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第46回 エコ×エネ・カフェ 『「エネルギーの今とこれからを考える」~あなたはどんな未来をつくりますか?~』 (前編)

  • 2024年11月25日
  • 緑のgoo編集部

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各界の第一人者をゲストに招き、「エコロジー」と「エネルギー」について気楽にフラットに学び合うエコ×エネ・カフェが、2024年10月16日(水)に開催されました。

第46回目の開催となる今回は、炭鉱跡地の研究やエネルギー移行などついて研究をされている、一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 環境ユニット主任研究員の小島舞さんをゲストに迎え、ファシリテーターのBe-Nature School代表 森雅浩さんと共に、「エネルギーの今とこれからを考える」をテーマに学びを深めました。

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小島 舞(こじま まい)氏
一般財団法人 日本エネルギー経済研究所
環境ユニット 主任研究員

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森 雅浩(もり まさひろ)氏
有限会社ビーネイチャー 代表取締役
Be-Nature School 代表

【目次】
①:エネルギーと環境の共生をめざして
②:エネルギーとCO₂
③:石炭の現状と今後
④:あなたはどんな未来をつくりますか?

エネルギーと環境の共生をめざして

開催にあたり、まずは主催のJ-POWER(電源開発株式会社)の坂田奈寧子さんよりご挨拶をいただきました。

坂田さん(以下、坂田):
J-POWER(電源開発株式会社)は1952年の設立以来、時代の変化に応じて様々な発電方法で電気をつくっています。日本全国に約100か所の発電所を持ち、海外でも64の国と地域で事業を展開しています。

1998年に策定した企業理念の信条の一つにある「環境との調和をはかり、地域の信頼に生きる」という考え方のもと、エネルギーと環境の共生を目指して、2009年から「エコ×エネ体験プロジェクト」を社会貢献の一環として取り組んでいます。

「エコ×エネ・カフェ」は「エコ×エネ体験プロジェクト」のひとつとして、私たちの暮らしに欠かすことのできないエコとエネ、双方のバランスがとれた社会について様々な立場の人がリラックスして気軽に話し合う「身近なつながりの場」として開催しています。今日は4年半ぶりの対面開催です。ぜひ楽しんでください。

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J-POWER(電源開発株式会社)広報部 広報室
坂田 奈寧子(さかた ななこ)氏

エネルギーとは?

まず森さんから、参加しているみなさんに簡単な意識調査の呼びかけがありました。

森さん(以下、森):

問1:地球環境問題・気候変動についてどう思いますか?

1:とても心配
2:気にはなっている
3:あまり気にしてない
4:あきらめている
5:行動している

みなさんの回答は「とても心配」がいちばん多く、次に「気にはなっている」が続き、「行動している」は全体の10%ほどでした。


問2:エネルギーで何が気になっていますか?

1:再生可能エネルギー
2:石炭火力発電とCO₂
3:原子力発電
4:発電方法の組み合わせ(エネルギーミックス)
5:電気料金高騰

こちらは「エネルギーミックス」が40%ほどと、いちばん多い回答でした。

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小島さん(以下、小島):
「エネルギーミックス」という言葉はあまり一般的ではないと思っていましたが、今日お集まりの方々は個別の発電方法よりも全体的なことが気になっているということですね。

私の所属する日本エネルギー経済研究所は「エネルギーの未来を描く」というビジョンを掲げています。私自身は学生さんを中心にエネルギーや環境問題についてのお話をしたり、国際会議などに参加し、今後のエネルギーのあり方について考えています。

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小島:
私はイギリスの大学院を修了した後、日本で鉄の会社や外資系企業に勤めました。その後コロナ禍になり、もう少し研究をやりたいなと思って、2年間山口県に移住して博士課程で石炭の研究をしました。今日は石炭の話もしたいと思っています。


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小島:
早速ですが、「エネルギー」とは何でしょうか?辞書的な意味でいうと「仕事をする能力」です。体を動かして使うカロリーもエネルギーの単位のひとつで、運動エネルギーが熱エネルギーになってカロリーを消費するというメカニズムです。このように、エネルギーは形が変わっていくというのが大きな特徴です。

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小島:
身近なエネルギーには、光・音・熱を出すものなど、電気に関わるものが挙げられます。そのエネルギーは何からつくられているのかというと、まず化石エネルギーと非化石エネルギーに分かれます。化石エネルギーの代表は、石炭・石油・天然ガスです。これらはその名の通り“化石”で、例えば石炭は、太古の昔に木が倒れて、それが地熱や圧力などにより炭素が濃縮したものです。

石油や天然ガスも、動物の死骸が何十億年もかけて液体化したものです。使い続ければいずれ枯渇する、元には戻らないという意味で、化石エネルギーは有限な資源であるといわれます。一方で水や太陽光、風のような非化石エネルギーは、使ってもなくならないのが特徴です。

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小島:
ではここで問題です。化石エネルギーは主に火力発電で用いられますが、火力発電の中で発電量の比率が一番多いのは、石炭、石油、天然ガスのうちどれでしょうか?

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小島:
皆さんの回答を見ると、石炭が一番多く、次が石油。天然ガスという回答は少ないですね。実は、正解は天然ガスが34%で一番多いんです。驚きですよね。
天然ガス、石炭、石油を合わせた合計73%が、日本の発電電力量における電源別の構成比における火力発電の割合となります。

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