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パリにビーチがやってくる

  • 2003年8月25日
  • 緑のgoo編集部

パリにビーチがやってくる

 フランス人の夏といえば、誰でもバカンスを連想されるだろう。
 でも、この不況の中、バカンスに行けないフランス人だって少なくない。緑の多い田舎で夏を過ごすのはいいが、パリなどの大都会での夏は厳しく不快だ。なんとか、パリの夏を心地よいものにしたいとパリ市長が考えだしたのが……。


パリにバルネエール(海辺)を!


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昨年好評だったパリ・プラージュが、今年はパワーアップして戻ってくることになった。

 パリ・プラージュとは、セーヌ河の岸に砂を敷き、浜辺に変えて楽しんでもらおうという夏休みの企画。エコロジー贔屓で知られるパリ市長のベルトラン・ドラノエ氏が自ら考案したプロジェクトだ。もちろん、排気ガスの中の浜辺なんて無意味なので、浜辺近辺の道路は通行禁止になる。

 「誰もが憧れるバカンス・バルネエール(海辺のバカンス)に出かけられないパリジャンのため」、というのがドラノエ市長の弁。



数々のレクレーション


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 昨年は、230万人を動員させて大成功のうちに終了した。今年は、7月20日から、8月の17日までの4週間。演出家は、昨年と同じ、36歳のジャン=クリストフ・シャブレ氏。今年は、チュイルリーのトンネルからアンリ4世橋までの右岸3キロ半を浜辺会場にあてる。市庁舎前の広場にも砂が敷き詰められる予定だ。

 パラソルの下、水着でシエスタをする人もいれば、ビーチ・バレーや噴水で遊ぶ子もいる。ローラースケートも人気だ。でも、大人たちが楽しむのは、夜。30以上もののコンサート、フレンチ・ジャズのジャンゴ・レインハルトへのオマージュのためのミュゼットやガンゲット(河岸で飲んで踊れる船乗りたちの習慣)、パーティーなどのレジャーも用意されている。

 その他のレクレーションとして、太極拳、アスレティック広場、浜辺で読書をしたい人のための図書の貸し出しなど、盛り沢山だ。

 今年の砂は、去年の3倍の3000トン! 折り畳み式デッキチェアは300個、パラソルは240個、日光浴チェアは250個、40ものハンモックが用意される。浜辺には24時間アクセスできるが、催しものは、朝の9時から夜の10時半まで。



ここがパリっぽい!


 今年のパリ・プラージュの総予算は、150万ユーロだという。日本円に換算すると、2億円以上! 去年のパリ・プラージュの成功を確認したスポンサーが今年は現れ、総予算の1/2を提供するという。しかし、「このパリ・プラージュは、決して商業的なものではない」とドラノエ市長は言う。スポンサーの名前があちこちに目につくような企画にならないように細心の注意を計り、スポンサリングする企業に「控えめに」してもらうことを勧告しているというのだ。「コマーシャルの匂いがする企画にはしたくない。できるだけ、パリ・プラージュの独立性を保ちたいので、パリ・プラージュ独自の商品(Tシャツや帽子など?)を開発してやりくりをしていく予定」というのが、市の主張だ。

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 フランス人たちは、アメリカや日本の親たちと違って、子供たちの柔軟な頭に、特定の企業の名前を擦り込ませるようなアピール方法をひどく嫌っている。アメリカのように、小学校で企業名の入った文具が配られたりしようものなら、フランスでは大スキャンダルなのだ。



ポレミックなパリジャンたち


 パリのカフェなどに行けば、パリ・プラージュについての様々な意見が交わされている。どんな声があるのか2〜3御紹介しよう。

「今年もパリ・プラージュなんて、がっかりだわ。ヤシの木やパラソルなんてパリには似合わないわ。パリの夏の夜はロマンティックなのに、せっかくの浜辺で台なし。パリの浜辺なんてどこが楽しいのかしら……」

「君は、変わっているね。ビーチよりも、排気ガス溢れる道路の方が好きなのかい?」

「ロマンティックなパリの夜なんて、年中あるじゃない。パリはお金持ちだけの街じゃないのよ。何処にもいけないパリの子供たちのためにパリ市長はがんばっていると思うわ。私も最初は気が進まなかったけど、行けば楽しいわよ。」

「セーヌの河岸というのは、ベルサイユ宮殿と同じく、ユネスコの世界遺産に指定されているんだぜ。我々の大切な文化遺産だ。ベルサイユ宮殿にビーチを作ったらおかしいだろう? やはり、セーヌにビーチもおかしいよ。もう少し、他の方法でセーヌ河岸でイベントをする方法がないものかと思うよ。ヤシの木にパラソルなんて、コパカバーナじゃないんだし」。

「でも、面白いのは、普段は触れあうことのないパリジャンたちがミックスされることさ。16区に住むお金持ちもいれば、郊外に住む人も来る。普段は決して肩を並べることがない様々なパリジャンたち──若い人も、お年寄りも、白い人も、黒い人も、黄色い人も、貧乏も、金持ちも、公務員も、アーティストも、ツーリストも──混ざってダンスしている姿はなかなか目にできないよ」。

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