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昔ながらの「グルメ自販機」と何が違う?食のニューカマー「ヨーカイエクスプレス」の味は?

  • 2022年5月17日
  • GetNavi web

近年、ユニークな自動販売機が続々登場していることをご存知でしょうか。ボリュームゾーンとして多いのが冷凍食品で、餃子、ラーメン、カレー、牛丼など様々な料理の自販機が登場。

 

そして最も旬な次世代自販機といえるのが、「Yo-Kai Express(ヨーカイエクスプレス)」です。最大の特徴は、即席ではなくリアルなできたてラーメンを提供すること。発表会に行き、試食のほかにテクノロジーの秘密などをインタビュー。真価をレポートします。

 

↑「ヨーカイエクスプレス」と、「Yo-Kai Express Inc.」創業者兼CEOのアンディ・リン氏

 

1台で最大50種のメニューを提供できる

「ヨーカイエクスプレス」は2022年3月末から、羽田空港と首都高芝浦パーキングエリアで稼働がスタートしています。もう少し振り返ると、2021年11月にオープンした体験型店舗「b8ta Tokyo-Shibuya」では先行して展示され、同店トップクラスの注目を集めていました。

 

とはいえこれらは、日本においての話。もともとは米国シリコンバレーで2016年に創業したフードテックベンチャー「Yo-Kai Express Inc.」が2019年から始めた自販機サービスが「ヨーカイエクスプレス」で、それがこのたび日本上陸したというワケです。

 

麺類のほかに丼ものやデザートも提供し、現地アメリカでは約50か所の設置で20万食以上を提供してきたそう。聞けば、ひとつの自販機に最大50食の料理をセットでき、なおかつ50の料理は1メニュー×50食でも50メニュー×各1食でもOKとのこと。

 

↑アメリカで提供されているメニュー一覧。実はラーメンだけでなく、丼飯やデザートも提供できるのです

 

これは、例えばラーメンなら麺、スープ、トッピングなど一式を丼にセットした状態で冷凍保存し、提供時にはそのメニューに最適なレシピで調理することで実現しているのだとか。なお、現在前述の国内2か所では「東京 Shoyu」「鶏 Yuzu Shio」「札幌 Spicy Miso」「九州 Tonkotsu」のラーメン4種が各790円で販売されています。

 

そして参考までに、アメリカでは一杯12.99ドル(約1700円/2022年5月時点)で多くの商品を販売。メニューによっては20ドルを超えるような企画商品なども提供しているそうです。

 

↑「ヨーカイエクスプレス」では、メニューを選んでキャッシュレスで決済(現金はNG)。ディスプレイには商品の味わい特徴や、栄養価、原材料やアレルゲン情報なども表記できます

 

筆者は「ヨーカイエクスプレス」登場のニュースを初めて見聞きした際、「日本では昭和の時代からラーメン自販機はあったし、例えばいまでも群馬の峠道にある『丸美屋自販機コーナー』では自家製チャーシューのせのラーメンが300円で提供されている。そんなにスゴいことなのか?」と思いました。

 

いまでも個人的には日本遺産のラーメン自販機やうどん・そば自販機などを推したいところですが、「ヨーカイエクスプレス」のスゴさは細かくレシピを設定し、1台で多彩なメニューを提供できるところ。また、自販機内で冷凍保存していたものを90秒でスピーディーに調理できる(日本の旧来型ラーメン自販機は非冷凍)ところも特徴です。

 

90秒で作られたとは思えないリアルなおいしさ

発表会では試食体験もでき、そのなかから「九州 Tonkotsu」を味わってみました。麺は福岡・博多系を彷彿(ほうふつ)とさせる、加水率低めの細ストレートタイプ。スープも博多系のクリーミーで、パワフルなうまみがありながらくさみはない万人向けの豚骨白湯です。

 

↑「九州 Tonkotsu」790円。九州のなかでも、福岡のラーメンをインスパイアしたかのような味わいだと思います

 

イメージとしては、スーパーなどで売っている冷凍ラーメンを家で調理したかのような、できたての味わい。90秒で作られたとは思えないリアル感があり、そのクオリティは想像以上でした。

 

↑麺はほどよくパリッとした、加水率低めのシュッとしたタッチ。スープとのマッチングもいい感じです

 

会場にはその他のラーメンも展示されていました。それぞれを比較してみると、スープはもちろん麺の形状やトッピングも各ラーメンの味わいに沿ったものが採用されていて、こだわりや実力の高さがうかがえます。

 

↑それぞれの麺や肉系トッピングの形状の違いに注目。「札幌 Spicy Miso」の麺は、札幌ラーメンっぽい黄色味がかった中太ちぢれ。また、「東京 Shoyu」の麺には中細ストレートタイプが採用されていました

 

登壇者のなかには、ラーメン業界のカリスマである河原成美氏の姿も。河原氏は「一風堂」の創業者であり、同店運営の株式会社力の源ホールディングス代表取締役社長です。「一風堂」のラーメンは近日中に「ヨーカイエクスプレス」での商品化が決定しており、しかも日本における「ヨーカイエクスプレス」全体の味づくりにも関わっていくと言います。

 

↑河原成美氏。「一風堂」は2008年に海外1号店となる「IPPUDO NY」を開業し、日本のラーメンを海外へ広めた第一人者としても知られています

 

「まずは『一風堂博多豚骨ラーメン』と『IPPUDO プラントベース(豚骨風)ラーメン』を商品化しました。ただ、ヨーカイさんとはほかのメニューもブラッシュアップしていきたいよねという話で、『一風堂』の名前は出ませんが当社がプロデュースをしていく方向で進んでいます」(河原氏)

 

プロデュースをしていくとはいえ、まだその話は動き出したばかり。「ヨーカイエクスプレス」のレギュラーメニューがリニューアルするのは、もう少し先だと河原氏は教えてくれました。

 

「ヨーカイさんが日本で提供しているメニューは、アメリカで出している味とは違い日本独自に作ったラーメンだと聞いています。麺やスープなども独自で調達、開発したものだと思いますが、今後は素材も含めてできるだけ当社が担い、いっそうおいしいラーメンを提供できるようにしたいですね」(河原氏)

 

「一風堂博多豚骨ラーメン」と「IPPUDO プラントベース(豚骨風)ラーメン」は、早くて今年の6月上旬の提供を予定していると河原氏。期待したいところですが、もう一点筆者が強く気になったのが、なぜ90秒という速さで提供できるのかということ。こちらは当日の登壇者のひとりだった、ソフトバンクロボティクス株式会社の柴田暁穂氏(エンジニアリング面からサポートを担当)に話を聞きました。

 

「90秒というスピードは、筐体内のクッキングテクノロジーはもちろん、冷凍の仕組み、容器の素材など、いくつかの組み合わせで実現されています。例えば調理には、電子レンジで用いられるようなマイクロ波ではなく、高度なスチーム調理を採用。また、ベースとなる料理の仕込みや冷凍方法も特別な手法で行われています」(柴田氏)

 

柴田氏は、「ヨーカイエクスプレス」の日本進出は国内スタートアップにもいい刺激になるはずと言います。事実、日本のフードテック事業者は盛り上がっていてテクノロジーもハイスピードで進化中。日本オリジナルの次世代自販機も、いつか登場するのではないかと期待を語ってくれました。

 

発表会のなかでは、高級フレンチの提供も実現可能という話題も出た「ヨーカイエクスプレス」。日本では今後5年で5000台の展開を目指すとのことで、これからも目が離せません!

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

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