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新型コロナやサル痘だけじゃない。これから流行の可能性のある感染症

  • 2022年5月30日
  • Gizmodo Japan

デングウイルスを媒介する蚊、Aedes albopictus
Image: Pablo Cabrera / CDC

パンデミックって本当にありえるって、わかったから…。

新型コロナ以降、感染症とは漠然とした脅威じゃなく、いつどこで爆発するかわからない危機だってことがイヤってほど実感させられました。パンデミックも3年目に突入した今、今度はサル痘なる感染症がいろんな国に出回り始め、従来レアだったこの感染症が新たな地域で流行してしまうんじゃないかと心配です。

でも、何らかの感染症が突然勢いづいてあちこちに広がりだす...そんな可能性はサル痘以外でもありえます。そういう病気を「新興感染症」とか、いったん沈静化した病気が復活してる場合は「再興感染症」とか言います。

これらが必ずしも次なるパンデミックになるとは限りませんが、将来的に大流行したり、今の流行地域より広範囲に伝播する可能性はあります。そんな新興・再興感染症の中でも心配なもの8種類をまとめました。

類鼻疽(るいびそ)

培養された類鼻疽菌
Image: Todd Packer / CDC

病原体:熱帯・亜熱帯に存在する類鼻疽菌。

どれくらい脅威なの?:類鼻疽は診断や治療が簡単じゃありません。自然に存在するのは温暖な地域に限られてますが、水槽の水やアロマスプレーなど、意外なものに混ざって他の地域に移動できてしまいます。専門家の中には、気候変動で本来そこまで温暖でない地域にも生息地が広がってしまうのではないかと懸念する声があります。

症状と治療法:症状は菌への接触の仕方でいろいろですが、たとえば呼吸器に感染した人の場合、熱や咳、頭痛といった症状が出ます。抗生物質の大量投与で治療できますが、致死率が50%に及ぶこともあります。

カンジダ・アウリス感染症

培地に発育したカンジダ・アウリスと顕微鏡像
Image: 日本医療研究開発機構

病原体:真菌のひとつ、カンジダ・アウリス。

どれくらい脅威なの?:カンジダ・アウリスはほとんどの抗真菌薬に耐性があるので、治療が難しくなっています。感染すると悪化しやすいような環境、つまり病院などの保健施設で急速に広がります。2009年に日本で発見されてから徐々に増えていて、毎年世界の新たな地域でこの菌が見つかっています。

症状と治療法:ほとんどの人は、カンジダ・アウリスに感染しても特に症状がありません。ただ、すでに何らかの病気だったり免疫が低下したりしている人が感染すると、広範囲に広がって敗血症や死に至る可能性が高くなります。

ライム病

マダニはその辺の草むらにも潜んでいる
Shutterstock.com

病原体:ある種のダニのメスが媒介するボレリア菌。米国の場合、クロアシマダニ(Ixodes scapularis、シカダニとも)、Ixodes pacificusなどが媒介します。

どれくらい脅威なの?:ライム病などのダニが起こす病気は、米国では過去数十年で増加傾向にあります。この種の病気を媒介するダニは、気候変動の影響もあって冬期でも以前より長生きし、生息地も広がってより多くの人を病気にさらすばかりです。

症状と治療法:急性症状は熱や頭痛、倦怠感、そしてダニに咬まれた部分がダーツの的みたいに同心円状に赤くなることです。抗生物質の数週間投与で治療可能ですが、治療しないままにするとより深刻な症状になることがあり、関節炎や神経痛といった症状が長年続くこともあります。

エボラ出血熱

Image: CDC

病原体:4種類あるエボラウイルス。

どれくらい脅威なの?:最近はエボラウイルスに対するワクチンや抗体治療法が開発され、以前よりも対処しやすくはなりました。でも、流行はより頻繁になってもいます。たとえばコンゴでは、2018年以降だけでも6回目の流行が起きている最中です。エボラから回復した人も潜伏性の感染を継続している場合があり、そこから新たに感染が広がったケースも報告されています。

症状と治療法:初期症状は熱、頭痛、筋肉痛、だるさなどで、進行すると下痢や嘔吐、重度の内出血などが起こります。過去の流行では致死率が90%に及びましたが、新しい治療法が開発されたことで、その比率を大きく下げることができました。

ニパウイルス感染症

電子顕微鏡で拡大されたニバウイルス
Image: Cynthia Goldsmith / CDC

病原体:バングラデシュやインドなどアジア由来のフルーツコウモリやそのフンを介して広がるニパウイルス。

どれくらい脅威なの?:ニパウイルスは主にフルーツコウモリやそのフンが食べ物や水を汚染することで広がります。感染したブタやウマを介して人間に広がるケースが多いのですが、時には人間同士で伝染することがあり、専門家は流行が定常的に起こることでウイルスが進化してより感染しやすくなるのではないかと懸念しています。

症状と治療法:最初は発熱、頭痛などの風邪のような症状ですが、より進行すると脳浮腫が起こり、脳卒中や昏睡といった神経症状に至ります。致死率は40〜75%に上り、特に効果のある治療法は今のところありません。

デング熱

デングウイルスを媒介する蚊
Image: Pablo Cabrera / CDC

病原体:デング熱は4種類のデングウイルスで起こり、Aedes aegyptiとAedes albopictusという蚊が媒介します。

どれくらい脅威なの?:デング熱の報告例は過去20年で劇的に増えていて、ヨーロッパやアメリカといった、今までデング熱がめったになかった地域で何回も流行しています。ワクチンはあるのですが、デングウイルスに接触経験のない人の場合、却って重症化リスクを増大させるかもしれないので、デング熱に罹ったことのない人の接種は推奨されていません。

症状と治療法:デングウイルスに感染した人のうち1/4ほどで、発熱や筋肉痛、目の痛みや発疹といった症状が見られます。デングウイルスには4種類ありますが、そのうち1種類のウイルスに感染して回復したとしても、別の種類のデングウイルスへの抗体はできません。そして2回めに感染すると、より重篤で命に関わるような症状となり、時には数時間で死に至ることもあります。

麻しん(はしか)

麻しん予防に効果を発揮するMMRワクチン
Image: Shutterstock.com

病原体:人間同士で空気感染、飛沫感染、接触感染する麻しんウイルス。

どれくらい脅威なの?:麻しんは再興感染症のひとつです。非常に感染力が強いものの、幼児期の効果的なワクチン接種が広がったことで、一時は根絶できるかと考えられていました。でも、ワクチン接種率が低下してきたことで世界の多くの地域で復活しつつあり、専門家は2022年に大きく感染増大するのではないかと懸念しています。

症状と治療:高熱、咳、全身に出る特徴的な発疹といった症状です。死に至ることはまれですが、小さな子どもほど致死率が高くなります。回復してからも、まれに長年経ってから神経性の症状が起こったり、他の感染症への免疫の記憶が事実上リセットされて再感染したりします。特別な治療法はありませんが、通常は数週間で自然に症状が消えていきます。

鳥インフルエンザ

Image: Shutterstock.com

病原体:鳥由来のA型インフルエンザウイルス。

どれくらい脅威なの?:非常に病原性の強い鳥インフルエンザは、感染力も致死性も高いです。2021年10月以来、鳥インフルエンザH5N1型による大流行は世界に広がり、数百万羽が死んでいます。鳥から人への感染はまれで、感染するとしても長時間の濃厚接触があった場合に限られ、人から人への感染はさらにまれです。でも、心配なのは時間とともにウイルスの型が変異して、人の間でも鳥と同じように感染力・致死性の高いウイルスに進化してしまうことです。

症状と治療法:通常の場合、人間は鳥インフルエンザウイルスで症状は出ませんが、症状がある場合、一般的な呼吸器感染症と同じようなものになります。とはいえ、過去の人間における流行では特に致死性が高く、感染した人の半数近くが亡くなっています。

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