USB-Cにもなったし。
iPhone 15 Pro、もうすぐ発売ですね。米GizmodoではFlorence Ion記者が一足早く入手し、Androidのフラッグシップスマホとの違いも含めてレビューしてます。
普段Androidスマホをメインで使うIon記者としては、今まで以上にApple(アップル)の芝生が青く見えるようで…以下どうぞ!
Androidにどっぷりの私なので、iPhoneへの乗り換えはまだ考えてません。でも過去1年の半分は、iPhoneも並行して使ってて、Appleの箱庭のあり方や中の仕組みもわかってきました。
その中で感じたのは、iPhoneを選ぶ理由は、その一貫性だなということです。Androidの場合、必ずしもそうじゃないので。
古めのiPhoneを使ってる人にとっては、今年はアップグレードのよいチャンスです。
充電規格がUSB-Cに変わったし、iPhone 15 Pro Maxでは望遠レンズが「テトラプリズム」になったし、手ぶれ補正の仕組みも進化して、遠くの被写体をより安定して撮れます。
iPhoneのProラインの特長でもある、強力なエコシステムと、1日しっかり持つバッテリーも手に入ります。このへんもまた、Androidユーザーの多くが求めてるものでもあります。
ただ、カメラと処理性能は向上したものの、iPhone 14 Pro/14 Pro Maxからはそんなに変わってはいません。
それでもiPhone 15 Proシリーズは、どこをとっても完成度が高くなっています。AppleがついにEUの方針に従い、USB-Cに対応したことも大きなトピックです。
Apple iPhone 15 Pro/Pro Max
軽いチタニウムの筐体に、USB-C規格を採用。
Image: Florence Ion - Gizmodo USこれは何?:Appleのハイエンドなフラッグシップスマホ。
価格:iPhone 15 Proが1,000ドル(日本向け価格15万9800円)、iPhone 15 Pro Maxが1,200ドル(同18万9800円)から。
好きなところ:USB-Cになった、バッテリーライフ、軽いチタニウムの筐体、Pro Maxは光学ズームがさらに進化。
好きじゃないところ:やっぱりAndroidにはiMeesageできない。
iPhone 15 ProもPro Maxも、遠目には先代とほとんど変わりませんが、近くで見ると全然違います。
特に外側のエッジが、明らかにソフトになってます。背面カメラもiPhone 14 Pro/Pro Maxほど出っ張ってなくて、背面のでこぼこ感が少なくなりました。
この微妙なデザイン変更で、iPhone 15 Proシリーズの感触はすごく新鮮なものになってます。
新たにアクションボタン搭載。 Image: Florence Ion - Gizmodo USiPhone 15 Proでは、アクションボタンが搭載されたのも大きな違いです。マニキュア塗りたての爪には、今までの消音スイッチよりはるかに扱いやすくなっています。
ただ、音量を上げるつもりで間違ってアクションボタンを押してしまうこともありました。
デフォルトではアクションボタン長押しで消音になりますが、必要に応じて違うショートカットを割り当てることもできます。
たとえばキャンプに行くとき、アクションボタンでフラッシュライトを点ける、とかもできます。
カスタマイズは設定パネルから可能で、ショートカットをオフにしたり、アクセシビリティ機能を有効化したりできます。
アクションボタンで何かすると、Dynamic Islandにフィードバックが表示されます。 Image: Florence Ion - Gizmodo US私はiPhone 14 Pro Maxのカメラが好きで、よくハイキングに持っていってましたが、若干重いのが玉にキズでした。
iPhone 14 Pro Maxを長く持ってると、とくにPop Socketをはめてると、手が疲れてしまうんです。
でもチタニウム製のiPhone 15 Pro Maxは、エコフレンドリーなケースの重量込みでも、写真をしばらく撮影した後でもそこまで手は疲れてませんでした。
ケースを外すと、iPhone 15 Pro Maxは7.8オンス(約221g)に対し、iPhone 14 Pro Maxは8.4オンス(約240g)ありました。iPhone 15 Proも、iPhone 14 Proよりちょうど0.6オンス(約19g)軽くできてます。
iPhone 15 Pro/Pro Maxの画面サイズは先代と同じです。iPhone 15 Proは6.1インチのSuper Retina XDRディスプレイ搭載、リフレッシュレートは可変で最大120Hzです。iPhone 15 Pro Maxはサイズが6.7インチ、それ以外は同じですね。
iPhone 15 Proの輝度は2,000ニトと今までと同じなんですが、それでも今あるスマホの中では一番の明るさです。
一方Google Pixel 7 Proは、もうすぐ8 Proでアップグレードされるはずですが、最大輝度1,500ニト。Samsung Galaxy S23 UltraのSuper AMOLEDディスプレイでも1,750ニトです。
でも個人的にはやっぱり真っ暗になれるSamsung(サムスン)のほうが、とくに読書とか夜にブラウジングするときとかにはいいと思います。iPhone 15 ProはNight Shiftをオンにしてもまぶしく感じます。
USB-C搭載になったiPhone 15 Pro Max。 Image: Florence Ion - Gizmodo USiPhone 15は、「すべての電化製品メーカーは充電規格としてUSB-Cを採用すべし」というEUの方針に従い、史上初めてUSB-Cを搭載したiPhoneです。iPhone 15に買い替えれば、もう(iPhone用には)Lightningケーブルは不要になります。
iPhone 15 Pro/Pro Maxには、6ft(約1.8m)のC to Cケーブルが1本付属してくるし、MacBookや最近のiPadを持ってれば、それら用に使ってきたケーブルも流用できます。
ただし20Wで充電するには、互換性のある充電アダプタが必要です。
モバイル業界全体として、チップ製造の過去5年間は、いかに高性能をコンパクトなサイズに詰め込むかという努力に注ぎ込まれてきました。
TSMCの製造技術により、AppleはSamsungや他社に先んじて3nmプロセッサでチップを作ることができました。
チップを小さくするということは、A17 Proの6コア+16コアニューラルエンジンのトラベルタイムは、微妙ながらも従来よりさらに短いということです。
Appleいわく新チップは従来より10%速く、とくにニューラルエンジンは2倍速くなったそうです。
さらにiPhone 15 ProシリーズのGPUはもっとすごくて、ハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングが可能になりました。
iPhone 15 ProシリーズのGPUはゲームの中の光やその反射、影までもリアルタイムでレンダリングできます。
Androidデバイスの中にも、Samsung Galaxy S23 UltraやOnePlus 11のようにレイトレーシングに対応したものがありますが、Google Pixel 7 Proは非対応です。
でもAppleはカプコンのようなゲームメーカーと協力して、『バイオハザードヴィレッジ』や『『バイオハザード4』』のようなレイトレ対応タイトルをiPhone 15 Proシリーズでネイティブにプレイできるようにしました。
実際iOS 17は、A16 Bionic搭載のiPhone 14 Proで動いてるときより、A17 Pro搭載のiPhone 15 Pro上でのほうが滑らかに感じられます。
合成ベンチマークツールのGeekbench 6を試したところ、iPhone 15 Pro Maxは、米Gizmodoのベンチマークでベストなスコアを出したiPhone 14 Pro Maxよりさらに高いスコアでした。
Androidでベストな結果を出している、Google Pixel 7 ProやSamsung Galaxy S23 Ultraよりも高いパフォーマンスです。
バッテリーライフも相変わらず素晴らしい。iPhone 15 Pro MaxはYouTube TVで『90 Day Fiance』をストリーミングしても6%しか減りませんでした。
iPhone 15 Proでのバッテリー消費テストはまだ進行中なので、結果が出るのは数日後になりそうです。
でもとりあえず、私はiPhone 15 Pro Maxをケーブルにつながないで3日間持たせられました。
といっても、途中で何回かはワイヤレス充電してます。全体的にiPhone 15 Pro Maxは去年のiPhone同様、Appleの言う24時間のバッテリーライフは維持してるようです。
iPhone 15 Pro/Pro Maxのカメラのアップグレードは、最小限といった印象です。メインカメラはF値が1.76と先代のF値1.6より大きくなってます。
でも暗所での性能は、静止画に関しては若干ベターという触れ込みです。天体写真に関しては、性能的には変わってません。夜空に対してシャッターを開けておける最大時間は30秒なんですが、Google Pixel 7 Proだと4分間開けておけます。
iPhone 15 Proのメインカメラのおもしろいところは、焦点距離を24mm、28mm、35mmと3段階で切り替えられるところです。
ズームなしで撮っていて、そのままズームせず被写体に迫りたいときに便利です。
私の場合、とくに遊んでる子供を撮りつついい感じのボケを出すときにすごく使えました。普通の写真をプロっぽくフレームできる選択肢があるのがいいと思います。
iPhone 15 Pro Maxのナイトモード(右)は、去年のiPhone 14 Pro Maxのもの(左)と比べてもマイナーチェンジな感じです。 Image: Florence Ion - Gizmodo USiPhone 15 Pro/Pro Maxのポートレートモードも、Google(グーグル)っぽいAIを使ってバージョンアップしました。
ポートレートモードにできそうな写真を撮ってると、画面の角にイタリックの「F」の字が浮かんできます。そこをタップするとカメラが焦点を調節して、ポートレートで撮影するんです。
でもそのときタップしなくても、カメラアプリが裏で情報を保持してて、後で写真アプリからポートレートのエフェクトを入れることもできます。
私がGoogleフォトで唯一使う機能はPortrait Blur(背景ぼかし)なので、Appleがこの機能を最優先で追加したのは賢明だと思います。
撮影のときにいちいちポートレートモードにしなくていいのもありがたいですね。Appleはこれからさらに、GoogleっぽいAIを使った写真編集機能を追加していくんじゃないでしょうか。
iPhone 15 Pro Maxでのサンプル写真。 Image: Florence Ion - Gizmodo USiPhone 15 Pro/Pro Maxにはメインカメラの他に3つのカメラがあり、さらに3つの焦点距離を別々に数えると合計7つのカメラを持ってることになります。
背面にはメインカメラのほかに、2倍光学ズーム・1200万画素・F値はメインと同じくらいのカメラと、120度の超広角カメラがあります。前面カメラは1200万画素で、Google Pixel 7/ 7Proよりもベターです。
ただ今回ちょっと違うのは、iPhone 15 Pro Maxには5倍光学ズームが搭載され、デジタルズームは最大25倍になることです。
これはAppleいわく「革新的なテトラプリズムデザイン」で可能になりました。さらに光学式手ぶれ補正と、3Dセンサーシフトモジュールもあります。このへんはAndroidスマホでも採用されつつあるんですが、Google Pixel 7 Proではまだできてません。
iPhone 15 Pro Maxのズーム性能は、Galaxy S23 Ultraのズームと同等です。サムスンもペリスコープカメラを使って同じような効果を出しています。MaxじゃないほうのiPhone 15 Proは、光学ズームは3倍、デジタルズームは15倍までです。
Android世界の住人から見ると、Appleの芝生はますます青みを増してます。とくにうらやましいのは、Google Pixel 7 Proの感触がスカスカの殻みたいに感じるのに対し、チタニウムのiPhone 15 Proは軽いにもかかわらず安定感もあることです。
バッテリーライフやハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングも、Googleの次なるTensorチップでも同じことができるのかな?と思います。
AI系機能も、Googleのお株を奪いつつあるように見えるし、GoogleはiPhoneにユーザーを奪われないために、Pixel 8 Proではかなり頑張らなきゃいけなさそうです。
とはいえiPhone 15 Pro/Pro Maxは、iPhone 14 Pro(iPhone 13 Proでも)みたいに新しめのiPhoneを使ってる人なら、買い替えるほどじゃないと思います。
Appleは、Androidよりずっと長くフラッグシップスマホをサポートしていくし、ポートレートのボケ調節みたいなソフトウェアベースの機能は、iPhone 13・14でも使えますしね。
9/20 13:40 製品の重量が誤っていたため、修正いたしました。