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雪崩や地震の発生を予測する「音」の研究

  • 2018年6月13日
  • Gizmodo Japan

Image: Ted Brzinski/NCSU

小さな物質を使った研究が持つ大きな可能性に注目。

大量の小さなプラスチックディスクを使った実験から、雪崩や地震を音で予測しようとする技術の開発が進んでいます。

ノースカロライナ州立大学の研究者チームは、スティックスリップ現象(注:たとえばバイオリンなど弦楽器のように、ときに音を発しながら互いに摺動[しょうどう]する2つの物体の自励振動)の再現実験から、粒状材(豆粒サイズのプラスチックビーズ8,000個)が変形し破壊するときに発生する音の特徴を掴むことに成功しました。大規模な場合、地震、雪崩、土砂崩れなどを引き起こす現象と類似すると考えられています。

「アコースティックエミッション(※)が粒状体の破壊と同時に発生することは以前から知られていましたが、我々のメソッドではさらにこれが発生するまでのシステムの進捗状況の評価という新たな可能性を示しています」と、研究者らは学術誌Physicsに綴っています。

※編注:材料が変形あるいは破壊する際に、内部に蓄えていた弾性エネルギーを音波として放出する現象。

実験に用いられた装置
(a) 上から見たところ。緑=センサー
(b) 回転軸
(c) 装置を横から見たところ

実験ではゆっくりと回転する円筒に特殊なプラスチックディスクを積み、外側についた12個の水晶センサによって、外向きに押し出されるビーズからどれほどの力が加えられたかを検出しました。これにより、外力が加えられた物質の振動に関する情報が、物質の状態に関する情報に変換し得ることがわかったといいます。

回転時、ディスクは互いに摩擦することなく所定の位置に留まっていましたが、1分に1回ほど激しく衝突してスティックスリップ現象を引き起こしていました。研究者らは、ディスクの振動とこの回転ドラム内部の集合的な挙動を関連付けることに成功しました。

地震とは大きく異なりますが、音のパターンを活用することで雪崩や地すべりなどの大規模なイベントの発生を予測できるのではないかと考えられています。ただし示唆できるのは少なくとも見込み程度であり、正確な発生時間の予測はいまだ難しいといいます。

いっぽう、シラキュース大学のLisa Manningは研究に関わっていない外部の立場として「物質が破壊につながるとき内部の振動が大きく変化することを示し、粒状体の内部の状態を評価する新しい方法だ」と、いかに今回の実験が有意義であったかPhysicsにコメントを残しています。

最後にもう1つ注目したいのが、科学者たちが使用したプラスチックビーズ。スクイーズすると、偏光フィルタを通して力の方向に沿った明るい線が表示されるのがわかり、光の方向が変化するのを見ることができます。現在は低重力で表面に多くの塵埃がある小惑星へのドッキングに活用する方法が模索されているとのことです。



Image: NCSU
Source: PRL via Physics

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)

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