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クルマかってぐらい速くて高い。最新Intel&Nvidia搭載MSI Raider GE76レビュー

  • 2022年7月4日
  • Gizmodo Japan

Photo: Phillip Tracy/Gizmodo|MSI Raider GE76 (2022)

性能も価格もアルティメット。

最近はゲーミングノートPCも軽量小型化で、AMD搭載Asus Zephyrus G14も、Alienware史上最薄の第12世代Core搭載Alienware X15も、軽量級では考えられないゲーム性能を出しています。しかし1mm削ぐごとに妥協点があるのも事実。やもすると性能や冷却に響くことも…。

そこで登場したのが、ポータビリティ糞食らえなパワービースト、MSI Raider GE76 12です。

Raiderがこだわったのはパワー、性能、ポートの数。クルマにたとえるなら間違いなくアメ車でしょう。多少だぶつきがあってもパワーで補ってあまりある体躯。大きくて、重くて、いかにも「アルティメット」な不穏な空気をまとっています。何週間かこいつで仕事とゲームしてみたけど、内容的にも(ほぼ)その名に恥じないものでした。

MSI初のAlder Lake搭載マシンというのも見逃せないポイントです。まあ、MSI Raider GE76はIntel最新第12世代Alder Lakeのショーケースデバイスではあるものの、同じCPUを積んだ唯一のゲーミングノートというわけじゃないので、その点はご留意ください。

本稿では第12世代Intelチップが競合と比べてどうなのかと、競合ひしめくゲーミングPC界におけるMSI Raider GE76のポジションを見ていきます。

MSI Raider GE76 12U

MSIのRaider GE76はIntel第12世代CPU×Nvidia RTX GPUの高性能マシン。そのぶんお値段も高め。

これは何?:IntelとNvidiaの最高峰のチップを搭載したタフなゲーミングノートPC

価格:2,900ドル〜(テスト機はi9ではなくCore i7搭載17.3インチで3,500ドル)。Core i9×RTX 3080 Tiの17.3インチモデルは4,100ドル(日本は税込み48万9800円)

いいところ:モンスターな処理性能、爆速17インチ画面、完全網羅のポート、1,080pのWebカメラ、おしゃれなRBGライト

惜しいところ:厚くて重い、高価、画面はもうちょっと明るくてもいい、バッテリーがすぐ減る、Windows Hello非対応

MSI Raider GE76の価格と構成

…とその前に先立つもの、先立つもの。

気になる価格は最安2,900ドル(日本市場は税込み48万9800円)から…です。たかだかゲーミングノートにそんなに割けねぇわ! ってみなさまはこのままページを閉じてください。怒らないので大丈夫ですよ。

MSIから届いたレビュー機は17インチ2,560×1,440ディスプレイで、CPUはIntel Core i7-12700H、DDR5 RAMは32GB、SSDは1TB、GPUはNvidia GeForce RTX 3080 Tiという構成。これだと3,500ドルいっちゃいます(テスト機と同じ構成のものは日本で探せませんでした!)。

あ、もっと安いのもあります。Core i9 CPU×RTX 3070 Ti、VRAM 8GBのだと2,900ドルで買えます。

あと、もっと高いのもあって、Core i9 CPU×RTX 3080 Ti×DDR5 RAM 32GBで4,100ドル。中古車が買えちゃうお値段です(これはたぶん同じ構成あった。税込み48万9800円)。

Intel第12世代×RTX 3080 Ti

さて本題。いつもならデザインが先だけど、MSIはパワーがすべて。MSIから送られてきたレビュー機はIntel第12世代Core i7-12700H CPUとNvidia GeForce RTX 3080 Ti GPUのツインターボエンジン搭載で、GDDR6 VRAMは16GB。DDR5-4800 RAMは32GBで、NVMe SSDもがっつり1TBでした。

ベンチ結果の前に予備知識を少々。GE76搭載の第12世代チップ「Alder Lake」はIntelの大変化を画するCPUで、高性能コアと省電力コアを両方兼ね備えた新しいアーキテクチャが採用されています。両刀使いのハイブリッドプロセスは今にはじまったことじゃなくて、初採用はLakefieldプロセッサだったのですが、メインストリームデビューは今回が初めてです。

負荷のかかるシングルスレッドのタスクは高性能Pコアでこなして、バックグラウンドやマルチタスクの処理は小さめの省電力Eコアに回す仕様なので、優先度の低い荷物をEちゃんが持ってあげて、筋骨隆々のPちゃんが爆速処理に集中できるのが利点です。

MSI Raider GE76(2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

ベンチマークでは、省電性能はともかくとして(くわしくは後述)、理論どおりの高成績でした。まさに、IntelとNvidiaのベストを装備したモンスターです。

Geekbench 5の総合スコアはなんと12,561で、編集部が試したこれまでのどのノートよりも高スコア。テスト機はCore i7なので14インチMacBook Pro(12,663)には僅差で及ばなかったけど、Core i9のモデルならMacBookも目じゃないでしょう。 Blenderで3D画像レンダリング所要時間を測ってみても、たったの2分40秒で、14インチMacBook Pro(4分57秒)より2分以上も短かったです。GE76に迫るマシンは、もっとコンパクトなZephyrus G14(3分3秒)だけ。ROG Flow Z13(3分51秒)もいい線行ってましたけどね。

Handbrakeでは4K動画を1,080pの解像度に変換してみました。Raider GE76は所要5分22秒。14インチMacBook Pro(4分51秒)に迫る高速処理で、Alienware x15には丸1分の差をつけてますが、これはZephyrus G14(3分15秒)が一番高速でした。

MSI Raider GE76 (2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

しかしなんといってもRaider GE76を買う理由はフレームレートでしょう。画質Ultraの設定で『Far Cry 5』を1,080pでプレイ中は139FPSで、昨年のRTX 3070搭載Alienware x15(106FPS)よりだいぶ上。ネイティブの解像度(2,560×1,440)でやってもマイナス11フレームどまりでした。

ほかのゲームはみな1,080pでやってみました(テスト機も240Hzだったし、どこまで伸びるか見てみたかった)。『Total War: Warhammer II』では129FPSで編集部がこれまで試したどのマシンよりもスコアが伸びました。対するZephyrus G14(Radeon RX 6800S GPU)は68FPSぽっち。巨人と小人を比べるのも酷というものですが…。

『Shadow of the Tomb Raider』は150FPSで、144Hzのディスプレイの限界値並み。Alienware x15も127FPSで健闘しました。x15が第12世代になったら、また比べてみたいですね。

最後に試した『Metro Exodus』でもRaider GE76(96FPS)がAlienware x15(75FPS)、Zephyrus G14(56FPS)を抑えて堂々のトップでした。RTX 3080のeGPU搭載Flow Z13(78FPS)よりもまだ上です。テスト機のなかで第12世代CPU搭載機はRaiderだけだったので、競合が12世代に移行してからのレース展開に注目ですね。

240Hzならもっと出るかなと思ったけど、スコアとしては上々です。そのぶん、どうしてもバッテリーに負荷はかかります。バッテリーテスト(画面を200nitsに設定して動画再生)では2時間44分しか持たなくて、ここまで短いノートは編集部もあまりお目にかかったことがありません。これだけのスペックのゲーミングノートPCになると、バッテリーが犠牲になるのは、珍しいことではないですけどね。

高速ディスプレイ。広さも十分

さて、テスト機(17インチ・2,560×1,440・IPS・240Hz)はこのクラスで最高というわけではありません。マットで光沢は抑えられているので、明るい場所でやってもゲームに支障が出ないのですが、もうちょっと明るくてもいいなと感じました。測ってみたら298nitsで、及第点レベルでした。

MSI Raider GE76(2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

色鮮やかさもベストってわけじゃないけど、ほかのマットスクリーンに比べたら、色の出方は正確だし、パンチも効いてます。『Queen of the South』は心から楽しめました。『Halo Infinite』をプレイ中も画面は広くて高速。十分カラフルでした。 もっとピクセル数が欲しい人には、MSIは120Hz画面で4Kを楽しむオプションも用意していますが、こだわらないんであれば、360Hzの液晶で1,080pでプレイするともっとリフレッシュレートは高くなります。僕個人はQHDの画面を選ぶかな。

MSI自慢のデュアルファンと、ワイドなヒートパイプを装備したおかげで、GE76はテスト中、熱くはなっても機能停止になるほどの高熱には一度もなりませんでした。スロットルもなし。ファンは専用キーで操作できるのもうれしいポイントです。

大きくてシンプル。抑制の効いた美

こんだけ筋骨隆々なビーストの割には、Raider GE76のデザインはすごく控え目に抑えられています。アグレッシブに攻めてるのは、光沢シルバーのカクカクっていうコーナーと、裏面のバンパーくらい。それをのぞけば、いたって普通です。特にアルミのカバー(MSIはチタニウムブルーと呼んでいる)とMSIのドラゴンのロゴとかも、ありがち。

MSI Raider GE76(2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

どことなく地味な外観でありながら、中のRGBのエフェクトはまぶしいほど。 ライトバーから虹色の光があふれ出して底部フロント一面を照らし、Raiderが一瞬、宇宙船に見えます。カバーを開くと、キー別のRGBが独特のパステルカラーに輝いて、レトロなアーケードゲームみたい。光のエフェクトはもちろんカスタマイズ可能。これはMSI Centerやショートカット列のSteelSeriesキーからいくらでもできます。 まあ、決してポータブルじゃありません。これはMSIがなんと言っても変わりません。出張用ならMSIのStealth GEシリーズのほうがベター。 Asus Zephyrus ROG G14でもいいでしょう。Raiderは15.63×11.18×1.02インチ(39.7×28.4×2.6cm)、6.4ポンド(2.9kg)。 GE76を(両手で)持って家の周りを歩くぶんには大丈夫なんですが、カバンに入れて出張はきついかと。充電アダプタもレンガかよってくらい大きい。

MSI Raider GE76(2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

SteelSeriesのキーボードは見た目も楽しいけど、叩いて二度楽しいキーボード。キートラベルは適度で、スイッチは跳ね返り十分。本稿入力中も力は入れなくて済みました。メカニカルキーボードには及ばないながらも満足いく「クリック」感が得られて、それでいて超ポータブルなノートより音がうるさいってこともなし。

テンキーはフル装備ですので、追加のショートカット入力、表計算の数字入力も一発です。最初の数日はキー配列にいらつきましたけどね。音量・明るさは矢印キーのFnで調整するんじゃなくて一番上の列にあったほうが便利かと。

MSI Raider GE76(2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

もうひとつ注文をつけるなら、次期モデルではタッチパッドはもっと広くしてほしいかな。 Raider はせっかくパームレストがこんなに広いんだからもったいないです。

なお、タッチパッドそのものはスムーズで高精度。自分のデタラメなスワイプ、速いマルチフィンガーのジェスチャーにも即座に反応してくれました。

スピーカー最高。ポートは全部ついてる

なんせこの胴回りなので入出力はばっちりです。GE76右サイドにはUSB 3.2 Type-Aポートが2つと、フルサイズのSDカードスロット、左にはUSB 3.1 Type-Aポート、USB 3.2 Type-C入力ポート、ヘッドホンジャック。つなぎっ放しになりがちなもの(Thunderbolt 4、HDMI 2.1、Mini-DisplayPort、LANポート、電源ジャック)は背面に配するのがMSIの作戦です。

MSI Raider GE76(2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

ほかの装備もなかなかです。1,080pのWebカメラは動画チャットの使用に耐えるレベルだし、照明が十分確保できれば、ストリーミング中継もこれでいけそうです。のぞき見られるのが心配なら、キーのショートカットをタップするだけでシャットOFFできます。Wi-Fi 6E対応なので無線通信も快速。Bluetooth 5.2もサポートされてます。

MSI Raider GE76(2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

圧巻だったのが、デンマークのDynaudio(ディナウディオ)のスピーカーから出るサウンド。これは2Wツイーターデュアル搭載で、1Wのウーファーもペアで入ってます。Head and the Heartの「Paradigm」をかけてみたら、クリスプで音の広がりが感じられて、ボリュームを最大に上げて部屋中に音が鳴り響いても、ゆがみが出ることもありません。高音がややキーキーくることもあるけど、敏感な僕の耳でも大丈夫でした。

Raider GE76は買い?

持ち運びやすいかどうかなんてどうでもいい。最強のゲーミングノートPCがあればいいんだ。そういう人にはRaider GE76、グッドチョイスです。Intel最新第12世代Alder Lakeの威力(一部テストでは、省電性はともかく、処理性能はAppleのMシリーズに勝る結果も見られた)を十二分に示す、ケーパブルなモデルです。

高い買い物なので、自分は競合と十分比べてからじゃないと手が出ませんけどね。ここで紹介した性能の多くは、もっと安くてコンパクトで出張向きな製品でも手に入るし、それを考えると、Asus Zephyrus G14とで迷ってしまいますね。G14は比較的小さい割には処理パワーがあって、高負荷のタスクもこなせるし、だいたいのゲームは満足なフレームレートで遊べますから。とはいえ、Raiderは性能が別格で、同じには語れないわけですが。

MSI Raider GE76(2022) Photo: Phillip Tracy/Gizmodo

あとひとつ。Raider GE76以外にも第12世代CPUを搭載した製品は出回っていて、このクラス最安というわけありません。かといって一番プレミアム感があるかというと、そうとも言い切れなかったりします。

Alienware m15 R7は同等の構成にスペックを盛りまくっても(ディスプレイは小さいけど)2,899ドルで、MSIより600ドル安め。もう少し予算出せるならRazer Blade 17は3,999ドルもしますが、Raiderよりもっとポータブルかつプレミアムです。200ドル安い価格帯で探せば、Asus ROG Strix Scar 17だって買えちゃう。

いま名前を挙げた競合の製品はまだテストしていませんが、これだけお金払うなら調べて損はありませんよ。

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