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アフリカのおしゃれな雑貨を扱うブティック「CSAO」が大人気。 でもこのブティック、ただのおしゃれな雑貨屋ではない。 アフリカの小さな村々の経済的自立を助ける、新しい形のエコビジネスなのだ。 |
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アフロキッチュな雑貨、つまり、アフリカのキッチュな雑貨たちがパリで人気だ。お洒落なアフロ雑貨が手に入るのは、マレ地区にあるCSAO(セー・エス・アー・オー「セネガル&西アフリカ商事」)。ヴァネッサ・パラディやジョン・マルコヴィッチもリピーター客として足繁く通うブティックだ。 ここで一番人気の商品は、鮮やかな色が特徴のファブリック(写真1)。田舎の村に住んでいるセネガル人たちが小さなアトリエで染めたもので、かわいい小さな袋(写真2)に入って売られている。こんなファブリック をテーブルクロスにして、セラミックの食事皿(写真3)とコーディネイトしたら楽しいダイニングができそうだ。 |
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しかし、このお店は、単なるお洒落な雑貨屋ではない。お店の利益の一部を、独自の方法でセネガルの貧しい村に社会貢献しているのだ。例えば、写真の色とりどりのファブリックを作っているセネガルの村では、この染料アトリエのおかげで村に病院と学校を建てることができたという。利潤ばかりを追っている多国籍企業は、人件費の安い土地で労働者を簡単に雇い、景気が悪くなったらポイ捨てのように彼らをお払い箱にしている。裕福な国はますます裕福になり、貧しい国は悲惨になっていく。多国籍企業のこうした非人道的な経済活動が、一層アフリカを不幸する……というのが現在の状況なのだ。 このブティックはそんな拝金主義的な態度には冷たい視線を送り、アフリカに住む人たちのことを第一に考える。 「僕たちの計画は長期です。店で雑貨を売ることも大切ですが、それ以上に大切なのは、アフリカの小さな村が自立していく助力をすること」と語るのは、CSAOの代表、ノエさん。日本語がペラペラのフランス人男性だ。 |
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「僕は、実はセネガル生まれなんです。父が外交官でセネガルに長く住んでいました。父は、『アフリカの経済を立て直すには、小さな村のひとつひとつからエコノミーを作って自立していかねばいけない』と言っていました」(ノエさん)。 確かに、アフリカ諸国に寄付しても上層の人たちが使い込んでしまったり、あるいは寄付慣れしてしまって労働しない人もいるというケースがよくあると聞く。 「こうした父のアフリカ経済の立て直しに関する考えは、Developpement Rural Integre(デヴロップマン・リュラル・アンテグレ)と名付けられています。このアイディアに実際に受肉化したのが僕の母なのです。彼女は、8年前に、セネガルの小さな村々に雑貨アトリエを作り、それを売るためのアフリカ雑貨の店をパリに作りました。試行錯誤を重ねましたが、努力が実り、お店は思ってもみなかったほどの大繁盛です」。 |
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ブティックの雑貨は、『Elle』『Marie-Claire
Maison』などの女性誌やインテリア雑誌に毎号というほどに紹介されている。純粋に雑貨がかわいいから買っていく人もいれば、このお店のエコビジネスに共鳴して購入する人もいる。とにかくお店はいつも繁盛しており、数々の地方都市にも支店ができ始めているという。世界の大都市からも取り引きのオファーをもらっているそうだが、社会貢献の部分を分かっていただけない企業とは一緒に仕事をしないと決めているという。世界にこんな会社が増えれば、経済のグローバリゼーションを食い止め、平和な社会を築いていけるに違いない。CSAOは、フェア・トレードより一歩進んだ、倫理的で社会的、しかもお洒落なビジネスを提案している前衛的なエコブティックなのだ。 http://www.csao.fr |