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9/11の同時テロ以来、大量消費や、市場至上主義に反対する記事がフランスのプレスにで頻繁に書かれている。専門誌はもちろんのこと、女性誌までが声高にショッピングの見直しを叫んでいるのだ。今までのように、「広告やブランドのイメージに影響されて」、あるいは「ただ安いから」という理由で商品を買うというショッピングの時代は、フランスでは終焉を迎えているようだ。これからは、地球と人間に優しいスロー・ショッピングの時代が到来する気運が高まっている。 |
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もしも、あなたがいつも買っている洋服ブランドが、10歳に満たない子供たちを虐待しつつ服を作らせて利益をあげている会社だとしたら、あなたはそのブランドをボイコットしますか? 「商品を買うことは、実は、とても社会的な行為。あなたは責任ある消費をしていますか? 搾取工場、虐待工場で作った商品を買っていませんか?」とカラーページ、5ページにわたって呼びかけた特集。統計によれば、54%のフランス人が「誰がどんな条件下で作ったのかという表示をすべきだ」という倫理タグを商品につけることを希望しているという。 |
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「広告主の皆様、ごめんなさい。あなたたちのスポンサーでこの雑誌が成り立っていることは知っています。でも、今日の私たちの生活におけるブランドの脅威をお話しないわけにはいきません……」という冒頭で繰り広げられるアンチ・ブランド特集。この特集は、ナオミ・クラインの『NO LOGO(邦題・ブランドなんていらない)』にインスピレーションを受け、ブランドが、いかに人間の自由を阻んでいるかということを展開してみせたもの。実は、この雑誌、一流広告が沢山入っているオールカラーの雑誌なのだが、こうして堂々とスポンサーと向き合った最初のフランスの雑誌だった。 |
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「現代人は洗脳されている。ショッピングをすることで、アイデンティティを得ることができると思っているのだ……。“我思う、ゆえに我あり”ではなく、“我、ショッピングする、ゆえに我あり”の時代になっている」。 カラー6ページで、ショッピング地獄から抜け出すことを女性たちに提案している。面白いのは、特集の扉ページに「渋谷ショッピング・マラソン」、「New in Japan」などと書かれていること。「自分さがし」のためにファッション・ヴィクチームになっている日本人のことを揶揄している? |
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以上の4つの雑誌は、私の手許にあるものをざっと並べただけ。けれども、ほとんどの雑誌が、異口同音に「ショッピングについての態度を変えよう」と提案しています。地球の未来と環境に密接に関係している“消費”という行動。先進国のエコロジーの鍵を握っているのは、ショッピングのあり方なのでしょう。 |