イーロンの喧嘩ふっかけはまだまだ続く。
死にゆくX(Twitter)、そしてその持ち主=億万長者のイーロン・マスクは、この状況を名誉毀損防止同盟(Anti-Defamation League)のせいにしようとしているようです。
ユダヤ系の市民団体である名誉毀損防止連盟は、Xを反ユダヤ主義だと非難した数少ない団体の1つです。
今週初め、イーロンは「反ユダヤ主義の問題に関して、私たちのプラットフォームの正義のためには、名誉毀損防止同盟に対して名誉毀損訴訟を起こす以外の選択肢はないようです…なんて皮肉なことなんだ!」と投稿しています。
To clear our platform’s name on the matter of anti-Semitism, it looks like we have no choice but to file a defamation lawsuit against the Anti-Defamation League … oh the irony!
— Elon Musk (@elonmusk) September 4, 2023名誉毀損防止同盟は、オンラインプラットフォームでの人種差別と反ユダヤ主義を定期的に指摘していて、以前にもXでの人種差別の問題を非難したことがあり、イーロンの怒りの矛先となっています。
ADL should just drop the “A”
— Elon Musk (@elonmusk) May 16, 2023イーロン自身は、そのせいでアメリカでのXの広告が60%減少したと主張しています。また、名誉毀損防止同盟が広告主に圧力をかけていると主張していて、「広告主が直接私たちに伝えてきていることだ」と述べています。
Since the acquisition, The @ADL has been trying to kill this platform by falsely accusing it & me of being anti-Semitic
— Elon Musk (@elonmusk) September 4, 2023イーロンは怒りの投稿で、「自分自身は言論の自由の支持者だが、いかなる種類の反ユダヤ主義には反対している」と述べています。
イーロンは衝動的な発言をすることで有名とも言えますが、しばしば「訴えてやる!」発言で言論の自由を抑圧してきました。以前にも、イーロンのプライベートジェットを追跡する@ElonJetアカウントの所有者を訴えると脅したこともありました。
イーロン・マスクの自家用ジェット追跡ボットを作った19歳、イーロンから5千ドル払うから止めてと頼まれる 有名人はツラいよ。億万長者のイーロン・マスクはプライベートジェットで世界を移動をしますが、それを追跡するボットを作った19歳の青年が、当のイーロンから差し止め料を提案された、というお話です。12万人近くがフォローしている追跡アカウント自家用機の離着陸を自動でつぶやくツイッター用アカウント「Elon Musk's Jet」を作ったのは、ジャック・スウィーニー氏。彼はビル・ゲイツやジェフ・ベゾスなど https://www.gizmodo.jp/2022/01/249958.htmlそして目下の「訴えてやる!」の標的が、今回の名誉毀損防止同盟なのです。
X社CEOのリンダ・ヤッカリーノ氏は、名誉毀損防止同盟のCEOジョナサン・グリーンブラット氏と「プラットフォーム上でのヘイトに対処する」と数週間前に話し合ったといわれています。
I had a very frank + productive conversation with @LindayaX yesterday about @X, what works and what doesn't, and where it needs to go to address hate effectively on the platform. I appreciated her reaching out and I'm hopeful the service will improve. @ADL will be vigilant and…
— Jonathan Greenblatt (@JGreenblattADL) August 30, 2023一方、火に油を注ぎたがりのイーロンは、極右団体とのつながりのある人たちの投稿にいいねをし、その後「名誉毀損防止同盟はX/Twitterを窒息させようと一生懸命努力してる」と投稿しています。
対するグリーンブラット氏も以前、イーロンを悪名高き反ユダヤ主義者と言われるヘンリー・フォードと比較し、「SpaceXの創設者は現代のヘンリー・フォードだ」と発言して炎上したことがありました。
I had a very frank + productive conversation with @LindayaX yesterday about @X, what works and what doesn't, and where it needs to go to address hate effectively on the platform. I appreciated her reaching out and I'm hopeful the service will improve. @ADL will be vigilant and…
— Jonathan Greenblatt (@JGreenblattADL) August 30, 2023名誉毀損防止同盟の広報担当者は、訴訟についてコメントを控えるとしています。
しかし、メールでの声明では、イーロンがTwitterで名誉毀損防止同盟を「攻撃」していると言及。広報担当者の声明は以下の通り。
名誉毀損防止同盟は、反ユダヤ主義者、白人至上主義者、陰謀論者などが組織に対する協調攻撃を仕掛けてきても驚くことはなく、また威圧されることもありません。
こういった攻撃は新しいものではありません。XのCEOとの会談をした後であるのに関わらず、イーロンはあのような攻撃をしてきています。
彼の攻撃は、我々名誉毀損防止同盟がワシントン大行進の60周年イベントに参加した後に起きています。名誉毀損防止同盟は、60周年イベントでアフリカ系アメリカ人の指導者や、他の少数派コミュニティの代表者と肩を並べて行進しました。
イーロンが主張する内容とは反対に、イーロンが経営権を獲得してからのXは極右団体にとっての逃げ場となっています。
米Gizmodoの調査によると、Xはディズニーやマイクロソフトなどの巨大ブランドの広告を、ネオナチ映画の宣伝と並べて投稿していることが判明しています。
昨年10月、イーロンは「友人」として知られる反ユダヤ主義者のイエ(まぁカニエ・ウェストのことですけど)の凍結されたアカウントを蘇らせ、アカウント復帰後にさらに反ユダヤ主義的な発言をして、再びアカウントが凍結されました。先月にイエのアカウントは再度解禁となっています。
そして、過去に人種差別や極右とのつながりがあるにもかかわらず、イーロンがアカウントを戻すことを許可した人たちもいます。
白人至上主義者、ネオナチ指導者であるリチャード・スペンサーもその1人。また、悪名高いホロコースト否認論者で極右活動家でもあるニック・フエンテスのアカウントも解禁していますが、XのSpaceでヒトラーを褒め称えたため、再びアカウントが凍結されています。
イーロンのTwitterでの問題は、反ユダヤ主義に限った話ではありません。ヘイト行為のポリシーからデッドネーム(名前を変更したトランスジェンダーなどの人の変更前の出生時の名前を勝手に使うこと)と性別を誤記することを禁止していた文言を削除することで、トランスジェンダーの人たちに対する嫌悪感や否定的な感情や価値観を示しているといわれています。
イーロンはさらに、ブロック機能を終了することを示唆していて、そうなるとユーザーが攻撃的なコメントをさらに受けてしまう状況に陥っていくと予想されています。
イーロン・マスクがうるさい新聞NYTにすぐ飛べなくしてる問題、報じられたらすぐ直って笑うしかない 「X(Twitter)では批判的な新聞や競合の短縮リンクを開くのに、やったらと時間がかかる」そう感じた人たちが試しに測ってみたら、な〜んと4、5秒も表示が遅いことがわかり、「わざとトラフィックが流れないように営業妨害してるのか⁉」「短縮リンクってアクセス速くするためのものだと思ってた」とちょっとした騒ぎになりました。遅延発生は8月4日から最初に気づいたのはxslowzonさん。Hacker Ne https://www.gizmodo.jp/2023/08/elon-musks-x-is-throttling-traffic-to-websites-he-dislikes.html