アラスカのカトマイ国立公園にはヒグマがたくさん生息していて、サケを求めて集まってきたヒグマの様子をウェブカメラで観察しています。
その様子はExplore.orgで配信されていて、世界中の自然愛好家が昼夜を問わず見守っているんです。
しかし、先週カメラが捉えたのは野生動物ではなく今にも凍えそうな人間。異変に気づいた視聴者が報告し、無事に救助されたんですよ。
ウェブカメラが設置されているのは標高3,000m付近。その日の天候は雨で、霧も出ていたために視界は限られ、風も強かったそうです。
Bear Cam saves a hikers life! Today dedicated bear cam fans alerted us to a man in distress on Dumpling Mountain. The heroic rangers @KatmaiNPS sprung into action and mounted a search saving the man. - more details to come. pic.twitter.com/JzgfApK371
— explore.org (@exploreorg) September 6, 2023男性が現れたのは午後3時半頃。視聴者は驚き、すぐにチャット欄に男性が映り込んでいると書き込みました。そのメッセージを見たウェブカメラとチャットの管理人がパークレンジャーに連絡をとり、男性の発見に至ったんですって。
「Fat Bear Week」の創設者であり、カトマイ国立公園のレンジャーを9年務めたマイク・フィッツ氏は、このときの様子を次のように語っています。
「最初に姿を写してから救出まで3時間ほどかかりましたが、男性はときおりカメラに現れては、こちら側に存在をアピールしてくれていました。
遭難してしまった男性の状況はよく理解できます。ブルックス川から直線3kmの位置にビジターセンターのロッジがあったとしても、あの状況では世界の果てのように感じたことでしょう。それほど山の天気は恐ろしいのです」
フィッツ氏によると、カトマイ国立公園は、イエローストーン国立公園とヨセミテ国立公園を足した広さに相当し、携帯電話の電波も入りません。連絡手段は衛星電話になるそうです。
普段、ベアカムやそのチャット欄にはクマの様子や自然について書き込まれることが多く、生態情報の交換などに活用されているそうです。
野生動物が映ることはあっても、人間が救助要請を出すことはなく今回が初めて。視聴者の中に読唇術に長けた人が何人かおり、「助けて」「遭難した」などのメッセージを読み取れたのも幸いだったと考えられます。
今回は無事に救助されましたが、山に行く際は入念な準備が欠かせません。日本ではこれから紅葉の季節を迎えます。たとえ標高が高くないと、してもしっかりと準備をしていってくださいね。
AndroidもiPhoneばりに、衛星経由で非常時の緊急通報が可能になりそう Androidに緊急時に衛星経由でメッセージを発信できる機能と思われるコードがあることが発見される。Garminとの連携。 https://www.gizmodo.jp/2023/08/garmin-sos-features-for-android.htmlSource: USA TODAY