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コスト度外視の「炭釜」で「粒」が違う! 三菱の炊飯器50年の集大成「紬」のごはんはどこまでウマイ?

  • 2022年5月20日
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三菱電機はIHジャー炊飯器のフラッグシップモデル「本炭釜 紬(ほんすみがま・つむぎ) NJ-BWD10」を発売すると発表しました(※上海市ロックダウンの影響で発売日は未定)。炊飯容量は0.5〜5.5合で、実売予想価格は12万1000円(税込)です。発売に先駆けて行われたメディア向け事前説明会に参加してきましたので、その模様をお伝えします。コロナ禍により、試食を伴う炊飯器の説明会は本当に久しぶりなので、今年のモデルがどう進化したのか、とても楽しみです!

↑「本炭釜 紬(つむぎ) NJ-BWD10」は月白(げっぱく・写真左)と黒曜(こくよう・写真右)と2色を発売

 

↑外形寸法は、幅261×奥行き314×高さ257(蓋開け時484)mm、質量約5.8kg。前モデルに比べると若干小ぶりになった

 

7年ぶりにフラッグシップモデルをフルリニューアル

実は、業界で始めてジャー炊飯器を開発したのが三菱電機です。ごはんを炊くだけの電気炊飯器と、保温専用の電子ジャーを合体させて発売したもの。1972年のことです。2006年には始めて内釜に炭を採用した「本炭釜」を開発し、業界で始めて実売価格10万円を超える炊飯器を発売。現在まで続く高級炊飯器ブームのきっかけとなりました。

↑1972年に三菱が業界で初めて開発した保温機能搭載ジャー炊飯器「ふた役さん」

 

そして、初代ジャー炊飯器の発売から50周年となる今年。この50年間の集大成として7年ぶりにフルリニューアルしたのが「紬」です。現在、多くのメーカーが圧力IHを主流としていますが、三菱は「本炭釜」導入以降、一貫して圧力をかけずに高火力を引き出すことにこだわってきました。圧力IHで炊くごはんはおおむね柔らかく、もちもちしているのが特徴ですが、本機は圧力をかけないことで粒が立ち、硬めでもちもち、それでいて甘い「もち×あま」ごはんを目指したとしています。

 

「昔ながらのかまどで炊いたごはんは、そもそも圧力をかけていない。お米の生産者も、圧力をかけられることをイメージして品種改良していません。100℃の温度で炊くことを前提にお米づくりがされているのならば、やはりお米に適した1気圧で炊き、羽釜という特殊な構造で吹きこぼれを抑えた連続沸騰、そしてかまどのような断熱構造ですべての熱を余すことなくお米に伝えたい。そうして出来たのが『紬』です」と、三菱電機ホーム機器・販売促進課の松村眞介課長は力説します。

↑「かまどで炊いたごはんを再現するには圧力は必要ない」と三菱電機の松村課長

 

製造コストは金属製の数倍でも発熱性が圧倒的に優れている

それでは、製品そのものを見ていきましょう。まず内釜ですが、今回ももちろん炭を原料とした本炭釜です。従来どおり、約90日をかけて固め、職人が1個ずつ手作業で削り出し、約100日をかけて完成します。

 

なぜ三菱は本炭釜にこだわるのか? それは、IH(Induction Heating=電磁誘導加熱)と炭の相性が圧倒的に良いから。炊飯器の内釜によく使われているステンレスは、どんなに厚みをもたせてもIHの磁力線が0.24mmしか到達しないのに対し、炭は1cm近く浸透。電気抵抗もステンレスの約16倍あり、抵抗が大きいぶん発熱しやすのもメリットです。炭はIHによる発熱性に優れた素材だということですね。

↑本炭釜「紬」の内釜。前モデルから大きく形状が変化しているが、その理由は後ほど

 

↑同じ時間、同じ熱量を加えた時、ステンレス釜(左)は温度ムラが大きいのに対し、「紬」(右)は全体が発熱する

 

炭の発熱性能を証明すべく、説明会の会場にて実験が公開されました。ステンレス、鉄、炭でできた直径160mm、厚さ6mmの円盤を卓上型IHクッキングヒーターでそれぞれ30秒間加熱した時の温度を計る実験です。どれもスタートの温度は約22℃でしたが、ステンレスは30秒後に24℃、鉄は37℃までしか上がらなかったのに対し、炭は100℃を超えました。「金属製の数倍の製造コストがかかるが、炭でしか出せない高火力があり、それが粒感が際立つごはんにつながる」と松村課長。

↑左から、ステンレス、鉄、炭で出来た円盤

 

↑ステンレス(左)は30秒の加熱で2℃ほど上がった24℃程度まで、鉄(中)は36℃を超えるまでしか温度が上がらず。一方、炭(右)は30秒間で100℃を超えた。炭がいかにIHとの相性が良いかがわかる

 

吹きこぼれを抑えたうえ、断熱性能もアップ

この本炭釜の性能を引き出すべく、「紬」は前モデルより火力を約23%アップし、沸騰までの時間を短縮しました。ただ、お米が沸騰するとおネバが大量に出て吹きこぼれが起こります。そのため、多くの炊飯器はIHのオン/オフを繰り返す間欠加熱を行い、沸騰をコントロールしているのですが、三菱はスイッチをオフにしない連続沸騰を実現しています。

 

その秘密は内釜の形。紬で採用している本炭釜は段差を設けることで従来よりも泡を消す効果が高くなり、さらに間口が広くなったことで急速沸騰による吹きこぼれを抑制できるようになりました。

↑前モデルより火力アップし、急速沸騰を実現

 

↑急速沸騰による吹きこぼれを抑制するため、「紬」では内釜の内側に段差を設けました

 

さらに、本体に3層の断熱材と2層の空気層を設け、本炭釜の熱を外に逃さないようにすることで高火力を維持できるようにしました。これらの結果、ごはん一粒一粒がしっかり粒立ち、噛みごたえがあって甘みが凝縮した、もっちりごはんが炊きあがるとのこと。

↑本体側面に3層の断熱材と2層の空気層を設け、熱を逃さず効率的に高火力を引き出す

 

↑「紬」のカットモデル。内釜の側面を断熱材と空気層が取り囲んでいるのが分かる。上部のふたの部分にも断熱材と空気層が入っている

 

粒立ちが良く、おかずと調和するあっさり味

それでは実食してみましょう。まずは冷やごはんから。冷やごはんでもパサつきはなく、適度なしっとり感がありながら、粒が立って噛みごたえを維持しています。甘みは強くなく、控えめ。主張の強いごはんではないので、海苔巻きおにぎりに合いそうです。おにぎりの具も引き立ててくれそう。

↑冷やごはんでもツヤがあり、粒感が残っていて噛みごたえを維持していました。味は比較的さっぱりめ

 

続いて、炊きたてのごはんも食べてみました。確かに粒立ちが強く、口の中に入れるときれいにバラけるので、お米一粒一粒の味をしっかり味わえます。味のほうは比較的さっぱりで香りも控えめ。おかずの味を邪魔せず、むしろおかずを引き立てくれるごはんといえます。これだと複数のおかずと一緒に「三角食べ」する際に、前のおかずの味をリセットして次のおかずの味を楽しめそう。おかずが進むごはんといえるでしょう。

 

また、粒が立ってちょっと硬めの食感は、汁気のある料理、例えば卵かけごはんやカレー、親子丼などの丼物、肉じゃがなどの煮物などに合うはず。粒が崩れづらく、調味料も絡みやすそうなので、チャーハンやチキンライスにしても相性が良さそうです。

↑甘さ控えめ、香り控えめでさっぱり系の味はおかずをよく引き立てます。三角食いするとおかずが止まらない! 卵かけごはんが食べたくなる味と食感でした(笑)

 

↑説明会で提供された「彩り魚介の手まりすし」(右)は酢飯でもビチャッとせず、粒感があって酢と具材の味を引き立てます。握っているのに、口に入れるとパラッとほどける感覚は新鮮

 

この日、ゲストとして登壇した宮城県唯一の五つ星お米マイスターであり、三菱電機とともに水田でオリジナル米作りに尽力している佐藤貴之さん(高機能玄米協会理事)も、「日本食は、ごはんとおかずを交互に食べる、世界に類を見ない口中調味文化。口中調味でおかずを引き立てるごはんとは、おかずに負けることなく、バランスよくおかずの味と調和する粒のしっかりしたごはんである」とし、まさに「紬」が目指すものこそ、日本食文化に合った炊飯であると太鼓判を押します。

↑宮城県唯一の五つ星マイスター、佐藤さんも本炭釜を使い続けるほどの三菱ファン

 

なお、新製品はお手入れ面でも進化しています。部品点数を減らして洗い物は内釜と内ぶた1枚のみとし、洗いやすさを追求。内ぶたの重量も前モデルより約42%軽量化して約171gに軽くなっています。さらに、炊飯器のフレームをフラット化して、こぼれ落ちたごはん粒や汁を拭き取りやすくしました。なお、ふた開きボタンにはSIAA認定の抗菌処理を施しているのも特徴です。

↑洗うのは内ぶたと内釜の2点のみ。内ぶたは実感として本当に軽い

 

↑内釜周りのフレーム部分はフラットな構造で、汚れを拭き取りやすい

 

↑家族全員が触るふた開きボタンはSIAA認定の抗菌処理

 

最近は小麦粉の輸入価格が跳ね上がっていることで、お米が見直されています。毎年のように新しいブランド米が生まれ、ネット通販で全国のさまざまなお米が簡単に楽しめるようにもなりました。同様に、「ごはんのお供」の取り寄せも話題になっていますよね。その点、三菱電機50年の集大成「紬」なら、これらの米とおかずの魅力を存分に引き出してくれるはず。家庭で使ってみたらどうなるだろう…‥ぜひ、毎日使ってみたい! と思える仕上がりでした。

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