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iPhone15イベント現地でUSB-C採用とともに賞賛された「あの」シーン

  • 2023年9月19日
  • Gizmodo Japan

iPhone15イベント現地でUSB-C採用とともに賞賛された「あの」シーン
Photo: 村上タクタ

先週のiPhone 15発表イベントをアメリカ現地で取材をされた村上タクタさんより、レポートが届きました。

なにやら現地ではUSB-Cの話題に負けないくらい盛り上がったとあるシーンがあるのだとか。イベント会場にいないと感じられない空気感をお届けします。

USB-Cコネクター採用とか、チタンボディ採用とか、いろいろなウワサが飛び交った今回の発表会。フタを開けてみると、多くのリーク情報は当たっていたが、やっぱり「情報」だけが本質っていうワケじゃない。

フリーランスライターの村上タクタが、現地のナマっぽいお話をお届けする。

今年も、メイン会場はSteve Jobs Theater

今回の取材ツアーは実に弾丸旅行だった。

月曜日に日本を出国して、日付変更線を越えて月曜日にカリフォルニア・クパチーノに到着。現地時間12日の火曜日に発表会を取材して、13日も日中は取材。夜10時ごろに出て、夜中の1時の飛行機で現地を出発して朝3時半に日本に到着するという日程だ。

実質、2泊3日。この日程の中でいろいろ取材をして、現地からレポートをお届けして……というスケジュールだ。

早朝、ホテルのロビーでプレスパスをもらう。アップルファンとしては、何より手に入れたいプラチナパスだ。毎回デザインが違うのも楽しみ。今回はAppleマークの部分が半透明だった。

筆者は2016年からiPhoneの発表会に行っている。2016年はサンフランシスコ市内のCivic Center Plazaだったが、Apple Parkが完成した2017年以降、iPhoneの発表会はずっとApple ParkのSteve Jobs Theaterで行なわれている。

とはいえ、2020〜21年は感染症の影響で発表会は開催されなかったから、今回は5回目のSteve Jobs Theaterでの発表会ということになる。

広大なApple Park(1km四方ぐらいのサイズ)だが、入場ゲートを入ると警備員が立っていて脇道に逸れないように、Steve Jobs Theaterを目指すことを要求される。

ちなみに、道を歩いている時にもズンズン音楽が聞こえてくる。周りに植えられている木々の間に、屋外用スピーカーが設置されており、音楽が流れているのだ。Apple Parkに入った時から、音楽は聞こえ続けている。

USB-C採用は話題になったか?

Steve Jobs Theaterは1,000人ぐらいが入れる会場で、丘の中に埋め込まれている。地上に出ているのはエントランスだけだ。

音響もバッチリ、椅子の下にはコンセントもあるし、1,000人の人が、iPhoneとMacBook Proと、iPadをWi-Fiに繋いでも問題ないぐらいの回線速度がある。理想的な発表会会場だ。スティーブ・ジョブズも、さぞやこのステージで話したかっただろうと思う。

冒頭、万雷の拍手に迎えられてティム・クックが挨拶をする。拍手が止まらなくて、なかなか挨拶を始められないほど。

このあとは、(環境がいいとはいえ)日本でみなさんが見ているのと同じ動画を見る。ある意味、8,000kmを飛行機で超えて動画を見るのは微妙な気もする。リアルなのは冒頭のティム・クックの挨拶だけ。もちろん、このあとの実機を触れる機会があるのは全然違うが。

会場で一番の拍手と歓声があがったのはもちろんのことiPhone 15 Pro発表の場面だが、次に反響が大きかったのはiPhone 15にUSB-Cコネクターが装備されたという場面。

実は筆者は、カッチリ噛合するLightningが好きだし、小さい電力と、大きい電力のコネクターを分けるというアップルの思想は好きだったのだが、とはいえEUからの圧力には耐えかねたようだ。そして、意外や筆者も「USB-Cコネクターが採用されるとなれば、それはそれで便利かな」と思うようになっていた。

アップルの発表順も工夫されていて、素材やカメラなどのビッグニュースが発表されたあとにUSB-Cの採用が発表された。もはや、ささいなニュースという扱いだ。それにまんまと乗せられたような気もする。

環境問題への関心と評価の高さが一番の違い

日本の我々の感覚と大きく違うのは、環境問題に対する関心の高さだ。

日本でも環境問題に対する関心が高く、「できることをやろう」「環境負荷の低い行動は当たり前」という態度の人たちはいるが、いっぽうでどうも「環境問題なんてタテマエでしょ?」と思ってしまっている人が多い。

諸外国の人たちや、これからの地球を受け取る世代は、温暖化の進行や、環境の悪化がこれまでの人類の営みによってひき起こされていることをよく知っている。

2030年までに企業全体としてのカーボンニュートラルを達成すること、100%リサイクルアルミニウムの採用や、バッテリー中のコバルトを再生利用すること……など、アップルが超巨大企業として責任を果たそうとしているのは本当に真摯な姿勢だと思う。

そして、そこで環境負荷が減ったことを、海外のメディアは本当に喜んでいるし、高く評価している。これは日本との大きな違いだ。

「Mother Nature(母なる自然)」とのやりとりのエピソードを、日本のSNSでは「小芝居」などと揶揄する向きも多かったが、現地では万雷の拍手を持ってこのエピソードは迎えられていた。

若い人たちにもっとマシな地球をバトンタッチできるように、我々はできる限りの努力をするべきだ。アップルはそう真摯に考えているし、その姿勢は世界各国の若者世代に受け入れられていると思う。いつまでも斜に構えていると、さらに日本は文化的にも周回遅れの国になってしまうのではないかと心配だ。

その後の取材では、日本のメディアは詳細な「気になるポイント」の取材に追われ、互いに大筋においては情報交換したり、本当のキモの部分については自分だけのメモに記したりした。

たとえば、「アップルの言う"USB 2"、"USB 3"の定義は何か?」とか、「iPhone 15に搭載されいている4800万画素センサーは、14 Proや15 Proに搭載されているモノと違うのか?」とか、「S9チップはA16 Bionicをベースにしているというのは本当か?」とかそういうことだ。

もちろん、タッチ&トライで実機に触ることができて、写真に撮ることができる……というのも大切だが、本当に大切な価値は、これら現地でしか入手できない情報にある。

アップルはなかなかプレスリリースで発表した情報以外のことは教えてくれないが、それでも現地だから得られる情報というのはあるのだ。

そのあたりは、我々メディアの取材の成果から読み取っていただきたい。

(村上タクタ)

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