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海洋インフラは、もはや「海に浮かぶ都市」と化している

  • 2020年9月12日
  • Gizmodo Japan

Image: shutterstock

予測によれば、2028年までに最大70%増。

自然は偉大で、ときに恐るべき存在です。特に、海の広さと比べたら、人間はちっぽけに思えることもあるかもしれません。それでも私たちは、資源が豊富で美しい海の開拓を諦めませんでした。その結果…世界の海はいま、どのような状態にあるのでしょうか?

海洋インフラの規模は?

新しい調査によると、私たちが陸上の都市を築いてきたのと同じくらい、海洋インフラの規模は拡大しているといいます。さらに今後10年間というスパンで考えると、さらに開拓する準備が整った状態にあるのだとか。

Nature Sustainabilityで発表された調査では、沿岸や沖合にあるインフラ(石油掘削装置、パイプライン、ケーブル、養魚場、港湾、海上風力発電所など)をマッピング。その結果、米メリーランド州とほぼ同じ面積にあたる3万2000平方kmの海底で、人間による"海洋開拓"が確認されました。

こうした物理的な面積がすべてを表しているということはなく、人間の活動の影響がみられるのは最大340万平方km範囲だと示唆されています。これには、港からの騒音やさまざまな波及効果が含まれます。

人間が海に構築したインフラは、海岸線から370km以内にあるすべての排他的経済水域の1.5%を占めています。この数字は、地球上で都市化された土地の割合に並ぶほどなのだとか。ただし、防波堤のような沿岸の海防に関しては考慮されていないので、実際はもう少し増えるのではないかとのこと。

さらなる海洋都市の拡大へ...

では実際に、私たちは海で何をしているのか。たとえば中国では養殖や養魚のために広大なエリアを開拓していたり、イギリスでは世界最大の洋上風力発電を建設していたり、アメリカではメキシコ湾を中心に大規模な海洋掘削を行なっていることでも知られています。

研究によれば、こうした海洋建設は養殖のほか、風力や潮力というエネルギーファームに牽引されるかたちで、現在から2028年までに最大70%伸びると予測されています。ただやはり、気候変動の結果として起きる海面上昇に対応するために沿岸の海防が必要になることも含めると、この数字をさらに上回る可能性もあります。

海洋インフラストラクチャは、あくまで人間が海に及ぼす影響の"一部"であることも忘れてはいけません。乱獲、気候変動による海洋熱波、海面上昇のほか、重油流出などの大災害といったあらゆる要素が海のエコシステムを危機に晒しています。また、海防の建設がマングローブなどの生態系を脅かしたり、農業による海洋汚染が起きたり、海に影響を及ぼす要因は陸地での活動だけには止まりません。

自然と共存できるか

昨年、科学者チームが発表したところによれば、生態系が順応できないスピードで起きている地球温暖化により、海は今世紀中に「前代未聞の事態」に突入するといいます。

今回の研究は、私たちが今後どこで・どのように海を開発していくかについてより慎重に考える必要性があると結論づけています。たとえば地域によっては、新たに海防を建設する代わりに沿岸湿地を保護・復元する取り組みができれば、エコシステムに危機をもたらすことなく洪水対策を講じることが可能です。洋上風力発電に関しては、人口葉など生態学的に有益とされる新たなソリューションも開発されていますが、長期的にどのような影響があるのか(外来種を招くことはないかなど)を含めて研究を進めていく必要がありそうです。

いずれにせよ「自然と共存できるかどうか」をしっかり考慮したうえで開発を進めることは、海でも陸でもますます重要になってきています。特に、海洋インフラの開発がこれからさらに発展する過程にあるのならば、陸での開発で学んだことをどうにか活かしてほしいと願わずにはいられません。

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