Safari Zen（サファリ・ゼン）って？

2003年5月1日

「パリジャンたちのナチュラルライフって？」
「どんなリラックス法が流行っているの？」
　パリのナチュラル・ライフに好奇心旺盛なあなたのために、たったの６時間ですべてを体験するできる楽しいツアーができた。

　パリ風ナチュラル・ライフを見学できるツアー名は、「Safari Zen（サファリ・ゼン）」。ゼンとは、仏教の「禅」のこと。フランスでは、ここ数年“zen”という言葉が氾濫している。そして、「リラックス」「ナチュラル」のほぼ同意語として使われているのだ。少し前までは、“zen”には、「シンプルで無駄がない」「ミニマルな」という意味合いが強かった。例えば、「無印良品」の商品を、フランス人たちは「zenだなあ」と言いながら買っていた。バイオ野菜も、ストイックでシンプルなのでzen だ。代替医学も zen だし、マッサージをされてもzenなわけである。

Safari Zenのプログラム

　サファリ・ゼンの所要時間は約６時間。大まかなプログラムは……

１．中国人による気功教室への参加（日によっては、ヨガ、太極拳などに変更する時もある）。

　パリの人たちは異国情緒が大好き。リラックスも、中国式に「気」を取り入れるのが流行中。ヨガや太極拳だって本格的。

２．汗を流した後は、バイオ・ランチ。リラックス効果のあるお茶も試飲。

　バイオ・マルシェ（朝市）も定期的に各所で開かれているが、バイオに関する関心が最近つとに高まっている。パリの中でも、一番美味しいと評判のバイオ・レストランが予約されているという。また、お茶をライフスタイルに取り入れたらいいかアドバイスが受けられる。

３．薬草ベースのナチュラル・プロダクトのお店を探検。

　今でもパリには薬草専門店（エルボリストリ）がパリには数件残っているが、都会に住む人たちにはあまり接点がないもの。そこで、薬草のことについてもっと知ってもらおうと、アロマ・テラピーや代替医療商品についての紹介が行われる。

４．ハマムとサウナ入り放題。オプションで、マッサージも受けられる。

　ハマムとは、トルコ式の水蒸気風呂。マグレブ人が多く住むパリには、あちらこちらにハマムがある。中でも有名なのは、サント・ジュヌヴィエーヌの丘にあるモスケ・ド・パリ。是非ここで発見してほしいコスメが、Savon Noir（サヴォン・ノワール）と呼ばれるオリーブで作られたナチュラル石鹸。モロッコ美人の肌は、この石鹸で作られると言っても過言はないだろう……！

参加者たちの感想

参加した人たちはこんな感想を述べている。

「我が家の近所にリラックス場所があるとは知らなかった。何年間も溜っていたストレスを解消することができました。リラックス・レッスンをどうもありがとう」（ジェラルディーヌ／コンサルタント業　２８才）

「気功やヨガ、ハマムへは前から行ってみたかったけど、ひとりだと億劫になってしまって長年行くことができなかった。今回のツアーに参加して、その扉を開くことができました」（パトリシア／教論　３４才）

「今回のパリへの滞在は短かったけど、ツアーに参加して凝縮したパリ風ナチュラルライフ・スタイルを体験することができた。フランスの良いところは、先入観を持つことなく、外国の伝統を受け入れることができること」（サマー／アメリカ人女性、40才）

●Safari-zenについての情報
サファリは、11時に始まり、夕方５時頃に終了する。参加費用はひとりあたり75ユーロ（9300円程度）。なお、規定の人数が集まらない時は中止する場合もありますので御注意を。
URBAN-SAFARI
16, rue Euler
75008 Paris
tel :01.49.52.07.25
fax :01.49.52.07.74

にむら　じゅんこ（執筆・翻訳業）

静岡生まれ、1970年生。環境雑誌『ソトコト』のパリ特派員。主な著書に『パリを遊びつくせ（原書房）』、『ネコ式フランス語（三修社）』、『フランス語で綴るグリーティングカード（三修社）』などがある。
　パリ第四大学の美術史の学生としてパリに来て、かれこれ10年目。離婚歴一回。猫一匹。
　フランスに来るまでは「環境」には、とりわけて特別な関心はありませんでした。しかし、フランスの国民的ヒーローである農民、ジョゼ・ボヴェ（マクドナルド襲撃事件のリーダー）に出会って改心。
そして、カナダの環境雑誌『Adbusters』、ナオミ・クラインの『NO LOGO 』、トニー・ネグリの『EMPIRE』などの環境問題本を繰り返し読んだり、新聞や環境団体の機関誌をチェックして“メンタル環境”ということを考えている今日この頃です。