを離れるときにこの景色を撮影しました。

スカイラブは、宇宙探査を広く知らしめて、大衆の関心を呼び起こしました。さらに、宇宙での長期に渡る有人ミッションの可能性を強調する上で極めて重要な役割を果たしたのです。

太陽の観測に関する研究や、微小重力が人間に及ぼす影響についての研究などにおける軌道宇宙ステーションの科学的能力も強調され、その後の宇宙研究の方向性にも影響を与えました。

ペイル・ブルー・ドット

Image: NASA

1990年2月14日、NASAの探査機ボイジャー1号は約60億km離れた遠く彼方でこの淡く青く光る点を撮影しました。この点が地球です。

天文学者であり作家のカール・セーガンの依頼によって、この写真は撮影されました。カール・セーガンは1994年に『Pale Blue Dot: A Vision of a Human Future in Space(邦題:惑星へ)』を著しています。

その中の彼の言葉が、この有名な画像の重要性をよく表わしているでしょう。その一部を抜粋してここに記します。

…もう一度その点をご覧ください。それがここです。それが故郷であり、私たち自身です。

そこには、あなたが愛するすべての人、あなたが知るすべての人、あなたが耳にしたすべての人、すべての人類が存在し、すべての人生がそこにありました。

私たちの喜びと苦しみが混じり合いがあり、いくつもの宗教やイデオロギー、経済的教義があり、狩る者と食糧をあさる者がいて、英雄と臆病者がいて、文明の創造者と破壊者がいて、王も農民も、愛し合う若いカップルも、母も父も、希望に満ち溢れた子どもも、発明家も探検家も、道徳を説く者も、腐敗した政治家も、スーパースターも最高指導者も、人類の歴史における聖人と罪人が、すべてが、そこにあり、すべての人が住んでいました。この光の中に浮かぶ小さな塵のような地球に。

私たちの惑星は宇宙の暗闇に包まれた孤独な点なのです。私たちはこの薄暗く途方もない広大さの中で、私たちを私たち自身から救ってくれるような、そんな何かがほかのどこかから助けが来るヒントすらないのです。

地球は、これまでに生命が存在することが知られた唯一の世界です。少なくとも近い将来に、私たち人類が移住できる場所はほかのどこにもありません。

遠く彼方から私たちのこの小さな世界を捉えたこの写真ほど、人類のうぬぼれた愚かさを実証するものはないでしょう。私には、人類の責任を問われているように思うのです。互いに手を取り合い、唯一の故郷であるこのペイル・ブルー・ドットを守り、大切する必要があるのではないかと。

30年以上前のこれらの言葉は、今日でも、いや今日ではより一層力強く響くように思えます。

火星で撮影されたヤバイ画像10 2020年5月30日の記事を編集して再掲載しています。 めくるめく火星のトリックアートギャラリーへようこそ。19世紀イタリアの天文学者・スキャパレリが当時最先端の望遠鏡で火星を眺めていたところ、直線でできた構造物らしきものを発見して大興奮。それをまたアメリカの天文学者・ローウェルが「火星人が作った運河だ!」と吹聴したものだから、地球はしばらく火星人ブームに湧きまし https://www.gizmodo.jp/2023/11/mars10-4.html

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