湖に巨大な緑色の渦巻きが……。宇宙からの衛星写真でもはっきりとわかるこの現象。一見すると、周囲の砂漠と相まってアート作品にすら見える風景ですが、この湖でいったい何が起きているのでしょうか?
米ネバダ州にあるピラミッド湖。大きさは505平方キロメートル。日本最大の湖である琵琶湖が670平方キロメートルですから、それには及ばないものの、かなり大きな湖であることがわかるでしょう。
そんな湖でいま起きているのが、謎の緑色の渦巻き。米国の地球観測衛星・ランドサット9号が捉えた画像でも、湖全体に渦巻きが生じているのがわかります。
この正体は、シアノバクテリア(藍藻)の一種。藍色のどろっとした状態の藻類で、これが湖で大量発生しているのです。しかも、2024年はここ数年で最も活発なレベルで発生しているそう。
一見すると、美しくすら見えるこの藻ですが、地元の人々は「絶対に湖の水に触れてはいけない」と警告しています。というのも、藻の塊が分解し、ミクロシスチンと呼ばれる毒素を水中に放出しているから。摂取すると、皮膚に刺激を与え、腎臓や肝臓に損傷を与えてしまうのです。
ピラミッド湖で藻の大量発生がいつから始まったかは定かではありませんが、長いこと毎年のように生じているのだそう。いま発生中の緑の渦巻きが消えていくまでには、2〜3週間かかるとみられています。
【主な参考記事】
Daily Mail. Nevada lake develops mesmerizing green swirls visible from space – and the disturbing reason behind them. October 30 2024