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持ち家でも賃貸物件でも必須!「家財保険(火災保険)」の基礎知識

  • 2022年3月11日
  • GetNavi web

家を購入する際に加入する「火災保険」。持ち家ならば、自分に資産を守るために当然ですが、では賃貸物件では? 賃貸の場合、契約の条件として「家財保険」への加入が求められるケースが多いはず。「引っ越しにかかる費用を減らしたいんだけど、家財保険ってそもそも必要?」「どんなプランを選ぶべき?」「なるべく安く抑えるコツは?」など、家財保険の基本的な知識と賢い選び方について、保険相談サロンFLPのファイナンシャルプランナー・實政貴史さんに教えていただきました。

 

「家財保険」とは?「火災保険」とどう違う?

住まいの損害に備える「火災保険」。文字通り、火災に遭った際の損害はもちろんですが、台風や水害などの被害、さらに盗難など、さまざまなリスクに対応しています。

 

「家財保険」とは、その一部。持ち家ならば「建物」と「家財」の両方を補償の対象とした火災保険に加入しますが、賃貸物件では、所有者が建物を補償対象とした火災保険に加入しているので、借り手は自身の家財の損害に備え、「家財保険」に単独で加入することになります。では、その“家財”とは?

 

「家財保険の対象となる“家財”は、ベッドやソファなどの家具、テレビや冷蔵庫などの家電だけではなく、衣類や台所用品、化粧品なども含みます。引っ越しのときにトラックに積み込む荷物の、ほぼすべてだと捉えてもらえるとわかりやすいでしょう。

『自宅には高額なものはない』『ふたり暮らしで物は少ないから』などと感じる方もいると思いますが、家財一式となるとけっこうな金額になります。家財保険に加入していれば、自然災害や事故などで発生した損害に対して保険金を受け取ることができ、家財を修理・買い替えすることができます」(ファイナンシャルプランナー・實政貴史さん、以下同)

 

自分のためだけじゃない!「家財保険」に加入する意味は?

保険とは、万が一のときに備えて加入するもの。しかも「家財保険とは、自分のためだけに加入するものではない」と、實政さんは言います。

 

家財保険の補償は、主に次の3つ。

1.基本補償
自然災害や事故などによる家財に対する補償

2.基本的に必ず付けるオプション補償
賃貸中の住居の破損時などに生じる“大家さんに対する損害賠償責任”をカバーする「借家人賠償責任補償」

3.主なオプション補償
他人にケガをさせたり、他人の住居に被害を与えたりした場合に生じる“第三者への損害賠償責任”をカバーする「個人賠償責任補償」

 

「賃貸物件の契約の際に家財保険への加入が必須になるのは、2つ目の借家人賠償責任補償が必要だからです。これは、入居者が賃貸借契約上の『原状回復義務』を果たす必要があるため。原状回復義務とは、借りた賃貸住宅を返すときに、借りてから生じた傷や汚れ(経年劣化は除く)を回復させる義務のことをいいます。火災が発生した、水漏れを起こして床の張り替えが必要になったなど、賃貸住宅に損害が発生した場合、入居者には大家さんに対して法律上の損害賠償責任が発生し、高額な賠償金を求められる場合があります。家財保険に借家人賠償責任補償を付けることで、それに対し、保険金でカバーすることができるのです」

 

家財保険で家財の補償がされる“自然災害”は意外と広範囲。例を挙げていただきました。

・火災、落雷、破裂・爆発
例=ガス漏れによる爆発で食器類が割れた。

・風災、雹災、雪災
例=台風で窓ガラスが壊れ、パソコンが損害を受けた。

・水災
例=台風による洪水や土砂崩れで床上浸水をし、ソファが水浸しになった。

・建物外部からの物体の落下、飛来・衝突など
例=自動車が飛び込んできて、ソファが壊れた。

・漏水などによる水濡れ
例=給排水管からの水漏れで、ベッドが水浸しになった。

・騒擾(そうじょう)、集団行動等に伴う暴力行為

例=近所で暴動があり、投げられた鉄の棒が窓ガラスを割ってリビングのサイドボードを破損した。

・盗難による盗取、損傷、汚損
例=泥棒が侵入し、テレビやオーディオ機器を盗まれた。

 

火災が起きたらどうなる? 家財保険未加入の場合の費用負担

賃貸物件では、トラブル回避のために基本的に家財保険の加入が必須条件となります。では、家財保険に加入しなかった場合、どのような損害が起きる可能性があるのでしょうか?

 

「もし家財保険への加入をせずに、火災で賃貸物件がすべて消失してしまったら……まずは、家財を購入し直す際、すべて自費になります。ソファやテーブルなどの家具・家電、衣類や身の回り品のほか、ゲーム機やステレオなど、すべての金額を足していくといくらになるでしょうか? 大人2人・子ども1人の家庭でもおよそ1000万円くらいの家財があると考えられます。さらに、賃貸物件そのものについては、大家さんに対して法律上の損害賠償責任を負い、賠償金を支払うことになります。家財の新調と住居の復旧工事の負担額は、数千万円にのぼる可能性もあります。これをすべて自己資金で負担するというのは、現実的ではありません」

 

家財保険の具体的な補償内容は? オプションは付けるべき?

上で説明した家財保険の主な3つの補償対象のうち、家財の損害に対する補償が基本補償で、大家さんに対する損害賠償責任である「借家人賠償責任補償」や、第三者への損害賠償責任である「個人賠償責任補償」は特約(オプション補償)です。とはいえ、借家人賠償責任補償は賃貸住宅の場合、基本的に付ける必要があります。一方、第三者への補償は?

 

「個人賠償責任補償を付けるかどうかは任意です。例えば、火元となった火災が隣の部屋にも延焼してしまった、水漏れで階下の住人に被害を与えてしまった、などの場合に補償されますが、ほかにも、買い物中に展示されている商品を壊してしまった、お子さんが自転車運転中に他人にケガをさせてしまったなど、日常生活において、自分自身だけでなく、家族が偶然の事故によって法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害も補償するというもの。加入している自動車保険に個人賠償責任補償が付いていたり、すでに自転車保険(個人賠償責任補償とけがや死亡の補償がセット)に加入していたりする場合、家財保険にも付けると重複して加入することになります。この保険は実損額しか補償されないため、保険料の無駄になってしまいます。

 

補償額が高額になり、補償範囲が広いほど保険料は上がるので、賃貸契約時に不動産屋さんから勧められるプランを参考にし、ウェブの試算や保険相談の窓口も活用しながら、内容を検討していくようにしましょう」

【参考】簡単1分で! 保険料クイック試算

 

注意! 地震や津波の被害は補償対象外

地震や噴火、津波などの自然災害は、家財保険だけの加入では補償対象外ということは知っておかなければなりません。

 

「『地震保険』に加入していないと、地震・噴火またはこれらによる津波、地震による火災により生じた損害については補償の対象となりません。地震保険は単独での加入はできないので、家財保険にセットして地震保険に加入するようにしましょう。ただし、地震保険をプラスすれば当然、保険料が上がります。補償内容と保険料の上乗せ金額を計算しながら、自分に合うプランを検討しましょう。

ちなみに、家財保険と地震保険の両方に加入しても補償対象外となるものもあります。自然劣化や経年劣化による損害、寝タバコや天ぷら油からの出火、ストーブをつけっぱなしによる引火などによる重大な過失、故意の損害、戦争や内乱による損害などは補償の対象外です」

 

自己負担とのバランスで考える、自分に適した家財保険の選び方

賃貸住宅入居時の家財保険は、賃貸条件に合う借家人賠償責任補償を満たせば、それ以外は自分でプランを選んだり調整したりすることができます。

 

「まず、家財保険金額については、年齢や家族構成に合わせて同等のものを新たに購入するために必要な金額の目安が設定されています。それを参考に、ご自身に必要な補償額を算出していきましょう。家具や食器、絵画や本など、なにか特別にこだわってコレクションしている方や、衣類やアクセサリーなどにお金をかけている場合は、補償額を少し多めに設定した方がいいかもしれません。

細かい話ですが、『免責金額』を設定することで保険料を安くすることもできます。免責とは、ご自身で設定した金額までの損害については保険金を受け取れず、自己負担をするというもの。免責金額が大きいほど、保険料は安くなります。

次に、補償内容が広いほど保険料が高くなります。特に水災の補償は保険料が高いので、付けるかどうかを慎重に検討しましょう。川や海から離れた場所に住んでいたり、マンションの高層階に住んでいたりする場合は、水災の補償を外すことを検討してもいいでしょう。また、地震保険を付けると保険料は約2倍になると考えておいてください。

保険期間については、長期契約であれば割引が適用されますが、1年もしくは賃貸契約期間に合わせて2年にするのが一般的です」

 

オプションについてはどうでしょうか?

 

「借家人賠償責任補償は2000万円というのが相場で、1000万や3000万というプランに調整することもできます。個人賠償責任補償の補償額は1億、3億、無制限などのプランがあり、保険料は月々100〜300円程度なので、加入しておいたほうがいいでしょう。さらに、その他特約の有無を決めていきます。同様の補償内容でも保険会社によって保険料が異なることは多いので、複数の保険会社から家財保険の見積もりを取ることをおすすめします」

 

保険料を振込ではなくクレジットカード払いにすれば、「Tポイント」や「楽天ポイント」など、ポイント加算を受けられるといったお得も。不動産会社や大家さんの提案するプランのほか、自身でもプランを検討してみて、安心で無駄のない備えをしましょう。

 

【プロフィール】

保険相談サロンFLP ファイナンシャルプランナー / 實政貴史(じつまさたかし)

15年以上の保険業界経験で得た知識を活かし、保険相談サロンFLPサイトの記事を執筆。保険相談サロンFLPのYouTubeチャンネルでは、さまざまな保険情報の解説、毎日新聞ライフコンシェルジュ生活の窓口などでセミナーも行う。保険相談サロンFLP公式サイトのプロダクトマネージャー(運営責任者)を務める。
・HP=https://www.f-l-p.co.jp
・YouTube
・プロフィール詳細


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

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