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ゲームと車が連動するエンタメメタバース「Holoride」を体験してきた!

  • 2023年1月23日
  • Gizmodo Japan

ゲームと車が連動するエンタメメタバース「Holoride」を体験してきた!
Image: Holoride

タクシーのオプション機能としてどうですか?

渋滞嫌いといえばイーロン・マスクさん。トンネル掘っちゃうくらいですからね。でも、マスクさんほどじゃなくても、誰だって渋滞は嫌いです。目的地には早く着いた方がいいもんね。移動時間を少しでも有益なものにしようと、パソコン開いて仕事したり、本を読んだり、SNSチェックしたり、はたまたデジタルデトックスとして窓の外をぼんやり見る人もいるでしょう。が、もーし移動時間が仮想世界のエンタメ空間になるなら、もっと長く乗りたくなるかも?

米GizmodoのThomas Germain記者が、車内メタバースエンタメ「Holoride」に挑戦してみました。

マーク・ザッカーバーグがメタバースにフルコミットしているのは周知の事実。仕事、遊び、ゲームができる没入型のあっちの世界。Holorideが描くメタバースの世界はMotorverse(モーターバース)。名前の通り、メタバースの世界を車内エンタメ化したものです。当然、運転手ではなく後部座席に乗る人向けのエンタメです。Holorideのご招待で「革新的車内エンタメ」を、ニューヨークの街で体験してみました。

現状のメタバースでは、あっちの世界で現実の体の動きをどこまで再現できるかというのが問題・課題の1つですが、Holorideではそこはそんなに問題ではありません。車に乗るだけで、課題も変わるんですね。

巨大ロボになって街を駆け抜ける!

オフィスのあるミッドタウンから、メタリックブルーのAudiに乗車。六番街を走りながら、Holorideのエンジニアから説明を受けました。手渡されたのはHTC Vive FlowとPlaystationのコントローラー。そう、Holorideはソフトウェア開発のみで、ハードは作っていません。てことで、他社のハードが必須。そもそも最重要のハードは車そのものですしね。

ヘッドセットを装着し、ちょちょっとボタン操作すると、そこはHolorideの世界。Holorideが提供するフラッグシップゲーム「Cloudbreakers」を開くと…、僕の長年の夢である超巨大ロボットになれました!

ロボットとなった僕はバーチャルの世界を飛行。正直、15年前なら感動したグラフィックだと思いますが、2022年(体験したのは去年)の僕の目にはちょっとフラットに感じました。ゲームのビジュアルはさておき、細かい説明なしでプレイできる直感的なゲームには好感触。周りを飛ぶ小型悪役ロボットをレーザーで撃ち落としていきます。

Image: Holoride

プレイし始めてすぐは気づかなかったのですが、この敵ロボ、車が右に左に動くたび、止まるたび、隊列を変えて攻めてくるんです。運転と連動した動きなんですね。車にセンサーが搭載されているんですが、現時点では、これはHoloride初のパートナーであるAudiの車(一部モデル)のみ。ゲーム内の敵が車の動きやスピードと連動することで、ビジュアルと衝撃のリアル感はかなり高まります。

後部座席に同乗してくれたHoloride CEOのNils Wollny氏(Motorverseって書いたTシャツ着てたよ)は、こう語ってくれました。

多くの人にとって、乗客として過ごす時間は無駄な時間ですが、Holorideがあればその時間が急に楽しい時間に変わるんです。Holorideは、実際の車の動きと画面の中で移動している世界の動きが連動しているため、より没入感が高くなります。これをメンタルウェルネスや教育、瞑想として活用すれば、車に乗ったときよりも降りたときの方がリラックスし、集中力も高まっているかもしれません。

なかなか大胆な意見ですよね。技術的制限はあるとしても、確かに使い方は人によってそこそこありそうで、期待はできます。そもそも車中とガジェットは相性がいいとは言えません。ラップトップ開いても揺れて仕事しにくし、スマホでエンタメ見るにしても画面小さいし。となると、VRヘッドセットが車と最も相性がいいのかな。

Wollny氏いわく、Holorideを他と差別化する鍵はメタバースの捉え方にあるのだそう。

メタバースの見方が最大の違いです。デジタルリアリティと物理的現実を結びつける必要があり、魔法はそれによって生まれると考えています。業界全体がこっちに進むと思っていて、私たちがより広い視野でメタバースを捉える良い例になっていると思いますよ。

プレイしていると、Cloudbreakersは、渋滞ぎみの街中よりも高速やバイパス向けのゲームだと思いました。車のスピードが落ちると、ゲームのスピード感も落ちちゃうんですよね。Cloudbreakersの設定(世界観)とニューヨークの道路は相性が良くない!

降車後にWollny氏から、Cloudbreakersの街並みはGPSと連動しており、リアルの街並み(建物やブロックなど)と関連していると教えてもらいました。これ、技術的にはすごいと思うのですが、プレイヤーとしては感動がありません。だってヘッドセットしているので、リアルな街並みは見えていませんからね。車の動きとゲームの動きの連動と違って、街並みの連動はまったく気づきませんでした。

没入感はすごいが…

Motorverseという世界は確かに没入感が高いです。ヘッドセット装着して、ゲームをプレイしてすぐは、新しいものを体験するわくわくと興奮がありました。が、それは最初だけ。正直、インベーダーゲーム的なゲームなので、技術うんぬん以前にゲーム自体が少々退屈なんですよね。

Holorideにはいくつかゲームが入っていて、実際にプレイした「Cloudbreakers」のほかに、パズルゲームの「Dynablaster」、ストーリーものの「Bookful Tales」があります。Wollny氏いわく「4週から6週間ごとに新作を追加していくつもり。また、「Cloudbreakers」のような没入型ゲーム以外にも、ショートライド向けのミニゲームや教育系コンテンツ、動画配信も検討しています」とのこと。

10分ほどプレイしたのち、次はスマホのミラーリングアプリを試してみることに。Adnroid端末後継機種と同期できるので、VRでInstagramを見ることができます。やってみたかったモーション型スクロール! Android端末同期なので、Netflixを見ることもできます。VRの世界でも四角い画面はそのままですが、スマホを手に持って小さい画面で見るよりはずっと楽。ただ、スマホ画面ほど画像がきれいではないのが残念。

気になったのは車酔いです。VRヘッドセットでは、家のリビングでプレイしていても画面酔いしてしまう人がいますが、それは車の中でも同じ。車酔いは見た目と実際の動きの感覚のずれで起きるとのことで、Wollny氏いわく、そのズレはHolorideだと実は緩和されるとのこと。車の動きとバーチャル世界の動きが連動しているので、車酔いを軽減するというのですが…。まぁ、酔いやすい僕は、それでも酔っちゃいました。

車内エンタメとしてMotorverseはあり?

現時点では、体験するのにAudi車が必要になります。対応モデルも限定的なので、一番安く自前のMotorverse環境を設置しようと思ったら、最新のAudi A4以上が必須で400万円を超えます。で、ここにソフト=Holorideが必要。さらにヘッドセットとコントローラーも必要。まぁ、現実的な話ではないですね。そもそも、Holorideは昨年ドイツとイギリスでリリースされており、そのほかの地域では入手不可ですから(今年初頭にはアメリカでもリリース予定)。

もっというと、運転手は使えないので、Holorideを楽しむためには後部座席に乗るのが条件。つまり、自分1人で遊ぼうと思えば、運転手さんを手配する必要があるんです。さすがにハードル高すぎ。ドイツ在住の超富裕層の家の子どもなら買ってもらえるのか?

Image: Holoride

僕には現実的ではないという話であって、Holorideやモーターバースという新たな世界には期待しています。技術はすごい。メタバースを車で楽しむというアイデアも好き。ゲームはちょっと単調ですが、プレイできるタイトルがもっと増えて質も上がれば、新しいエンタメとしてかなりドラマチックなプラットフォームになる可能性もあります。そのためには、ユーザーやパートナー企業が増えていく必要がありますが…。

ソニー x ホンダのEVを支えるクアルコムとEpic Gamesの技術 ソニーとホンダが手を組んで取り組むEV企業、ソニー・ホンダモビリティ(SHM)がCES 2023で自社のブランド名「AFEELA(アフィーラ)」を発表しました。 https://www.gizmodo.jp/2023/01/afeela-epic-games-qualcomm.html

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