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「遺品整理サービス」に活路! 遺品整理品のリユースビジネスを開拓する「リリーフ」インタビュー

  • 2022年6月17日
  • GetNavi web

【掲載日】2022年6月17日

 

少子高齢化社会が進むいま、終活にまつわるサービスを展開する企業が増えています。そのなかでも参入企業が増えているのが、「遺品整理サービス」です。引き取り手のない故人の遺品を整理するというニーズだけでなく、介護施設への入居前に生前整理を考える人にとっても関心の高いサービスとなっています。

 

そんな数ある片付けサービスを扱う企業のなかでも、兵庫県西宮市に本社を置く「株式会社リリーフ」は業界でも存在感を強めています。東名阪だけで年間4000件もの片付け実績を誇るだけでなく、引き取った中古品を自社で海外に輸出するという試みをしているのも、他社とは一線を画する理由です。今回はリリーフ社長の赤澤氏に、海外における中古品の海外輸出事業や、これからの片付けサービスの課題について聞いてみました。

 

●赤澤 知宣/株式会社リリーフ代表取締役社長。1987年兵庫県生まれ、関西学院大学卒。大学卒業後、機械部品メーカーにて営業職で勤務し、2014年(株)リリーフ入社。お片付けサービスから出てくる家財を活用するため、海外リユース事業を立ち上げ。2020年よりお片付け事業と海外リユース事業を統括し、リユースを強みとした整理会社としてゴミ削減に貢献。大手法人や、行政との連携など積極的に取り組む。2022年4月より現職。

 

市民の声を受けて遺品整理事業をスタート

 

――まずは株式会社リリーフの成り立ちをお聞かせください。

 

赤澤 弊社は1953年に創業されたグッドホールディングス株式会社のグループ企業となっています。グループ内には株式会社大栄という西宮市のゴミ収集を行う企業があり、市民のゴミ回収事業をメインとしていました。

 

この大栄で、2010年頃から遺品整理や孤独死に関する片付けの相談が寄せられるようになったのがリリーフ創業のきっかけです。ゴミ収集事業の延長としてももちろんできますが、今後社会問題になってくるというのは予測できたので、2011年に遺品整理専門の会社として設立するに至りました。

 

――遺品整理と一般的なゴミ収集では何か違いがあるのですか?

 

赤澤 大掃除は増えすぎたものを減らすという視点ですが、遺品整理は遺族の方がその家に住んでいた場合もあるので、思い出に区切りをつけるといったことが必要です。そうなると、我々が「じゃあ捨てますね」と単純に処分するわけにはいきません。

 

業務としては引っ越しとほぼ同じで、相談の連絡が来て、見積もりのために訪問し、後日作業をするといった流れです。ただし、引っ越し業者と違うのは、弊社は見積もりと作業を同じスタッフがする点ですね。遺品の整理はお客様から細かいリクエストがあったり、デリケートな内容だったりするので、できるだけミスが起きないよう注意しています。

 

 

お客様からは全部処分してほしいと言われるものの、押し入れから思い出の品が出てくることがほとんどです。こちらが察して「残しますか?」と確認するなどの気配りが必要なので、ノウハウだけではどうにもならない部分があるのも確か。スタッフが少しでも経験を積めるように、長く雇用することは意識していますね。

 

――経験がものを言うというのはなかなか大変ですね。

 

赤澤 そうですね。ただ、スタッフの経験が役立つことは多々あります。遺品整理はご家族が離れて住んでいて実際に立ち会えないこともあるので、あらかじめリクエストいただいた遺品を後日まとめてお渡しするのですが、スタッフが指示のなかったカバンを遺品のなかに入れたことがあったんです。受け取ったお客様が、「実は妹がプレゼントしたカバンがあったのですが、残してほしいと伝え忘れていたんです」とおっしゃっていて、まさにこれは経験のおかげだと思っています。

 

――遺品整理サービスを展開するうえでの難しさはありますか?

 

赤澤 業界時代が新しく、業界のモデルとなる会社をイチから作り上げていく必要があるので、何もかもが手探りでやっている状況です。サービス開始当初は、「遺品整理」という言葉も一般的ではなかったですし、まずは自分たちがどんなことをしているのかといった説明が必要でした。

 

とはいえ、設立当初に比べると弊社の認知度は上がっています。いまは東名阪メインで年間4000件の依頼があり、ありがたいことに依頼は年々増えています。

 

株式会社リリーフ 年度別依頼件数 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
1600件 2000件 2500件 2700件 3600件 5500件

 

弊社のサービスにご満足いただけているのはもちろん、大前提として、死亡者数が年々増えているのに高齢化率が上がっていることも依頼が増えている大きな理由だと思っています。高齢化率が低ければ、故人の片付けは身内でできていましたが、高齢化が進むことで片付けできる人がいないといった事態が起きているんです。ご家族が亡くなられて何をしていいかわからないというときに、適切なアドバイスを適切な価格で受けたいというニーズは年々高まっているでしょうね。

 

環境的な負荷とコストを下げるために遺品を輸出

――遺品の海外輸出を始められたきっかけを教えてください。

 

赤澤 ご遺族はすでに別の所帯を持たれているので、遺品は大部分を処分することになります。しかし、家のものを丸ごと処分するには物が多く、環境的な負荷もかかりますし、処分するためのコストもかかるのが課題でした。

 

どうすれば再利用できるのかを考えていたときに、知人から海外でのリユース事業について教えてもらったんです。実際に海外視察をして2011年に事業を明文化し、2014年には本格的に海外輸出をスタートしました。

 

――海外輸出事業の内容を具体的にお聞かせください。

 

赤澤 現在はフィリピン、タイ、カンボジアといった東南アジアをメインに輸出しています。仏教徒だからか、価値観が近いので受け入れられているのだと思います。また、日本から近いので輸送コストを押さえられるのも強みです。弊社は輸出までを自社で請け負っており、現地のリサイクルショップなどの雑貨店に卸させていただいています。10トン弱積めるコンテナを月に10〜15本送るので、年間にすると1200〜1500トンを輸出している計算です。

 

衣類や紙は国内でリサイクルに回すのですが、それ以外の家具や食器、文房具などあらゆるものを輸出しています。日本のものはクオリティが高いので、いずれの国でもよろこばれているようです。とくにキッチン用品やおもちゃ、工具などは需要が高いですね。

 

現地での販売の様子(提供:リリーフ)

 

数多くの食器類を輸出している(提供:リリーフ)

 

人形などのおもちゃもニーズが高い(提供:リリーフ)

 

――ほかにもこうした海外輸出事業を展開されている企業はあるのでしょうか?

 

赤澤 あるにはあるのですが、貿易会社と組んでやっているところが多いようです。弊社が自社だけでやっているのは、この事業を伸ばすことが「社会貢献」になるという意識があるからです。自社でやるとコントロールはしやすいぶん、リスクも大きくなるのですが、そこにあえて挑戦しています。

 

海外輸出事業を始めたことで、ゴミを処分するだけの会社ではないというイメージがついたのは良かったと思っていますね。思い出のあるものをリユースしてもらえるならと手放す方が思いのほか多いんです。家族が大切にしていたものが「捨てられるのではない」というのがわかるとよろこんでいただけます。

 

社会貢献を意識した遺品整理サービスとは?

――今後の遺品整理サービスにはどんな課題があるとお考えですか?

 

赤澤 もともとグッドホールディングスは、ゴミ回収業者というよりも、環境系ビジネスとして事業を展開していました。ゴミを減らそうという考えだったのです。「ゴミを減らすなんて仕事を減らすのでは?」という声もありましたが、結果的に賛同者が増え、仕事も増えました。

 

ゴミの量を減らすには、リユースやリサイクルが必要です。これが進むことで片付けにかかる費用も減らせるので、そうなると日本の「空き家問題」も解決できるのではと思っています。

 

 

空き家は物が片付けられていない状態なので、行政がなかなか取り壊せないんです。取り壊すとゴミが増え、その処分に費用もかかります。あらかじめ空き家の整理を弊社が請け負えれば、スムーズに取り壊しができる。そうすれば空き家も減るはずです。

 

ただ、そうなるには、リユースをさらに進める必要があります。片付けが増えれば、海外でリユースできる商品も増えます。そうなると、それを卸す先も増やさなければなりません。出荷量や出荷先を増やすというのはこれからの課題のひとつです。

 

弊社では収益の一部を「チャイルドドリーム」というNGO団体に寄付しています。これは、海外にものを売ってリユースできているという側面があるからこその社会貢献活動だと考えています。さらに、海外の支援をすることで、その子どもたちが育ったときにリユース品を手にしてくれる機会が増えるといいなとも思っています。

 

 

――現状、リユースできていないものはこれからもゴミにするしかないのでしょうか?

 

赤澤 いえいえ、これも仕組みづくりが必要なんです。遺品のなかには少し修理すれば再利用できる家具や家電がたくさんあります。現状はこういったものは処分するしかないのですが、今後は修理してリユースできないかなと模索しているところです。

 

――今後の展望をお聞かせください。

 

赤澤 片付けをすることで社会貢献につながるという仕組みを確立したいですね。社会課題をビジネスで解決することをホールディングスとしても掲げているので、リリーフとしても目指したいところです。

 

国内でもなかなか遺品整理サービスのイメージを確立できていないので難しいところではありますが、日本だけでなく海外でも高齢化が進んでいくと予想されています。諸外国でも同じような社会問題が出てくることを考えると、海外でも遺品整理サービスをフランチャイズ展開する可能性はあるのかなと思っています。そのニーズが出てくるまでは、国内での認知度を高めていきたいです。

 

また、海外を視察して感じるのが、日本のゴミ処理技術の高さです。海外は道路はきれいでも、そのゴミを郊外の処理場に投げ捨てており、そこで暮らすような子どもがいます。弊社はJICAと提携していて、海外から事業視察に来ることがあるのですが、ゴミ処理に関しても海外で事業を展開できるといいですね。

 

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