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同姓同名の人だけが集まる 「タナカヒロカズ」さんだけの集会

  • 2022年11月15日
  • イベニア

 ネットでエゴサーチをすると、自分と同姓同名がヒットすることがあります。では、自分と同姓同名の人に実際に会ったことはありますか? そして同姓同名を数えたら何人になるでしょう? 

この疑問に答えるような「タナカヒロカズ運動」の全国大会が渋谷・東京カルチャーカルチャーで行われました。

■「世界最多」のタナカヒロカズさんは集まるのか?

発端は1994年。田中宏和さんが偶然同じ名前の人を知り、興味を持ったことから始まります。その後インターネットの普及から情報が集まり、田中宏和さん同士が交流するなど、田中宏和運動が動き出しました。

2011年には71名、2017年には97名の田中宏和さんが実際に集合。この人数はギネス記録かと思われましたが世界記録はアメリカの164名と判明し、残念ながら幻となってしまいました。

今回、コロナ禍や紛争で沈む世の中を元気づけるべく「タナカヒロカズ運動 2022全国大会」が開催されました。

ギネス記録の条件は「ローマ字表記が同じなら漢字は違ってもOK」というルールで世界記録も見えてきました。

■タナカヒロカズさん達のまったく違うパーソナリティ

開催当日。街全体がハロウィンムードの渋谷の会場へ、通路に溢れ出すくらい大勢の人が集まってきます。

通し番号のゼッケン着用で人数カウントが行われます。それでも確認するのが一苦労なくらい広い会場は満員。集会を記念して作られたオリジナルTシャツ販売にも、長蛇の列ができていました。
 
ステージでは、ほぼ幹事の田中宏和さんが到着者を順次紹介中。同姓同名を区別するため、「ほぼ幹事」の田中宏和、「渋谷」の田中宏和など、わかりやすいニックネームがつけられます。

待っている間にインタビューを敢行しましょう。まずお話を伺ったのは「脳科学」の田中宏和さん。

突然メールが届き、集まりを知ったのがコロナ前の2019年。そのため、実際に集まる場への参加は今回が初めてだそう。ここまで集めるスタッフのかたの熱量がすごいと絶賛していました。

オリジナルTシャツをさっそく着ていたのは、約10年前から参加している「花祭り」の田中宏和さん。周りから背中を押されて初参加したタナカヒロカズさんと、どんなニックネームになるだろうねと談笑していました。

周囲からの「せっかくだから目立つ格好で」の声に従い、真っ赤なスパンコールの目立つ衣装を着ていたのは「足もみ」の田中宏和さん。実は会社の社長でもあるそうです。

スタッフをしつつ参加のかたも多くいます。「WEB」の田中宏和さんと「レコード」の田中宏和さんは、数名程度で始まった頃からのメンバーとのこと。

「居酒屋に集まり、最後に全員が“田中宏和”で領収書をもらい混乱させた」という初期ならではの笑い話、ここまで大きくなった会への感慨、そして今日で終わりではなくナンセンスのままで継続してほしいという思いを伺いました。

(次ページへ:果たして、タナカヒロカズさんたちはギネス記録達成できるのか?)
■世界記録なるか? 運命のカウント

途中、入口から歓声と拍手があがります。世界記録の164人を超える165人目のタナカヒロカズさんの到着です!

周りからは「到着順が違うだけで、僕も同じ名前なのになぁ」との苦笑いも聞こえてきました。確かに(笑)。

暫定的に世界記録ですが、正式なギネス認定は同じ会場に全員が5分間いることが条件です。認定を目指すため、別フロアの映画館へ移動します。

客席数は200。前から一列、また一列と、タナカヒロカズさんだけで座席が埋まっていきます。最前列はメディア関係者(新聞やテレビはもちろん、海外のマスコミも来ていました!)スペースのため、ギッシリ埋まると記録更新です。

待機中の「庶務」の田中宏和さんと、「仁徳」の田中宏和さんにインタビュー。嬉しくてワクワクする気持ちと同時に、「座っているだけで世界記録を貰えるとは」という棚からぼたもち的な感情もあるそうです。

きちんとロープが張られ、チェックとカウントがスタート。いよいよ世界への挑戦です。

5分の計測が終わり結果発表です。現行の世界記録164人に対し、今回集ったタナカヒロカズさんの数は、なんと……178人!

大幅な記録更新に、拍手・歓声・ガッツポーズ・そしてその様子を撮影するタナカヒロカズさん達で会場は大盛り上がりです。

■同姓同名の人が集まる楽しさって、何だろう

達成後は、懇親会に向かう人もいれば、談笑する人もあり。18歳と20歳という若者同士からは「変な気持ち。でも居心地がとてもいい」「さらに若い世代にもタナカヒロカズの名前が広がってほしい」との話があがっていました。

一方、受付スタッフを務めていた上の世代からは「なんとなくの連帯感」がタナカヒロカズ運動の魅力との話がありました。

同じ名前というだけで、地域や世代を超えて話が弾むのはまずない体験。若い世代に対しても「親戚のおじさん」のような距離感だそうです。

「職業も経歴もさまざまだから、どんな相談にも乗れるし、他人事とも感じない。まるでひとつのコミュニティーのよう」とのお話でした。

印象的だったのが「ミニバン」の田中宏和さん。コロナウィルスのため50歳で亡くなられたそう。しかし、この会がとても好きだった意思を継ぎ、今回は大阪からご家族の方々に参加していただくことができました。

大勢のタナカヒロカズさんが言葉を掛ける中で、「まるで息子がこの会へ招待してくれたよう」としみじみお話される姿が印象的でした。

「ほぼ幹事」の田中宏和さんによると、今回の世界記録達成で終わりではなく、今後も続けていくとのこと。たとえば女性のタナカヒロカズさんも探したいなど、夢はまだまだあるようです。

「同じ名前、ただそれだけの繋がり」という集まり。ある意味くだらなさも感じますが、同時に緩やかでありつつも熱い繋がりを目の当たりにし、正直うらやましさも感じました。今後のタナカヒロカズさんたちの広がりが楽しみです。

(イベニア/高柳優)

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