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メタバースのリアルな「街」ってどうやって作るの? 高まる「リアルな都市データ」のニーズ

  • 2022年7月5日
  • GetNavi web

ここ数年で一気に規模を拡大し、娯楽、ビジネス、コミュニケーションの革命になると期待されている「メタバース」。雨後の筍のように様々なサービスが登場しており、そのジャンルや活用方法もどんどんと広がりを見せています。

 

もともと今回のメタバースブームは、バトルロイヤルゲーム「フォートナイト」やコミュニケーションゲーム「あつまれ どうぶつの森」のヒットがきっかけのひとつと言われています。それもあって、“メタバース空間”と聞くとゲーム作品内の世界を思い浮かべる人も多いと思いますが、最近では現実の都市をリアルに再現したメタバース空間も増えてきています。

 

今年4月にスタートした、世界中のどこからでも秋葉原の魅力を楽しめるメタバース空間「バーチャル秋葉原」はその代表例。

↑「バーチャル秋葉原」

 

ただ、「ゲーム系のメタバース空間」と「現実の都市を再現したメタバース空間」は、作り方が大きく違うといいます。今回は「バーチャル秋葉原」で使用された3D都市データを提供し、直近では丸の内エリアを精密に再現した3D都市データ「街バース」を販売する企業・キャドセンターの担当者に取材。その違いと、現実の都市を再現したバーチャル空間の最前線について伺いました。

↑左から株式会社キャドセンター テクニカルディレクターの秋山一広さんと松本学さん、リアルタイムチームの戸本岳二さん

 

既存パーツを使うか、測量データを使うか

マインクラフトやフォートナイトといったゲーム作品では、ユーザーが自由に街や世界を作ることができるモードが存在しています。こうしたゲーム作品をベースとしたメタバース空間は、用意されたアセット(パーツ)をひとつひとつ組み合わせていくのが基本。一方で、リアルな都市を再現したメタバース空間は違ったアプローチが必要になるといいます。

 

「弊社の場合は、もともと『MAPCUBE(R)』という日本全国の主要都市を3D化したデータがありまして、それを使って都市を作っていくのが前提です」(松本さん)

 

「MAPCUBE(R)」とは、航空測量で計測した高さ情報、二次元のベクトル地図情報と航空写真画像データをもとに生成した地形や建築構造物の3D都市データ。東京都23区や13政令指定都市をカバーしています。このような実際の測量データをもとにメタバース空間を構築していきます。

 

一般的に現実の都市を再現したメタバース空間は、こうした手法で作られることが多いとか。ただし、このデータはあくまで上空からの視点に最適化されたもの。地上からその3Dデータをさらにリアルに表現するためには、さらなる作業が必要だといいます。

 

「実際に現地調査をしてビルなどの外観をよく把握した上で、なるべく似せられるように作り込みをしていきます。ベースが本物の測量データなので、建物同士の実際の位置関係がほぼそのままなのが強みです。オフィスビルの窓の質感なども1枚1枚手作業で調整してリアルさを高めています」(松本さん)

↑キャドセンターが販売する「街バース」のメタバース空間の様子。東京駅の駅舎前の様子や丸の内のオフィス街がリアルに再現されています

 

↑「街バース」では、リアルな都市のなかで自分のキャラクターを動かすことが可能。人の目線の高さの景色が広がるのが新しいポイントだといいます

 

「『街バース』では時間経過の表現も可能です。夜になったら勝手にビルに灯りがつくといった仕込みはしていないのですが、設定することもできます」(秋山さん)

↑「街バース」はUnreal Engineなどのゲームエンジンで動作。クリエイターや企業向けに提供されています

 

ちなみに、ゲーム作品がベースとなっているメタバースで、仮に現実の都市に近いものを再現しようとしたら、「ゼロから測量して、ゲームのマップに統一させるなど膨大な3Dデータを構築する必要がある」そうです。

 

高まるリアルな都市データのニーズ

こうしたリアル都市系メタバースのベースとなっている都市データは、防災や都市計画の観点から都市の最適化を行う「スマートシティ化」の取り組みで、メタバース以外でもニーズが高まっています。

 

国土交通省では全国の3D都市データを整備するプロジェクト「Project PLATEAU」を推し進めていますし、東京都も現実空間の東京をサイバー空間で再現する「デジタルツイン実現プロジェクト」をスタートさせています。

↑Project PLATEAUのサイト

 

「地図データがなければ始まらない」と言われるほど、重要視されている現在ですが、そのデータを活用して民間レベルでどのようなことができるかはまだ模索段階にあります。キャドセンターにもさまざまな問い合わせがあるそう。「多くのベンチャー企業から『一緒に何かやりませんか』と声をかけていただいていますが、具体的に何をしたいかがはっきり見えていない場合もしばしばです」。都市データの利用法のわかりやすいひとつの答えとしてリアル都市系メタバースが注目されているのでしょう。

 

今後、キャドセンターは、「街バース」に新たな都市を追加していき、現実と双子の空間である「デジタルツイン」を深めていく構想を立てています。防災シミュレーションや人流の予測、最適な都市整備といった公的なジャンルから、オンラインライブやバーチャル観光といったエンターテイメントの分野まで、リアルな都市データを持っている強みはますます高まりそうです。

 

「以前、子どもと一緒に、『フォートナイト』で渋谷風に作られた街でかくれんぼしたことがあるんですよ。しゃべりながら、渋谷で追いかけっこしていてるだけでもめちゃくちゃ楽しかった。これがもっとリアルな渋谷だったら、さらに面白いんじゃないかと。子どもたちはすでに遊びのなかで常にメタバースをしていて、その感覚は大人より進んでいると思います」(松本さん)

 

メタバースが日常のなかで当たり前に存在する未来まであと少し……。そのとき、現実とそっくりの双子空間「デジタルツイン」ではどのような体験が待っているのか。楽しみですね。なお、メタバースをリードできるかは「測量データ」と「アイレベル」にある!3D都市データサービス「街バース」で本格化するリアルなバーチャルの記事では、3D都市データを使ったバーチャル空間についてより詳細にレポートしています。

 

●「街バース」の詳細情報はコチラ

●「バーチャル秋葉原」のサイトはコチラ

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