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流行のきざし、オリエンタル・エステ

  • 2003年8月23日
  • 緑のgoo編集部

流行のきざし、オリエンタル・エステ

 お洒落に余念のないパリジェンヌの間では、近東やマグレブに伝わる美容法、いわゆるオリエンタルエステが大好評。パリのあちらこちらにあるハマム(蒸し風呂)で簡単にできる美容法をモロッコ出身のアミナさんに伝授してもらいました。


モロッコ系フランス人、アミナに連れられてハマムに


 パリには、かつてのフランスの植民地だった、モロッコ、アルジェリア、チュニジアなどの北アフリカからの移民が多数住んでいます。大半がイスラム教徒である彼らは、非常に清潔好きで、特に女性は、お洒落に余念がありません。お洒落といっても、西洋式に派手な化粧をしたり、最新のバイオテクノロジーに基づいた美顔術を受けるのではなく、100%ナチュラルな天然素材を使って、家族代々、母親から教えてもらってきた伝統的な方法で美肌作りをするのです。

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良く擦れるマグレブ式垢スリミトン、ケサ。

 まず、アミナと私は、瓶につめた石鹸やら、土やら、泥やらを一式バスケットに入れ、グラン・モスクに出かけました。グラン・モスクとは、パリのカルティエ・ラタンにある美しい回教の礼拝堂です。世界大戦の際にフランス軍として戦死していったイスラム兵の魂のために建てられたものですが、中に美しいタイル張りのハマムがあるのです。
 今日は「女専用の日」だったので(日替わりで男と女が入れるようになっている)、私たちはチケットを買って、タオルを体に巻き付けて入りました。温かいタイルの上に寝転びながら世間話をして15分。スチームには、ユーカリのエッセンスオイルが入っているらしく、とてもすがすがしい気持ちに。汗がじわじわと出てきたところで、アミナはバスケットから垢スリ用ミトン(ケサ)を取り出しました。生地は、ちりめんで、韓国式とほぼ似ています。お互いの背中をケサでゴシゴシと擦って、ますます汗だくに。



つるつるのオリエンタル女性たち


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ハマムの定番グッズ、サボン・ノワールは、黒オリーブから作られた100%ナチュラル石鹸。パリジェンヌたちに大好評。
 すっかり垢が落ちたところで、休憩室でひと休みしつつ、今度は脱毛タイムになりました。ワックスよりも痛みが少ないのが特徴の、オリエント式の蜂蜜脱毛です。アミナが言うには、オリエントの女性は、くまなく全身を脱毛するとか。
 「まさか、あそこも?」と聞いてみれば、「もちろんよ。本当のお洒落さんだったらね」、と彼女。
 「シバの女王っているでしょ? 旧聖書にでてくる絶世の美女。あれが私たちの、理想女性像よ。シバの女王は、体には、髪の毛以外の毛は一本もなかったのよ」。
 体の熱が冷めたところで、ふたたびスチームの中へ。今度は、サボン・ノワール(オリーブオイルの黒石鹸)を取り出したアミナは、パンにバターを塗るがごとく、私の体をくまなくぬりたくります。
 「これはね、皮膚の毒素をとって、すべすべの、角質のないソフトな肌にするためのもので、私たちの必需品よ」とアミナ。


永遠につづくお手入れ


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モロッコ式軽石
円盤のテラコッタを毛糸やコットンで包んだ円盤は、固くなった足の皮膚をこすり落とすためのもの。フェズやマラケッシュ伝来の美容法。
 ふたたび、15分、タイルの上に仰向けになりつつ、くだらないおしゃべり。そして、サボンを落とし、今度は「ガスール」という土でしっかりとお顔をパック。それと同時に、髪の毛はヘナでパック。
 「このガスールは、泥みたいなもの。余計な皮脂とかをとってくれるらしいよ。ヘナは知っているでしょ? これでタトゥも入れるのよ。髪にハリと、美しい色と輝きを与えてくれるの」。ヘナの独特な匂いの中、アミナは、妹のことや弟のこと、両親のことなどを話してくれた。
 「やっと終わった!」と思ったら、まだまだ甘かった。今度は、かかとやひじなどの硬質皮膚の手入れ。モロッコ伝来の円盤型の石を使い根気よくマッサージ。そして、輝く歯のためには「スワック」と呼ばれる木でゴシゴシと歯と歯茎を磨く。そして、再び休憩室へ……。


ミントティーと水煙草でひと休み


 今度は、火照った体に、エッセンシャル・オイルを使ったマッサージでリラックス。これは極楽! アミナと交代で10分づつ背中に円を描くようにマッサージ。私は、ツボなどをいくつかアミナに教えつつ、指圧をサービス。
 マッサージが終わったころ、軽い疲れを感じたので、庭のテラスでミント・ティーを一杯飲むことにした。私は、松の実入りのミントティ−を。アミナはアーモン入りを注文した。お茶の甘さが体を安らげてくれてリラックス。ここで、私たちは、調子に乗って、水煙草も注文した。私はりんご味、アミナは蜂蜜味の煙草。お昼に出発したのに、気が付けば、もう夕方だった。
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サンタルやムスクの香しいオイルで、マッサージ。 ヘナタトゥが入ったアミナの手。


仕上げのメイクアップ


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顔色が良くなる不思議なローション。
薔薇水に溶けたミネラル成分の100%ナチュラルほお紅(ローションタイプ)。コットンに少量含ませて軽く頬に叩くだけ。
 煙草を吸い終わった後、アミナは、「コール」と呼ばれるアイライナーで、私の目のふちに太めのエキゾチィックなアイラインをいれ、コクリコの花からとれた紅い粉を小指で押さえるようにして唇に紅を差してくれた。
 モロッコの家族代々にわたって受け継がれてきた美へのオマージュ、誘惑術、フェミニティーのすべて。モロッコ式美人、アミナは、こうしてつくられたのだと妙に納得。
 最新のバイオ技術を駆使した美容術がファ−スト・エステだったら、太古から伝わるこのオリエンタル式美容法は、正真正銘のスローエステではないだろうか。

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