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NASAの深宇宙光通信、最長距離を達成しました

  • 2023年11月29日
  • Gizmodo Japan

NASAの深宇宙光通信、最長距離を達成しました
Photo: NASA/Ben Smegelsky|2022年12月8日、フロリダ州のNASAケネディ宇宙センターに近いアストロテック・スペース・オペレーションズの施設で、DSOCの機器が探査機サイキに取り付けられているところ

最長距離を達成!

小惑星探査機サイキには、金色のフタが付いたレーザー送受信機がくっ付いています。その装置が現地時間の11月14日、月をはるかに超えた域から初めてレーザーでデータの送受信を行ない、“ファーストライト”を達成しました。

NASAの発表によれば、これは深宇宙光通信(DSOC)の実証実験で、データを符号化した近赤外線レーザーを約1000万マイル(1600万km)離れた深宇宙から、カリフォルニア州サンディエゴのCaltechが所有するパロマー天文台のヘール望遠鏡へと送信したとのこと。

遥か彼方での宇宙ミッションには次世代の通信技術

光通信は地球軌道と月からのデータ伝送に使われてきましたが、NASAは深宇宙への今後のミッションに先駆けて通信技術の微調整をしており、今回の実験はレーザー光線による最も遠い距離を記録したのでした。

NASAジェット推進研究所(JPL)でDSOCのプロジェクト・テクノロジストを務めるAbi Biswas氏はJPLのリリースの中で、「ファーストライトの達成はものすごい成果です」とコメントしています。

地上システムは、サイキに搭載されているDSOCのフライト送受信機からの深宇宙レーザー光子の検出に成功し、さらにいくつかのデータを送ることもできた、つまり私たちは深宇宙と“少しばかりの光”を取り交わせたのです。

DSOCの送受信機は、火星と同じくらい遠くから実施する光通信の初の技術実証として、探査機サイキに積載されて10月13日に打ち上げられました。探査機サイキの第一の目的は金属を豊富に含む小惑星プシケを探査・研究して、惑星形成と中心核のダイナミクスの歴史についての知見を得ることです。

レーザー通信システムはデータをレーザーの光波の振動に詰め込み、メッセージを光信号にエンコードして、人の眼には見えない赤外線レーザーを通して受信機に運びます。

深宇宙−地上間で大容量データをやり取りできるように

NASAは月以遠のミッションとの交信には電波を使っていますが、近赤外線のほうがデータをはるかに短い波長に詰め込めて、より多くのデータを送受信できます。

リリースによるとDSOCの実験の狙いは、現在の宇宙機が使っている現行の無線周波数システムより10倍〜100倍向上したデータ伝送速度を実証することなんだそう。

とはいえ光通信は距離が長くなるほどレーザー光を向ける精度が求められるので、さらに難しくなります。サイキが目的の小惑星に向かって離れていくにつれて、レーザー光子はかすかになっていくのです。

そのうえ光子は目的地点に届くまで時間がかかるようになり、サイキの最遠距離だと20分以上のラグができてしまうことも。データが地球に届く頃には、地上管制は探査機の新たな位置に調整する必要ができてしまいます。

火曜朝の実験は地上のアセットとフライト送受信機とを完全に合わせる初の機会で、DSOCとサイキの運用チームが連携しての作業を要しました。

と、JPLでDSOCのオペレーションリードを務めるMeera Srinivasan氏はリリースの中で説明。

手ごわい難問でしたし、やることはまだたくさんありますが、ほんのわずかな間、いくつかのデータを伝送、受信そしてデコードできたのです。

と述べていました。

ファーストライトを達成し、チームは送受信機に積まれているダウンリンクレーザーの指向を制御するシステムの改良に取り組みます。

光通信は宇宙ミッションからもっと多くの成果を得たいと常に望んでいた科学者たちや研究者にとって恵みであり、深宇宙での有人探査を可能にします。

と宇宙通信及びナビゲーション(SCaN)プログラムの高度通信とナビゲーション技術部門ディレクターJason Mitchell氏はコメントしています。

データが増えれば、それだけ発見も増えるということです。

Source: NASA JPL,

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