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[コイワザクラ]岩の隙間に可憐な姿|サクラソウ科サクラソウ属

  • 2018年4月14日
  • エバーグリーン

今回は、山や渓谷などで見られる「コイワザクラ」を紹介します。サクラソウ科サクラソウ属の多年草で岩場に自生します。温帯上部の日本では本州(関東地方西南部・中部地方南部・紀伊半島)に分布しており、花の時期は5月です。

岩場に自生するコイワザクラ

岩場に自生するコイワザクラ

岩場に自生するコイワザクラ

岩場に自生するコイワザクラ

 

写真のように岩の隙間などに生えることが多く、西沢渓谷ロ-ドでは目線より上にあるため見過ごしやすいので、地元の人でも気づかない人がほとんどです。

  • 根元から花、葉とも長い柄を付けており、花は1〜5個で散らばるように伸びます。
  • 柄の長さは花が5〜10cm、葉が3〜10cm になります(花の方が高いです)。
花は散らばるように咲きます

花は散らばるように咲きます

 

  • 花冠は紅紫色(花の喉に当たるところは淡橙黄色)で高い杯形をしており、径1.8〜2.5cm。
  • 筒部の長さは8〜10mmあります。
  • 花冠の下の苞(ほう)は披針形(ひしんけい:細長く、基部がやや太い)で、萼(がく)はなかばまで5個に裂けています。
コイワザクラ花部

コイワザクラ花部

 

  • 葉っぱは数枚が束状に生えます。柄の色は白色と赤色とがありますが、乾燥すると赤味を帯びた縮れた軟毛が生えてくることから赤く見えます。
  • 葉身は円形又は楕円形で径が1.5〜4cmですが、実を付ける時期には5〜7cmまで大きくなります。
  • 葉の基部は心形で、縁は浅く7〜9列に裂け、その先はさらに尖って3〜5個に裂けます。
  • 葉の両面には軟毛が生えています。

 

「コイワザクラ」の仲間には「クモイコザクラ」「ミョウギコザクラ」「チチブイワザクラ」などがありますが、葉の形が少しずつ違うことでその土地の名前が付いているのです。それらの違いを見付けるのも楽しそうですね。

ちなみに日本全国のサクラソウ属は「サクラソウ」「クリンソウ」はじめ、北海道から九州まで20種以上あるといわれています。なかでも「ハクサンコザクラ」は有名です!  しかしながら低地でお目にかかれるのは数種のみで、ほとんどが高山または険しい岩場に自生していますので、見に行くにはある程度の体力が必要でしょう。

 

西沢渓谷でも「コイワザクラ」の群生に出あうためには、少し勾配のキツイ岩場道を歩く必要があります。距離にして約3km、普通の歩き方で1時間程度です。少し汗をかいた後に、渓流へ迫り出した岩の斜面の隙間に咲く可憐な花を見付けた時の感動は格別ですよ!

ただし、この場所は岩場を削って造った道で幅が狭いので、ほかのお客さんにも配慮しましょう。

 

すぐかたわらに渓流がある岩場道なので足元やセセラギに注意が向いてしまいがちですが自分のペ-スでゆったり歩きながら「コイワザクラ」を見付けてください。小さく可憐な花を愛でることはもちろん、葉っぱや柄に優しく触れて楽しんでください。新しい発見がきっとありますよ。

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))

花は散らばるように咲きます

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